細菌性腟症

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

今回は、妊活で時々問題なる「細菌性腟症」についてです。

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細菌性腟症

通常女性の正常な腟内では、乳酸桿菌が存在し、腟内を酸性に保ち、他の病原細菌が繁殖しないよう防御機構が働いています。

しかし、何らかの原因によりこの防御機構が崩れると腟内の細菌叢が変化し、病原となる菌が過剰に増殖し、妊娠中であれば早産や流産などにつながる恐れがあります。

 

細菌性腟症の半数は無症状ですが、帯下の増加や下腹部の違和感や痛み、帯下の匂いの増強などが見られることがあります。

細菌性腟症は妊娠・出産時のトラブルの原因になることがあり、妊娠時には約2割の方に細菌性腟症がみられるという報告があります。

 

細菌性腟症は、骨盤内炎症性疾患、流産後と分娩後の子宮内膜炎、子宮摘出後の腟断端感染、絨毛膜羊膜炎、前期破水、切迫早産、および早産のリスクを高めると考えられ、これは腟内の細菌が、子宮頸管を通り、子宮内に移行したことにより、子宮内膜、胎盤に細菌が感染し、炎症を起こすためと考えられています。

 

産科ガイドライン2017」によれば、細菌性腟症で症状のある妊婦さんに対しては抗菌薬を用いた治療がすすめられ、早産予防を目的とした細菌性腟症のスクリーニング検査を行う場合には、妊娠20週未満に実施することを考慮するとしています。また細菌性腟症と診断された場合は早産ハイリスクと認識し管理することがすすめられ、抗菌薬を用いた治療を考慮するとしています。

 

細菌性腟症は妊娠の有無にかかわらず不快な症状に対しては治療が必要となります。

治療は、非妊娠時にはメトロニダゾール 500mgを1 日2回 7日間内服、メトロニダゾール 250mgを1 日3回 7日間内服、メトロニダゾール腟錠 250mg 1日1回7~10日間のいずれかを推奨しています

妊娠時にはCDCはメトロニダゾール 250mgを1日3回7日間内服を推奨していますが、メトロニダゾール 500mg 内服法や腟内投与法、および、クリンダマイシン 300mgを1日2回5日間内服法でも妊娠中に治療効果を認めたと紹介しています。

日本ではメトロニダゾールの内服は原則妊娠 3 か月以内での服用は禁忌となっているため、腟錠での治療となります。

 

症状のないすべての妊婦さんに対する細菌性腟症のスクリーニング検査や治療的介入が必要かどうか検討されていますが、治療により流産率や早産率が減少したとする報告としないという報告があります。

早産の既往のある妊婦さんに対しては早産率を減少させる可能性やスクリーニングを行っている施設では治療的頸管縫縮術を行う割合が低くなる可能性も報告されています。妊娠20週未満で治療を始めた場合、早産率、低出生体重児の出生率が低下するという報告があるため、治療する場合は早い段階で行うことがすすめめられます。

 

細菌性腟症では、防衛機能を担う乳酸桿菌であるラクトバチルスが何らかの原因により減少し、ブレボテラ属、プトストレプトコッカス属、ガルドネレラ・ヴァギナリス、モビルンカス属、マイコプラズマ・ホミニスなどの嫌気性病原体が通常の10〜100倍に増加してしまいます。

そのため、病原菌を減らすことと合わせて、防衛機能の主軸となるラクトバチルスなどの乳酸桿菌の内服や腟錠は有用と言われています。

 

また、原因不明不妊では腟内では独特の細菌叢が形成されており、不妊症と細菌性腟症は関連があるのではないかと考えられいます。また子宮内膜炎では、細菌性腟症関連細菌との関係も指摘されています。

症状がないことも多い細菌性腟症ですが、妊活、妊娠を妨げる原因となるため日頃からの注意やケアが重要です。

妊活中よりラクトバチルスなどの乳酸桿菌を日頃の食生活で摂ることも有用だと言われていますので、意識して摂取するようにしてみてください。またタナココではラクトバチルスを含む乳酸菌製剤の購入もできますのでご相談ください。

 

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