こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
月経前、月経中ではなく「排卵日前後」に不調を感じる方がいます。それも「ちょっと」の不調ではなく、「かなり」の不調です。
排卵日前後の体調不良
排卵期には女性ホルモンのバランスが変化します。その変化に乱れが生じると体調不良が起こることがあります。
排卵期には、子宮内膜を厚くし、卵胞を発育させるために中心となっていたホルモンである「エストロゲン」が減少し、内膜の厚みを維持・成熟させて着床の準備をするホルモンである「プロゲステロン」が増え始めます。この切り替えが行われるタイミングで「排卵」が起こります。
排卵期にホルモンバランスの乱れがみられたり、この排卵期のホルモン変化に体が対応できなかったりすると体調を崩してしまいます。
排卵期に不調が起こる原因の1つに、女性ホルモンが自律神経との関わりが深いことが影響していています。
自律神経は、内臓や血管の働きなど、体の意識しない部分の調節を担っている神経です。名前が示すように自律的に機能するのが特徴です。
そのため女性ホルモンが乱れることで自律神経が乱れてしまうと、全身の不調を引き起こし日常生活への影響が大きいこともしばしばです。
この自律神経を巻き込んだ排卵期の不調は実は PMS の症状の1つでもあります。
PMS は月経開始1週間ぐらい前から起こるものと思われている方も多いのですが、PMS は「排卵期」にも起こります。
PMS のパターン
PMS にはいくつかのパターンがあります。
「Premenstrual Dysphoric Disorder」より引用
「PMS」は月経前1週間ぐらいという「A」をイメージする方も多いのですが、ひどい場合は、上の図の「D」のようなケースもあります。
「D」の場合、排卵期から月経終了まで PMS の症状が続くことになります。そうすると体調が良い時期が1ヶ月のうち月経終了から排卵までの約1週間しかないという凄まじい状況で生活することになります。
このようなタイプの PMS の相談も多いです。
排卵日特有の症状
排卵日の不調には特有の症状が見られることがあります。
1つは「排卵痛」でもう1つは「排卵出血」です。
排卵痛
排卵日に見られる体調変化で多いのが「排卵痛」です。下腹部に痛みが見られますが、その痛みは張ったような痛みであったり、チクチクする痛みだったり、痛みの感じ方は一定ではないことも多いです。子宮内膜症などがある方では、排卵痛が強い傾向にあります。
排卵痛に痛み止めが効果があることもありますが、痛み止めには排卵を抑制する作用もあるため、妊活をしている方は注意が必要です。また排卵痛以外に眠気や嘔気、だるさ、腰痛などがみられることもあります。
排卵痛の原因はいくつか考えられますが、卵胞が発育することでみられる卵巣の腫れによるものや排卵時に卵胞が破れて起こる痛み、卵胞が破れた時の卵胞液や血液がお腹を刺激して起こる痛みなどが原因と考えられています。痛みは数時間から数日間続くことがあります。
排卵出血
排卵日の前後2~3日に少量の出血が見られることがありますが、これは卵胞が破れたことによる出血で、月経時のような出血ではありません。また、ホルモン分泌量の急激な変化により、子宮内膜の一部が剥がれて出血を起こすこともあります。
通常、軽度の排卵痛や排卵出血であれば心配はありませんが、鎮痛剤が必要になったり、月経時ではないのに月経時と同じような出血がみられる場合は、診察・治療が必要になることがあります。特にかなり強い排卵痛、次第に増強する排卵痛、さらに月経痛も強ければ注意が必要です。
排卵期の不調の改善のためにできること
排卵期の不調の多くは、ホルモンバランスが乱れたり、それにより自律神経が乱れたりすることで生じます。
排卵期は「卵胞ホルモン」→「黄体ホルモン」への切り替えが起こりますが、中医学的には、体の「陰」から「陽」への切り替えと考えます。これを「陰陽転化」と言います。
この切り替えがスムーズに行われないと、排卵期に様々なトラブルが起こると考えます。
原因としては、瘀血、気滞、気虚、血虚、腎虚などが考えられます。
月経前後ではない時期の不調で、月経から14日前後に見られる場合は「陰陽転化」がスムーズに行われずに起こっている不調の可能性があります。
不調を感じて病院を受診しても「問題がない」と言われた場合は、漢方で体内の「陰陽転化」をスムーズすることで症状が楽になっていくことも多いです。
以前漢方を試して良くならなかったという方は、粉薬の漢方ではなく「煎じ薬」の漢方を試してみてください。粉薬で効果がなくても、煎じ薬の漢方でしっかり調整すると症状が改善することがあります。
「陰陽転化」がうまく行われているかどうかは「基礎体温」も参考になりますので日頃から測定・記録する習慣づけておくと良いと思います。
排卵期の不調でお悩みの方で、西洋医学的な治療が難しかったり、妊活中で痛み止めが使いにくかったりする場合は、中医学的なアプローチでのケアが役立ちます。
症状改善のためのお手伝いをしますのでご相談ください。
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