持続性性喚起症候群(PGAD)と漢方・鍼灸

持続性性喚起症候群(PGAD)とは|診断基準・原因・治療の全体像と漢方・鍼灸によるサポート|相模原 タナココ
持続性性喚起症候群・PGAD × 漢方・鍼灸 / 相模原 タナココ

持続性性喚起症候群(PGAD)とは──
診断基準・原因・治療の全体像と、体の側から支える漢方・鍼灸

望んでいないのに、性器やその周辺に、覚醒に似た感覚が長く続く。恥ずかしさや不安から、誰にも話せないまま過ごしてきた方は少なくありません。

これは性欲の強さや性格の問題ではありません。神経の感覚処理に関わる状態として、2021年(ISSWSH)と2024年(国際性医学コンサルテーション)に診療の合意文書がまとめられました。原因を探す道筋も、治療の選択肢もあります。

タナココは、西洋医学の評価と治療を土台に、漢方と鍼灸で症状を強めやすい要因を整えます。症状が軽くなり、日常を取り戻すところまで、方針を見直しながら取り組みます。

最終更新日:2026年11月2日

持続性性喚起症候群(PGAD)の理解と体質へのアプローチ

この記事の要点

PGADとは:性的な欲求や刺激がないのに、性器に覚醒の感覚が望まないまま続き、強い苦痛を伴う状態です。目安は3か月以上。男性にも起こります。

診断:専用の検査はありません。症状の聞き取りに加えて、末梢・骨盤・神経根・脊髄・脳の5領域から原因を探します(ISSWSH 2021、国際性医学コンサルテーション 2024)。

原因:単一ではありません。骨盤底筋の緊張、陰部神経、仙骨のタルロフ嚢胞、椎間板病変、抗うつ薬の開始・中止、感覚処理の過敏化、ストレスなどが挙げられています。明確な原因が見つからない方も多くいます。

治療:PGADに承認された薬はありません。心理的支援、骨盤底の理学療法、薬物療法、原因病変への治療を組み合わせます。ランダム化比較試験はまだありません。

中医学:PGADを対象にした漢方・鍼灸の臨床試験は確認できません。医療的な評価・治療と並行して、緊張・不安・睡眠・自律神経・骨盤周囲の巡りなど、症状を強めやすい要因を整える位置づけです。

早めの受診が必要な場合:下肢の脱力、会陰部の感覚の鈍さ、排尿・排便のしづらさや失禁が急に出たときは、先に医療機関を受診してください。

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持続性性喚起症候群(PGAD)とは何か

持続性性喚起症候群(PGAD:Persistent Genital Arousal Disorder)は、性的な欲求や刺激がないのに、性器に覚醒の感覚が繰り返し、または持続して生じ、強い苦痛を伴う状態です。オーガズム直前のような感じ、うずき、拍動、腫れた感じ、潤いなどとして現れ、3か月以上続くことが診断の目安とされています。女性での報告が多い一方、男性にも起こります。

2001年にLeiblumとNathanが女性の「持続性性喚起症候群(PSAS)」として報告し、2006年に「持続性性器覚醒障害(PGAD)」と呼ばれるようになりました。2021年のISSWSH(International Society for the Study of Women’s Sexual Health)の合意文書では、覚醒の感覚に加えて、ブンブン・ヒリヒリ・ピクピクとした感じ、かゆみ、痛みなども含む「PGAD/GPD(性器・骨盤部感覚異常:genito-pelvic dysesthesia)」という名称が採用されました。2024年の国際性医学コンサルテーション(ICSM。2026年1月に刊行)は、この考え方を性別を問わないものに広げています。ICD-11には、性的覚醒機能不全の「その他の特定されるもの(HA01.Y)」に位置づけられていると報告されています(Kümpersら 2026)。

本人が望んでいない点が、性的な興奮や性欲の強さとの大きな違いです。オーガズムを迎えても収まらないことがあり、性的な欲求を特徴とする状態(性欲亢進)とも区別されます。それでも「気のせい」「性的な問題」と受け取られやすく、診断までに時間がかかることが課題になっています。

「PGAD」と「PGAD/GPD」の違い:

PGADは覚醒の感覚そのものを指す名称です。PGAD/GPDは、そこに性器・骨盤部の他の不快な感覚(灼熱感、ピクピクする感じ、かゆみ、痛み、下肢の感覚異常など)を含めた、より広い名称です。2024年の合意文書は、男性の「硬い弛緩状態(hard flaccid syndrome)」や睡眠中の痛みを伴う勃起もGPDの一つとして整理しています。この記事では、両者をまとめてPGADと表記します。
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診断基準と診断の進め方

PGADに特異的な検査や血液マーカーはありません。診断は症状の聞き取りが中心で、並行して、症状の引き金になりうる病気や薬剤がないかを調べます。

1)診断基準

Leiblum と Nathan(2001)を基にした5項目

  • 性器の覚醒が、本人の意思と関係なく 3か月以上 続く
  • 1回以上のオーガズムでは解消しない
  • 主観的な性的欲求や気持ちとは関係がない
  • 性的な行為だけでなく、性的でない刺激でも生じる。または明らかな誘因なく生じる
  • 望まない、侵入的なものとして感じられ、苦痛を伴う

ISSWSH 2021 の定義(PGAD/GPD)

  • 望まない、または侵入的で苦痛を伴う 性器の覚醒の感覚 (オーガズム直前の感じ、潤い、腫れ、うずき、拍動、収縮)
  • 3か月以上、持続または反復する
  • 性的な欲求の感覚を伴わない
  • ブンブン、ヒリヒリ、ピクピク、かゆみ、痛みなど、他の性器・骨盤部の感覚異常を含むことがある

2)原因を探る5つの領域

ISSWSH 2021は、症状の出どころを5つの領域に分けて調べる方法を示し、2024年の合意文書が性別を問わない形に拡張しました。感覚は性器・骨盤部に感じられても、引き金は離れた場所にあることがあるためです。

領域 部位 評価・原因として挙げられているもの
1.末梢の臓器 外陰部・陰茎・尿道・膀胱・直腸など 皮膚疾患(硬化性苔癬など)、炎症、ホルモン低下に伴う粘膜の変化、神経の過敏。診察と視診、局所麻酔薬での症状の変化を確認
2.骨盤・会陰部 骨盤底筋・陰部神経・骨盤内の静脈 骨盤底筋の過緊張、陰部神経障害、骨盤内静脈疾患。触診、超音波やMRAなどの画像検査、神経ブロックでの反応
3.馬尾(仙骨神経根) S2〜S3を中心とした神経根 仙骨のタルロフ嚢胞、腰仙椎の椎間板病変。MRI(複数の断面での確認)、硬膜外注射での症状の変化
4.脊髄 胸髄・頸髄を含む脊髄の伝導路 理論上は引き金になりうるが、PGAD/GPDとして報告された症例は、2024年の合意文書の時点で確認されていない
5.脳 感覚野・辺縁系など てんかん、外傷、脳の病変、薬剤(SSRI・SNRIなど)、心理社会的要因。脳MRI、脳波
心理的支援と医学的治療は同時に進めます:

2024年の合意文書は、引き金が見つかった領域の治療と並行して、心理的支援を最初から取り入れることを推奨しています。強い苦痛や自殺念慮が報告されていること、ストレスが症状を悪化させる要因であることが理由です。心理的支援は「気持ちの問題」と見なすためのものではなく、治療全体を支える一部として位置づけられています。

3)区別が必要な状態

  • 性欲亢進:性的な欲求や関心が強い状態。PGADでは欲求を伴わない。
  • 腟炎・外陰部の皮膚疾患・前立腺や尿道の炎症:かゆみや灼熱感として似た感覚が出ることがある。
  • 過活動膀胱・間質性膀胱炎:PGADと併存する例が多く、症状が重なりやすい。
  • むずむず脚症候群:脚の不快感が、夕方から夜に強くなる。PGADと併存する例がある。
  • 陰部神経痛:座ると悪化し、立つ・横になる・トイレに座ると和らぐ痛み。
  • 骨盤うっ血症候群などの骨盤内静脈疾患:下腹部の重だるさが、立位で強くなる。
  • てんかん(性的な前兆)・脳の病変:発作的に出る場合に検討される。

これらが複数重なる方もいます。ドイツの登録研究(Kümpersら 2026、92名)では、過活動膀胱の症状が4割強、むずむず脚の症状が約3分の1にみられました。

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症状:性器・骨盤部から心身・生活まで

症状の中心は性器・骨盤部の感覚ですが、症状の出方や強さは人によって大きく異なります。以下の割合は、ドイツ・ハノーファー医科大学の登録研究(Kümpersら、Sex Med 2026。女性86名・男性6名)によるものです。

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性器・骨盤部の症状

チクチク・うずき(約6割)。痛み(約3割)。拍動、圧迫感、収縮、灼熱感。腫れた感じ(約5割)。自然に起こるオーガズム(約3割)。普段より多い潤い(約3割)。オーガズム直前のような感じが続く(約26%)。衣類の締めつけが不快。女性では8割強がクリトリス周辺、男性(6名)では亀頭を主な部位に挙げました。

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性器以外・随伴症状

約半数が、臀部・脚・膀胱・背中・下腹部など、性器以外にも症状を感じていました。尿意が強い(約5割)。過活動膀胱の症状(4割強)。むずむず脚の症状(約3分の1)。ドイツの別の研究(iPGAD、Kümpersら 2023、26名)でも、健常者との比較でむずむず脚の症状が有意に多くみられました。

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心理・睡眠・生活への影響

睡眠の問題(約6割)。抑うつ(約5割)。不安(約3割)。性生活への影響(7割超)。恥ずかしさから受診や相談が遅れる。外出や仕事、対人関係の制限。深刻な苦痛や、死にたい気持ちが報告されることもあります。精神疾患の診断は、症状の始まり後につくことが多いと記されています。

症状の波と、悪化・軽減の要因:

登録研究では、7割以上の方で症状が常時あり、強弱の波があるタイプと、発作的に強まるタイプがありました。悪化の要因として多かったのは、精神的ストレス(54%)、座ること(37%)、乗り物での移動(31%)、きつい衣類(30%)、振動(30%)です。和らぐ要因は、気を紛らわせること(39%)、運動(33%)、温めること(24%)、歩くこと(22%)、リラックス(20%)でした。温めることが悪化の要因だった方も9%います。引き金も和らぐ方法も個人差が大きいため、症状の記録をつけることが、治療方針を決める手がかりになります。
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有病率と受診の現状

PGADは稀な状態と考えられてきましたが、疫学調査では一定数の方に症状があると報告され、診断や治療につながっていない方が多いと指摘されています。

項目 報告されている数値 特記事項
女性での症状の有病率 約0.6〜3.0% 一般の人を対象とした調査での、症状の報告割合。診断された人の割合ではない(Jackowich と Pukall 2020 ほか)
男性での症状の有病率 約1.1〜4.3% 男性の研究は少なく、女性と同程度の頻度とする報告もある(国際性医学コンサルテーション 2024)
発症年齢 平均約32歳 登録研究の92名。18歳未満での発症や、小児の報告もある。生涯にわたる型は約1割
初診までの期間 平均約7年 発症時の平均約32歳、初診時の平均約39歳から算出(登録研究)
医療機関への相談 約4割が6か月以上相談せず 113名の調査(Jackowichら 2021)。相談した人の約半数が、6か所以上の医療者に相談していた

受診が遅れる背景として、恥ずかしさと、医療者側の認知の不足が挙げられています。上記の調査では、医療者に話しやすいと感じている人ほど、不安や抑うつが軽く、医療者が頼りになると感じている人ほど、症状の重さの評価が低いという関連がみられました。

性別を問わない状態です:

PGADは女性での報告から始まったため、男性やジェンダーマイノリティの方では、有病率の研究や医療者の認知がさらに不足していると指摘されています。2024年の国際性医学コンサルテーションの合意文書は、すべての性別を対象とした診断・治療の考え方を初めて示しました。
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発症のメカニズム

PGADは、性器・骨盤部の感覚が過敏になった状態(sensory hyperactivity)として理解されています。性器と骨盤の感覚は、陰部神経と骨盤神経から仙髄(S2〜S4)に入り、脊髄、視床、大脳辺縁系へと伝わります。この経路のどこかで刺激が増えたり、抑える働きが弱まったりすると、望まない覚醒の感覚として感じ取られると考えられています。原因は一つではなく、複数が重なる例が多いとされます。

1)末梢:臓器・骨盤底・陰部神経

外陰部や尿道の炎症、皮膚疾患、ホルモン低下による粘膜の変化、陰部神経の障害が、感覚過敏の引き金になりえます。骨盤底筋が緩まず緊張し続ける状態(高緊張性骨盤底機能不全)も、PGADの患者に認められます。原因というより、症状を保ち続ける役割を担う可能性があると、2024年の合意文書は述べています。

骨盤内の静脈の問題も報告されています。2009年に18名の女性で行われた研究では、骨盤内の静脈瘤が55%に見つかり、一般人口の9.9%を上回りました。

2)神経根・脊髄

仙骨のタルロフ嚢胞(脳脊髄液を含む袋状の構造)と、PGAD症状との関係は、2012年にKomisarukとLeeが初めて報告しました。S2〜S3の神経根を刺激することで、性器以外(臀部・肛門・膀胱・脚)にも感覚異常が出ることがあります。小さな嚢胞でも症状を起こしうるとされ、画像上の所見が軽くても関与している場合があります。腰仙椎の椎間板病変も、同じ神経根を刺激して症状の引き金になりえます。

この領域が関与しているかどうかは、嚢胞や椎間板病変の部位への局所麻酔の注射で、数時間症状が軽くなるかを確認して判断します。

3)脳と感覚処理

感覚の信号が脊髄や脳で増幅される現象を、中枢感作といいます。PGADにみられる自然なオーガズムや、性器から離れた部位の症状は、この仕組みで説明できる可能性が示されています。2025年に報告された安静時fMRIの研究(Dalkeranidisら、Scientific Reports、患者26名と健常者26名)では、PGAD患者で、扁桃体、前帯状皮質、島皮質などの脳領域の間の機能的なつながり方に違いがみられました。これらは心理面と身体感覚の両方に関わる領域です。患者と健常者を比較した研究であり、これらの違いが原因なのか結果なのかは、判断できていません。

4)薬剤との関係

SSRI・SNRIなどの抗うつ薬、トラゾドン、ラモトリギンなどの開始時や中止時に、PGADが始まったという報告があります。登録研究では、本人が挙げた発症のきっかけとして、抗うつ薬の中止が17.4%、服用中が6.5%でした。約半数は、きっかけが分からないままでした。薬の調整は、処方した医師と相談して進める必要があります。自己判断での中止や変更は避けてください。

5)心理社会的要因

ストレス、不安、喪失体験が、発症や悪化のきっかけとして挙げられる方がいます。症状に対する破局的な受け止め方(「このまま一生続く」など)と、性器の感覚への過度な警戒は、症状の重さと関連することが示されています。一方、抑うつや不安の診断は、症状の始まりの後についている例が多いことも示されています。心理面は、原因であると同時に、症状が続く中で生じる結果でもあります。

症状が続きやすくなる循環(提唱されている考え方に、臨床での見立てを加えたもの)

① 感覚: 性器・骨盤部に、覚醒に似た感覚が生じる。

② 受け止め方: 「異常だ」「恥ずかしい」「治らない」という不安や否定的な評価が生じる。

③ 体の反応: 警戒が強まり、自律神経と骨盤周囲の筋肉の緊張が高まる。睡眠も乱れる。

④ 感覚の増強: 感覚がさらに強く感じられ、①に戻る。

この循環に介入するために、心理的支援、骨盤底の緊張を緩める理学療法、睡眠や自律神経を整えるサポートが、治療の一部として位置づけられています。

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現在の治療とその限界

2024年の合意文書は、引き金が見つかった領域への治療と、心理的支援を並行して進める方針を示しています。治療の根拠は、症例報告、症例集積、専門家の意見が中心です。二重盲検の比較試験はありません。

治療 内容 報告されている状況・注意点
心理的支援 認知行動療法、マインドフルネス、受容に基づく方法。破局的な受け止め方や過度な警戒を減らし、恥・不安・睡眠・対人関係を支える 症例報告で改善が示されています(Merwin と Brotto 2023 ほか)。登録研究では、受けた方のうち、効果があったと答えたのは約68%(回答のあった25名中17名)
骨盤底の理学療法 骨盤底筋を緩める訓練、徒手療法、バイオフィードバック 骨盤底筋の過緊張がある場合の第一選択として、2024年の合意文書が強く推奨しています。登録研究では、理学療法で約56%(18名中10名)、骨盤底の運動で50%(18名中9名)が効果ありと回答
薬物療法 国際的な合意文書には、クロナゼパム、ガバペンチン、プレガバリン、ラモトリギンなどが例示されています。痛みや気分の症状が強い場合は、SNRIや三環系抗うつ薬も挙げられています PGADに承認された薬はなく、すべて適応外の使用です。症例報告と専門家の意見が根拠です。副作用、依存、相互作用に注意が必要で、医師と相談して決めます
神経ブロック・TENS 陰部神経ブロック、経皮的電気神経刺激(TENS) 登録研究では、神経ブロックで5名中3名、TENSで10名中2名が効果ありと回答。症状の出どころを確認する目的でも使われます
原因病変への治療 タルロフ嚢胞や椎間板病変への低侵襲な脊椎手術、陰部神経の減圧、骨盤内静脈疾患への血管内治療、皮膚疾患やホルモンの治療 診断のための注射で症状が軽くなった例で、効果がみられたと記されています。原因が特定された場合に限られ、手術は専門施設での検討が必要です

登録研究の治療成績は、本人の自己申告です。多くの方が複数の治療を併用しているため、個々の治療の効果は判断できないと、著者らも述べています。

現在の治療でカバーしきれない部分

西洋医学的治療を補う視点が求められる点

根拠が限られていること: 2015〜2025年の論文を対象にした系統的レビュー(Bhowmikら、Urology Annals 2026、14研究)では、ランダム化比較試験は見つかりませんでした。治療の結果は一定せず、長期の経過や安全性の報告も限られています。

原因が特定できない例が多いこと: 登録研究では、大半の方で、明確な身体的な原因は見つかりませんでした。原因病変が見つからない場合、治療は症状を和らげる対症的なものが中心になります。

受診までの遅れと、診療科の分散: 婦人科、泌尿器科、神経内科、整形外科(脊椎)、精神科・心療内科、ペインクリニックなど、関わる診療科が複数にわたります。また、発症から初診まで平均約7年かかったと報告されています。

薬剤の限界: 適応外使用であり、眠気、ふらつき、依存などへの配慮が必要です。薬への反応は人によって異なります。登録研究ではドパミン作動薬で症状が減りませんでしたが、少量のプラミペキソールで改善した症例報告もあります(Lynnら 2021)。

心理的負担への対応: 抑うつや自殺念慮が報告されており、症状そのものへの治療と同時に、心身の消耗を支える手立てが必要です。

改善への道すじ

報告されている改善の手がかり

原因が見つかった場合: タルロフ嚢胞や椎間板病変、陰部神経、骨盤内静脈疾患などが特定され、その治療で症状が軽くなった例が報告されています。登録研究でも、嚢胞の手術や静脈瘤の手術を受けた各1名が、効果ありと回答しました。

心理的支援や理学療法: 効果ありと答えた方は、心理療法で約68%、理学療法で約56%、骨盤底の運動で50%でした(上記の表)。

研究者の見解: 登録研究の著者らは、病態に分からない点が多くても、心理療法・理学療法・薬物療法などで治療に成功しうると述べています。

症状の強さを0〜10で記録し、引き金と和らぐ要因を書き留めておくと、どの治療が合っているかを判断しやすくなります。

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西洋医学 vs 中医学 アプローチ比較

PGADに対する西洋医学と中医学の役割の違いを整理します。両者は対立するものではなく、原因の評価と治療は医療機関で、体質・緊張・睡眠・自律神経の面は中医学で支える、という組み合わせが現実的です。

観点 西洋医学的アプローチ 中医学的アプローチ
病態の捉え方 感覚過敏の引き金を5つの領域から探し、神経・筋・血管・薬剤・心理面の要因として評価する ストレスによる気の滞り、熱のこもり、陰液の不足、血の滞り、水湿の停滞など、体の偏りとして包括的に把握する
治療の目標 引き金となる病変の治療と、症状・苦痛の軽減 緊張・不安・睡眠・自律神経・骨盤周囲の巡りを整え、症状が強まりにくい体の状態をつくる
主な治療手段 心理的支援・骨盤底の理学療法・薬物療法・神経ブロック・手術 弁証に基づく漢方処方、鍼灸、養生の指導
長所 原因病変を特定し、直接治療できる。診断の枠組みが国際的に整いつつある 心身の緊張や睡眠にまとめて働きかけやすい。個人の体質に合わせて調整できる。他の治療と併用しやすい
限界・課題 原因が特定できない例が多い。治療の根拠が限られる。薬剤は適応外使用で副作用への配慮が必要 PGADを対象にした臨床試験がない。効果には個人差がある。嚢胞や椎間板などの原因病変そのものは治療できない
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中医学からのPGAD病態分析

中医学には、PGADに対応する単一の病名はありません。症状の出方、悪化と軽減の要因、睡眠、月経、排尿、冷えやほてり、舌・脈・腹部の所見を総合して弁証し、症状を強めやすい体の偏りを見立てます。

古典『霊枢』経脈篇には、足厥陰肝経が陰器をめぐると記されています。ストレスで悪化する性器周辺の症状を、肝の気の滞りや熱として捉える見方があります。以下は、PGADの方に見られやすい体質のパターンの例です。

かんきうっけつ / かんかじょうえん
肝気鬱結・肝火上炎(ストレスで悪化する型)

ストレスや緊張で症状が強まる。いらいら、胸脇部の張り、寝つきの悪さ、筋肉のこわばり、ため息が多い。熱がこもると、のぼせ、口の苦み、目の充血が加わる。加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散などが検討される。筋肉の緊張が強ければ芍薬甘草湯、熱の傾向が強ければ竜胆瀉肝湯が検討される。

いんきょかおう
陰虚火旺(ほてり・不眠を伴う型)

体の潤い(陰液)が不足し、虚熱が生じた状態。ほてり、寝汗、口の渇き、不眠、動悸が重なる。更年期やホルモンの変化、慢性的な消耗の後に見られやすい。六味丸、滋陰降火湯、温清飲などが検討される。

しんじんふこう / しんぴりょうきょ
心腎不交・心脾両虚(不安・不眠が強い型)

心(精神活動)の落ち着きが乱れ、不安、夢が多い、眠りが浅い、動悸、疲れやすさが続く。夜間に症状への意識が強まり、眠れなくなる場合などに、酸棗仁湯、帰脾湯などが検討される。

おけつ / きたいけつおう
瘀血・気滞血瘀(骨盤の巡りが滞る型)

血の巡りが滞った状態。長時間の座位で悪化する、下腹部の張りや重だるさ、月経痛、経血に塊がある、舌の色が暗い。骨盤内のうっ血が背景にある方でも、この見立てが用いられることがある。桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、桃核承気湯などが検討される。

しつねつげか
湿熱下注(下腹部に熱と湿がたまる型)

余分な水分(湿)と熱が下腹部にたまった状態。下腹部の熱感や重さ、尿意切迫・頻尿、おりもの、かゆみを伴う。過活動膀胱に近い症状が重なる方に、この見立てが用いられる。竜胆瀉肝湯、清心蓮子飲、猪苓湯などが検討される。

じんきょ / きけつりょうきょ
腎虚・気血両虚(消耗・冷えが背景にある型)

体の土台の力が低下した状態。慢性的な疲労、腰のだるさ、冷え、産後や加齢に伴う変化、睡眠の質の低下が目立つ。八味地黄丸、六味丸、補中益気湯、十全大補湯などが検討される。

弁証は「症状を強めやすい要因」を見つけるために行います:

上記は、PGADという病名に特定の処方を当てはめるものではありません。同じ診断でも、ストレスで悪化する方、睡眠の乱れが目立つ方、尿の症状が重なる方、冷えが強い方では、整える方向が異なります。西洋医学の評価で分かった情報(MRIの所見、服用中の薬、検査の結果)も、弁証の判断材料に加えます。
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漢方・鍼灸に関する研究報告の現状

研究の現状と限界: PGADを対象にした漢方・鍼灸のランダム化比較試験は、調べた範囲では見当たりません。「PGADに漢方や鍼灸が効く」という根拠は、現時点ではありません。PGAD自体の治療研究が、症例報告と少数例の観察研究に限られていることも背景にあります。

PGADでの鍼灸に関する報告

登録研究(Kümpersら 2026)では、鍼灸を受けた5名のうち、効果ありと答えたのは1名でした(回答のあった方の約25%)。人数が少なく、鍼灸の方法や頻度、施術者の条件が揃っていないため、有効とも無効とも判断できません。症例報告(Cohen 2017)には、鍼灸で不安は軽くなったが、覚醒や尿意の症状には変化がなかったという記載があります。

この結果から、鍼灸にできることとできないことを分けて考えます。症状そのものを直接なくす治療としては、根拠がありません。不安、緊張、睡眠など、症状を強めやすい要因を整える補助として、医療的な治療と並行して用いる位置づけです。

骨盤周囲の慢性的な不快感・痛みに対する鍼の研究

PGADとは別の状態ですが、骨盤部の慢性的な症状に対する鍼の大規模な試験があります。男性の慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群の440名を対象にした中国の10施設の試験(Sunら、Annals of Internal Medicine 2021)では、8週間・20回の鍼治療で、症状が臨床的に意味のある程度改善した人の割合が、8週後に60.6%でした。偽鍼は36.8%で、差は32週後まで続きました。痛み、排尿症状、不安・抑うつ、生活の質の改善も報告されています。偽鍼にも一定の効果があった点は、著者らも限界として挙げています。

PGADでも効果があると示すものではありません。骨盤周囲の慢性的な不快感に対して、鍼が評価された質の高い研究が存在するという意味で、参考にしています。

漢方薬について

PGADを対象にした漢方薬の臨床研究は、調べた範囲では確認できませんでした。タナココの漢方は、PGADそのものに対する処方ではなく、弁証で見立てた体質の偏りと、併存する症状(不眠、不安、冷えやほてり、尿の症状、月経の不調)への対応として行います。

タナココの考え方

根拠が限られている領域だからこそ、効果を断定せず、評価の指標を決めて進めます。症状の強さ(0〜10)、持続時間、睡眠、外出や仕事の状況を記録し、数か月単位で変化を確認します。合わない場合は、方針を見直すか、医療機関での評価を優先するようお伝えします。

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タナココにおける漢方・鍼灸のサポート

漢方薬による体質へのアプローチ

タナココの漢方では、ストレスによる気の滞り、熱のこもり、陰液の不足、血の滞り、水湿の停滞といった体の偏りを見立て、症状が強まりにくい状態を目指します。処方の方向性は、次のとおりです。

ストレスや緊張で悪化する場合: 加味逍遙散、柴胡加竜骨牡蛎湯、抑肝散。筋肉のこわばりが強ければ芍薬甘草湯を検討します。


ほてり・不眠・動悸がある場合: 六味丸、滋陰降火湯、温清飲、酸棗仁湯、帰脾湯。


下腹部の張りや月経の不調、骨盤の巡りの悪さがある場合: 桂枝茯苓丸、当帰芍薬散。


尿意切迫や下腹部の熱感がある場合: 竜胆瀉肝湯、清心蓮子飲、猪苓湯。


疲労・冷え・消耗が背景にある場合: 八味地黄丸、補中益気湯、十全大補湯。


これらは単独ではなく、弁証に基づいて組み合わせます。服用中の薬(SSRI・SNRI・抗てんかん薬・ガバペンチン類など)との併用、甘草を含む処方の重複、年齢・体格・妊娠の可能性などは、薬剤師が確認したうえで処方を決めます。服用中の薬を自己判断で中止することは推奨しません。

鍼灸施術による自律神経・骨盤周囲へのアプローチ

鍼灸では、気血の巡り、自律神経、筋肉の緊張に対応する経穴(けいけつ:ツボ)への刺激を通じて、症状を強めやすい要因を整えることを目指します。よく用いる経穴の例は次のとおりです。

百会(ひゃくえ)・神門(しんもん)・内関(ないかん): 頭部と手首にあり、気持ちの落ち着き、睡眠、動悸、不安の調整に用います。

太衝(たいしょう)・三陰交(さんいんこう)・太谿(たいけい): 足にあり、肝・脾・腎の働きを整え、ストレス、冷えやほてり、月経の不調に用います。

関元(かんげん)・気海(きかい)・足三里(あしさんり): 下腹部と下腿にあり、体の土台の力と、胃腸の働きを支えます。

腰部・臀部・大腿内側などの経穴と筋緊張のある部位: 骨盤周囲の筋肉のこわばりを、鍼や灸で緩めることを目指します。仙骨部(次髎など)は、MRIでタルロフ嚢胞や椎間板の所見がある方では、画像の所見を確認し、刺激の方法や深さを慎重に判断します。

温めると和らぐ方もいれば、悪化する方もいます(登録研究では、温めることで和らいだ人が24%、悪化した人が9%)。灸や温熱は、反応を確認しながら少しずつ進めます。骨盤底筋そのものを対象にした訓練や徒手療法は、理学療法の専門家による評価が必要です。通常、性器や陰部への直接の施術は行いません。

初診でお伺いすること

症状の始まった時期と、始まったときの状況。感覚の種類と場所(性器以外の部位を含む)。悪化する場面と和らぐ場面。服用中の薬と、開始・中止・変更の時期(抗うつ薬・睡眠薬・抗てんかん薬など)。これまでに受けた検査と治療(MRI、婦人科・泌尿器科の診察、理学療法など)。睡眠、月経、排尿・排便、脚の不快感、気分の状態。

お手元に、お薬手帳と検査結果があれば、お持ちください。お話しになりたくない内容は、無理にお聞きしません。必要なことは、少しずつお伺いします。

日常でできる工夫

治療の代わりではなく、症状の波を小さくするための工夫です。登録研究で多かった悪化要因と和らぐ要因を、参考にしてください。

座り続けない(こまめに立つ・歩く)。きつい衣類を避ける。長時間の乗り物や振動のある環境では、休憩を入れる。軽い運動や歩行を続ける。気持ちを紛らわせる活動を持つ。睡眠のリズムを整える。症状の強さ(0〜10)と、その日の状況を短くメモする。

つらさが強いときは

気持ちの落ち込みが強い、消えてしまいたい気持ちがある、眠れない日が続いている。そうしたときは、症状の相談とは別に、早めに医療機関や相談窓口を利用してください。PGADでは、強い苦痛や自殺念慮が報告されています。つらさを一人で抱えなくて構いません。

よりそいホットライン(0120-279-338、24時間・無料)、こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556、お住まいの地域の公的な相談窓口につながります)が利用できます。

タナココでは、現在受けている医療(婦人科・泌尿器科・神経内科・整形外科・精神科・心療内科などでの診断と治療)の内容をお聞きしながら、それと組み合わせる形で漢方・鍼灸のアプローチを考えます。「何科に行けばよいか分からない」という段階でも、情報の整理から相談できます。薬剤師・鍼灸師・認定心理士の資格を持つ担当者が、西洋医学、中医学、心理的な側面から、一人ひとりに合った提案をいたします。

ご利用にあたって:

このページは、医師による診断・治療に代わるものではありません。症状の原因を調べる検査は、医療機関で受けてください。漢方・鍼灸は、医療を補う選択肢です。効果には個人差があり、改善を保証するものではありません。併用していることは、主治医にもお伝えください。
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よくある質問(FAQ)

持続性性喚起症候群(PGAD)は、性欲が強いこととは違うのですか?
違います。PGADは、性的な欲求や刺激がないのに、性器に覚醒の感覚が望まないまま続き、苦痛を伴う状態です。オーガズムを迎えても収まらないことがあります。性的な欲求や関心が強い状態(性欲亢進)とは区別されます。性格や気持ちの持ち方が原因ではなく、神経の感覚処理の過敏化として研究されています。
PGADは治りますか?
PGADの治る割合や経過は、まだ確立されていません。一方で、タルロフ嚢胞や椎間板病変、陰部神経などの原因が見つかり、その治療で症状が軽くなった例が報告されています。心理的支援や骨盤底の理学療法でも、効果ありと答えた方は5〜7割でした(登録研究 2026)。研究者らは、病態に分からない点が多くても治療に成功しうると述べています。症状の波が残る方もいるため、治療は一つに絞らず、複数を組み合わせて進めるのが基本です。
何科を受診すればよいですか?
最初の窓口は、婦人科、泌尿器科、かかりつけ医のいずれでも構いません。必要に応じて、神経内科、整形外科(脊椎)、精神科・心療内科、ペインクリニック、骨盤底の理学療法に進みます。受診の際は、症状の始まった時期、感覚の種類と場所、悪化と軽減の要因、服用中の薬(開始・中止の時期を含む)を伝えてください。「性欲の問題ではなく、望まない感覚が続いている」と最初に伝えると、話が通じやすくなります。
PGADに漢方や鍼灸は有効ですか?
PGADを対象にした漢方・鍼灸の臨床試験は、調べた範囲では確認できず、「有効」と言える段階ではありません。登録研究では、鍼灸を受けた5名のうち、症状が和らいだのは1名でした。一方で、骨盤周囲の慢性的な痛みに対して鍼を評価した質の高い試験があり、不安・睡眠・緊張・自律神経といった、症状を強めやすい要因を整える補助として、医療的な治療と並行して用います。体質に合わせた処方・施術を、経過を見ながら調整します。
抗うつ薬を飲んでいる(またはやめた直後です)。漢方と併用できますか?
抗うつ薬(SSRI・SNRIなど)の開始や中止が、PGADの始まりに関係した例が報告されています。薬の調整は、処方した医師と相談しながら進める必要があります。自己判断で中止や減量をしないでください。漢方は、体質面を整える目的で併用されることがあります。タナココでは、薬剤師資格を持つ担当者が、現在の処方薬との相互作用を確認したうえで、並行できる形で提案します。併用していることは、主治医にもお伝えください。
男性でもPGADになりますか?
なります。2024年の国際性医学コンサルテーションの合意文書は、PGAD/GPDが男性にも女性と同程度の頻度で起こりうるとしています。症状としての有病率は、男性で約1.1〜4.3%と報告されています。男性では、陰茎に覚醒の感覚があるのに勃起しない、自然に射精する、陰茎が硬く縮んだ状態が続く(hard flaccid syndrome)、睡眠中に痛みを伴う勃起で目が覚める、といった形で現れることがあります。
鍼灸は、どの部位に施術しますか?
頭部、手足、下腹部、腰から臀部、下肢が中心です。通常、性器や陰部への直接の施術は行いません。仙骨部への刺激は、MRIの所見を確認し、慎重に判断します。温めると悪化する方もいるため、灸や温熱は反応を見ながら進めます。ご不安な点や、お伝えしにくいことがあれば、施術の前に遠慮なくご相談ください。
改善までどれくらいかかりますか?
個人差が大きく、一概には言えません。PGADは、診断までに平均約7年かかったと報告されているように、経過が長くなりやすい状態です。漢方・鍼灸では、症状の強さ(0〜10)、持続時間、睡眠、外出や仕事の状況を記録し、数か月単位で変化を確認します。早い段階で睡眠や気持ちの面に変化を感じる方もいれば、時間をかけて整えていく方もいます。定期的に経過を確認し、合わなければ方針を見直します。
すぐに病院へ行くべきなのは、どのような場合ですか?
次のような症状が急に出た場合は、漢方・鍼灸より先に、早めに医療機関(救急を含む)を受診してください。下肢の脱力やしびれ、会陰部や股の感覚の鈍さ、尿や便が出にくい、または漏れてしまう、強い腰痛や発熱を伴う場合です。神経が強く圧迫されている可能性があります。また、気持ちの落ち込みが強く、消えてしまいたい気持ちがある場合も、早めに医療機関や相談窓口を利用してください。

持続性性喚起症候群(PGAD)──一人で抱えなくていい。改善を目指す道すじがあります

「誰にも言えない」「何科に行けばよいか分からない」と、長いあいだ一人で耐えてきた方も多いと思います。症状は、気の持ちようでも、あなたの性格のせいでもありません。感覚を処理する神経の過敏化として、国際的な専門家グループが診断と治療の指針をまとめている状態です。

原因の評価と治療は、医療機関で進めます。その横で、緊張、不安、睡眠、自律神経、骨盤周囲の巡りといった、症状を強めやすい要因を、中医学の側から整えます。この二つを組み合わせて、症状を和らげ、日常を取り戻していくことを目指します。

漢方・鍼灸だけで解決できるとは考えていません。限界がある部分は、医療機関での評価を優先するようお伝えします。そのうえで、できることは尽くします。症状の変化を記録し、合わなければ方針を見直し、別の方法を一緒に探します。続けられるように、最後まで伴走します。

「服用中の薬との併用が心配」「どこから相談すればよいか分からない」「話すのが恥ずかしい」——どのような状況でも、現状をお聞きすることから始めます。薬剤師・鍼灸師・認定心理士の資格を持つ担当者が、西洋医学と中医学の両面から、一人ひとりに合った提案をいたします。

一歩ずつで構いません。変わるための選択肢があることを、まず知っていただければと思います。

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