男性のアルコール摂取と妊娠について

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

妊活中は女性の体調のことばかり考えがちですが、妊活は二人で行うものですので当然男性の体調管理も重要です。

 

不妊治療では原因の約半数に男性因子が関係していることが知られています。男性因子とは精子の状態のことですが、いくつかの要因、例えば喫煙、肥満 、糖分過多などは精子状態に影響を与えることが知られています。

 

一方、一見問題になりそうな「アルコール」については男性においてはその摂取は妊娠に影響しないという情報があります。

 

果たしてこれは正しい情報なのでしょうか。


アルコール摂取が男性の妊娠しやすさに影響を及ぼすかどうかを調査した報告があります。

 

デンマークの662組、北米の2017組のカップルについて調査した報告です。

 

アルコール消費量について

・ビール 1 本 (330 mL)

・ワイン 1 杯 (各120 mL)

・デザート ワイン(50 mL)

・スピリッツ(20 mL)

を1単位として計算して妊娠のしやすさについて消費量との関係を比較しました。

 

デンマークのカップルのグループ、北米のカップルのグループ、デンマークと北米を合わせたカップルのグループにおいて、アルコール摂取について、アルコールを摂取しない、週に1〜5単位、6〜13単位、14単位以上で分けて調査した結果、いずれのグループのアルコールの消費単位でも妊娠のしやすさには変わりはありませんでした。

 

男性は妊娠に関してはアルコール摂取の影響は受けない・・・と見えそうですが、もう少し詳しく見てみると注意しなくてはいけない点がいくつかあることがわかりました。

 

まず1つは、この研究は「不妊症」ではないカップルで行われたという点があります。不妊症の原因があったりすでに治療を受けられている状況ではその結果が変わる可能性も考えられます。

もう1つはアルコールを14単位以上摂取しているデータが少ない点があります。14単位以上摂取しているケースが増えれば結果が変わる可能性があります。

また、これまでの報告では、男性のアルコールの過剰摂取はテストステロンの産生障害と精巣萎縮を引き起こす可能性があることが知られています。

 

これらを総合して考えると、現時点では過剰にアルコールを摂取した場合のリスクや不妊症と診断された方や不妊症で治療を受けている方では、飲酒の影響は明確になってはいないものの、おそらく「毎日缶ビールを1〜2杯飲む」程度であれば、妊娠に影響を与える可能性は低いと言ってもよいと思われます

 

ただし、不妊症と診断された方や不妊症で治療を受けている方への過度なアルコール摂取の影響が明確ではないため「妊活しているけど、なかなかうまくいかない」といったケースでは、アルコールを控えることを検討してみても良いかもしれません。

 

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