🥔 少しだけのつもりが、袋の底まで
少しだけ食べるつもりで開けたポテトチップス。
一枚、もう一枚と手が伸びて、気づけば袋が空っぽ。お腹はいっぱいのはずなのに、食べている間はなかなか手が止まりません。
「また食べすぎてしまった…」
でも、つい食べ続けてしまうのは、意志が弱いからとは限らないようようです。
2026年9月、医学誌「CurrentObesityReports」に、超加工食品と依存的な食行動に関する総説が掲載されました。
超加工食品とは、ポテトチップスや菓子類、清涼飲料水などに代表される、工業的な加工を重ねた食品のこと。
この総説では、食品の加工や成分の特徴が、食欲や脳の働きにどう関係するのか、これまでの研究をもとに検討しています。
中医学では、食欲を胃腸の働きだけでなく、気持ちの状態とも結びつけて考えます。食べ方を整えるときには、食事の内容とともに、その人の心身の調子にも目を向けることを大切にします。
食品の特徴や脳の反応を調べる現代の研究と、食べる人の心身の状態を重視する中医学。着目するところは異なりますが、どちらの視点からも、食べすぎを意志の弱さだけで片づけずに考えることができます。
今回の総説で取り上げられた研究には、普段の食べ方を見直すきっかけになる興味深い結果が報告されています。
🧪 どんな研究?
2019年に発表された研究では、成人20人が研究施設に約1か月滞在し、2種類の食事を比較しました。
一方は超加工食品を中心とした食事、もう一方は加工の少ない食品を中心とした食事です。
それぞれ2週間ずつ、順番を入れ替えて食べてもらいました。
用意された食事は、カロリーや糖分、脂肪、食物繊維などの主な栄養条件をできるだけ揃えたもの。参加者は、その中から満足するまで自由に食べられます。
食品の加工度が違うと、実際に食べる量や速さにどのような差が生じるのか。それを調べた実験です。
その結果は「やめられない、とまらない」のは本人の意思が弱いから…ではどうもなかったようです。
📊 どんな結果?
超加工食品中心の食事では、加工の少ない食事よりも、1日平均約500kcal多く食べていました。
食べるスピードも速く、2週間で体重は平均約0.9kg増加。反対に、加工の少ない食事では平均約0.9kg減少しました。
興味深いのは、それほど食べる量が違っていたのに、本人が感じるおいしさや空腹感、満腹感には、明確な差が見られなかったことです。
満腹感に大きな違いがなくても、食べる量にはこれほどの差が生じていたのです。
もちろん、この実験だけで、加工そのものが原因だと断定はできません。食品の食感や噛みごたえ、食べる速さなども関係していた可能性があります。
普段は栄養成分ばかりに目が向きがちですが、食品の加工や食べやすさも、食べる量に関わっているようです。
もう一つ、食べすぎの背景を考えるうえで注目したいのが、脳の「報酬系」です。
食欲は、お腹がすいたときだけに生まれるものではありません。
好きな食べ物を見ただけで食べたくなったり、満腹なのにデザートには手が伸びたり。こうした行動にも報酬系が関わっています。
報酬系は、おいしいものなどに価値を感じ、それを再び求める行動に関わる仕組みです。
2018年に発表された別の研究では、脂肪と炭水化物を組み合わせた食品に、脳がどのように反応するのかを調べています。
参加者に食品の画像を見せ、食べたいと思う食品にいくら払いたいかを尋ねました。
すると、同じ程度のカロリーでも、脂肪と炭水化物を組み合わせた食品の方が高く評価され、より多くのお金を払おうとする傾向が見られました。
脳画像でも、報酬の価値判断に関わる線条体などの領域が、より強く反応していました。
ポテトチップスは、脂肪と炭水化物を一緒にとれる食品の一つです。「あと一枚」が魅力的に感じられる背景を考えるうえで、こうした研究は興味深いものです。
ただし、この実験で確かめたのは、食品への評価と脳の反応。満腹になっても食べ続けることを直接証明したわけではありません。
今回の総説では、超加工食品に対する強い欲求や、減らそうとしても繰り返し食べてしまう行動について、タバコなどの依存症との共通点も検討されています。
超加工食品への依存を独立した疾患として認めるべきかについては、まだ議論が続いています。
それでも、食べすぎを本人の意志だけの問題とせず、食品の特徴や脳の反応から捉える研究が進んでいます。
🌱 中医学の視点では?
中医学では、食欲や食べ方を、消化吸収に関わる「脾胃」と、気の巡りを整える「肝」の働きから考えます。
甘いものや脂っこいものの食べすぎは、脾胃に負担をかけ、食べ物が停滞する「食積」や、余分な「湿」を生じさせると考えます。食後の胃もたれやお腹の張りなども、こうした状態を考える際の症状です。
一方、ストレスや緊張が続くと、肝の「疏泄」という気の巡りを調節する働きが乱れ、脾胃にも影響すると捉えます。気持ちが張りつめると食欲が落ちる人もいれば、つい食べすぎてしまう人もいます。
中医学の養生では、食べた量だけでなく、食べたくなったときの気分や疲れ、食後の胃腸の調子にも目を向けます。
食事の時間を整え、よく噛んで食べる。胃が重いときは、甘いものや脂っこいものを控えて脾胃を休ませる。気持ちが張りつめているときは、散歩などで気分を切り替える。
食欲の変化を、心身の状態とあわせて捉え、日々の食べ方を整えていくのが中医学の養生です。
🍟 仕方がないことだってある
ポテトチップスを食べすぎたからといって、それだけで意志が弱いということにはなりません。
食品の加工や成分の組み合わせによって、食べる量や脳の反応が変わることが、研究からわかってきています。
日常でできる工夫としては、ポテトチップスを袋から直接食べず、食べる分だけ器に出しておくこと。
別の研究でも、食品の一回分の量やパッケージの大きさが、食べる量に影響することが示されています。
袋の中にまだ残っていると、何となく次の一枚に手が伸びる。そんな食べ方を変えるには、食べ始める前の準備が重要。
疲れているときに食べたくなるなら、その「疲れ」への対策もちゃんと考える。胃もたれするほど食べてしまったなら、食事の量や内容を見直す。
好きなものを楽しむことと、食べすぎを防ぐことは、どちらか一つを選ぶということではありません。
意志の力で無理に止めようとするより、止めやすい食べ方で食べるようにする。
ポテトチップスの袋を開ける前にできる、そんな小さな工夫も、日々の養生につながります。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ご覧いただきありがとうございます
「なんか生きづらいな」
「なんか体の調子が良くないな」
と感じている方へ
漢方と鍼灸、心理学的アプローチを合わせた心身のケアで
日々の生活に彩りを添えるお手伝いをいたします
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
相模原の漢方薬局・鍼灸接骨院
&
吸い玉(カッピング)
足ツボ(リフレクソロジー)
ヘッドスパ・美容鍼
よもぎ蒸しサロン
《タナココ》

お問い合わせ、ご予約、オンライン相談は
「友だち追加」からが便利です。
ホームページからのお問い合わせは
こちらからどうぞ😊
タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院
252-0244 神奈川県相模原市中央区田名 2126-1
042-813-3444
