処方箋医薬品以外の医療用医薬品

処方箋医薬品以外の医療用医薬品について

Q:医療用医薬品を購入することはできますか?

A:薬剤師のいる薬局では医療用医薬品のうち、非処方箋医薬品に限り 例外的に薬剤師と相談後に購入することができる場合があります。この場合、健康保険の適用はなく、自費での販売となります。販売は一般用医薬品で対応を考慮したにも関わらず、やむを得ず販売等を行わざるを得ない場合に限られています。また、すべての薬局で購入できるわけではありませんので、事前に購入可能かどうかについてお問い合わせください。

※ 医師の診察が必要であると薬剤師が判断した場合は販売は行わないこともあります。

処方箋医薬品以外の医療用医薬品の薬効について

処方箋医薬品以外の医療用医薬品ついては、以下の様な薬効の医薬品があります。

・痛み止め(塗り薬・貼り薬)
・痛み止め(飲み薬)
・感冒薬(風邪薬)
・抗アレルギー薬
・ステロイド軟膏
・塗り薬(ステロイド以外)
・医療用保湿剤
・胃腸薬
・下剤

など。

処方箋医薬品以外の医薬品

「処方箋医薬品以外の医薬品」の相談・販売形式は「零売(れいばい」)と言われています。

零売とは、処方箋で取り扱っている一部の医薬品(処方箋医薬品以外の医薬品)を例外的に販売する仕組みです。市販薬での対応を考慮したにも関わらず、効果が期待できず、病院の受診も難しい場合に、患者さんの症状をよくお聞きして、症状が改善しない場合には必ず受診することを前提として最適な医薬品を最小限の量で販売します。

販売の際は、 厚生労働省により定められたルール に従い販売することになっていますので、通常の一般医薬品のように、好きな薬を好きな量だけ購入するようなことはできません。

零売:零売の元々の意味は「箱を開けて少数や、少量に小分けして販売すること」ですが、医療用医薬品の箱から出して必要数販売することから、現在では医療用医薬品のうち、処方箋医薬品以外の医薬品の販売を意味することで用いられています。タナココでは上記の販売方法を「零売」と表現しています。

処方箋医薬品以外の医療用医薬品について

病院で処方されるような医薬品を「医療用医薬品」と言いますが、その「医療用医薬品」には処方箋が絶対に必要な「処方箋医薬品」と必ずしも処方箋をしない「処方箋医薬品以外の医薬品」に分けられます。

日本の「医療用医薬品」の数は約2万品目あり、そのうちの約7千品目が「処方箋医薬品以外の医薬品」です。

医薬品の分類はわかりにくいので図で説明します。

医薬品の分類

日本の医薬品は上記のような分類になっており、青文字が「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」の立ち位置です。上記のうち必ず処方箋が必要な医薬品が一番左にある「処方箋医薬品」のみで、この処方箋医薬品には、「抗生物質」「ステロイド」「生活習慣病の薬(血圧、脂質代謝異常、高血糖の薬)」「睡眠薬・安定剤などの向精神薬」などが該当します。

この7千品目ある「処方箋医薬品以外の医療用医薬品」は例外的に薬剤師が販売することが可能な医薬品です。そしてこれらの医薬品を薬局で販売する方法を通称「零売」と呼んでいます。

「なんで普通に薬局で買えないの? 今までそんなこと知らなかったよ! 買えるならなら売ってよ!」という声が聞こえそうですが、なぜ一般的ではなく、あまり知られていなかったかというと「処方箋医薬品以外の医薬品」であっても、処方箋を用いて患者さんに提供するということが「原則」とされているからです。

「処方箋医薬品以外の医薬品」を購入するには、いろいろと制限があり、市販薬を購入するみたいに、欲しいものが欲しいだけ買えるわけではありません。

この販売方法をめぐっては、厚生労働省は、まず平成17年に「薬食発第0330016号」にて販売ルールを明確にしています。その後平成26年には、医薬品の販売業等に関する規制の見直しについて、「薬食発 0318 第4号」にて「処方箋医薬品以外の医薬品」について内容を整理する形で新たに通知を出しています。また、令和4年には「薬食発第0805第23」にて販売ルールについての再周知を求めています。

ではどのような場合に「処方箋医薬品以外の医薬品」が購入できるかというと、

一般用医薬品の販売などによる対応を考慮したにもかかわらず、やむを得ず販売を行わなければならない状況があり、必要な受診勧奨を行ったうえで

・必要最低限の数量のみの販売(たくさんは購入できませんし、サブスクリプションなどの購入方法では購入できません)

・薬事承認された効能・効果、用法・用量での販売(適応外使用での販売はできません)

・患者さんの氏名・連絡先、販売品目、販売数量、販売日時の記録と保存、相互作用・重複投与がないかの確認と薬歴管理(匿名での購入はできませんし、お薬手帳などの服用している薬品がわかるものがないと販売できませんし、販売数量についてもその数量を適正と判断した理由の記録も必要になります)

・販売にあたって、使用状況を継続的かつ的確に把握し、必要な情報を提供し、又は必要な薬学的知見に基づく服薬指導が必要(販売して終わりではなく、継続的な管理が必要になります)

をクリアしていないと購入できません。

また販売時は不特定多数の方に広告することもできませんし、薬剤師による詳細なヒアリングとしっかりとした服薬指導が必要になるため、市販薬を購入するように気軽に手にとって購入できるものではありません。

また受診勧奨も求められる項目の一つですので、薬剤師が「販売して対応するよりも、受診できる時まで待ち受診した方が早く良くなる」と判断した場合は、薬を販売しないこともあります。

これらの内容が例外的に販売する際のルールとして定められています。

近年「零売薬局」が増えております。その中には不適切な販売方法で販売しているケースがあります。

・「処方箋がなくても買える」
・「病院や診療所に行かなくても買える」
・「忙しくて時間がないため病院に行けない人へ」
・「時間の節約になる」
・「医療用医薬品をいつでも購入できる」
・「病院にかかるより値段が安くて済む」

の様な表現や、処方箋医薬品以外の医療用医薬品を購入を促す表現を用いている場合があり、これらのケースでは、厚生労働省は不適切として指導の対象としています。

また、上記以外にも購入の際に注意しなくてはいけない点があります。

通常医薬品を正しく使用したにもかかわらず、副作用が起こってしまった際に「医薬品副作用被害救済制度」と言うものがありますが、零売で購入した医薬品についてはこの救済制度の対象にならないかもしれないと言われている点です。

この制度は、上記のサイトの説明によると、

「医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、医薬品副作用被害救済制度です。」

とあります。

零売による販売は一般的なものではなく、例外として行われるものであるため、何かあった時の対応がどうなるか十分整備されていません。

この販売方法にはいまだ賛否両論ありますし、この販売方法を知らない医療従事者も多くいます。また薬剤師さんの中でも認知度はかなり低く、お医者さんで知っている人はほとんどいないと思われます。そのため薬局で医療用の医薬品(処方箋医薬品以外の医療用医薬品)を購入したと説明すると「違法販売」と誤解されることもありますが、このような販売方法は例外的は販売方法ではありますが、違法ではありませんのでご安心下さい。

*こちらの「noteの記事」がわかりやすいのでぜひご覧下さい。

医療費削減の一つの選択肢として

国民医療費が増え続け、すでに40兆円を超え、減少する様子はありません。

厚労省は2019年9月26日、18年度の医療費の総額が、概算で42兆6000億円となったことを発表しました。前年度から約3000億円増加です。過去最高を2年連続で更新しました。40年には66兆円を超えるとの試算もあり、高齢化を背景に医療費の増大は収まりそうにありません。

医療には資源が必要です。人的資源、物的資源、それを支える経済的資源、情報的資源です。今の日本ではすべてが不足し、十分に機能できていない状況が続いています。

すでにあるクリニックでは、病院ではないとできない医療に特化し、必ずしも受診する必要のない疾患については薬局で「処方箋医薬品以外の医薬品」を活用することは時代の流れに合っているとし、いわゆる門前の調剤薬局での零売を容認する動きも見せています。

また、ある薬局では零売薬局を今後全国展開により医療費 5469 億円以上の医療費削減を目指し、まずは今後3年以内に都内100店舗を目指しているというような動きもあります。

この販売方法には販売する薬剤師側も 大きく意見が分かれています が、厚労省の判断は以前のような「原則するな」から「きちんとルールを守れるなら例外的に可」というスタンスに変わってきているような印象を受けます。今後さらなる法整備が行われることで、よりしっかりとしたものになって行くと思っています。

タナココでは

保険での医療が必要な人々が十分な治療を継続して受けられるよう、日本の保険制度はなんとしてでも守って行かなければなりません。そして守って行くためには、病気にならないよう、自分自身のからだを守るための「セルフケア」がより重要となります。

タナココでは簡易血液検査、未病にアプローチできる東洋医学(漢方・鍼灸)、日々の体のケアができる接骨院が利用できる施設です。

「健康で楽しく長生き」&「医療費削減」のお手伝いをしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。