リンチ(Lynch)症候群

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

リンチ(Lynch)症候群

遺伝性の大腸がんとしてリンチ症候群という病気があります。リンチ症候群は、大腸がんの2~3%を占めると考えられています。

リンチ症候群は大腸がんや子宮体がんになりやすい体質があり、そのほかにも胃、卵巣、小腸、胃、腎盂・尿管・膀胱などにがん発症傾向があります。大腸がんの発症年齢の平均が45歳と一般的な大腸がんの好発年齢とされる65歳前後よりも若い年齢で発症します。1人で何度もがんを発症していることもあります。

また、血縁者で発症した方が多い(概ね3人以上)ことも特徴です。

 

原因としては、遺伝子の変化とされています。

私たちの体を構成している細胞一つひとつに存在している遺伝情報(DNA)は、体を作るための設計図であり、生命維持に必要な情報であるため、その情報に誤りがおこならないように管理や修復が行われています。

細胞分裂の際は、新たに作られる細胞に正確にDNAがコピー(複製)されますが、時にその際に誤り(ミスマッチ)が起こることがあります。しかし、DNAには複製の間違いを修復する物質を作る情報(ミスマッチ修復遺伝子)も備わっており、ミスマッチが起こってもミスマッチ修復遺伝子により作られる修復タンパクにより修復されるのですが、この働きに不具合が起こると分裂した細胞に誤った遺伝情報が伝わってしまいます。

リンチ症候群では、DNAのコピーの際の誤りが修復できず、その誤った遺伝情報は、誤った指令となり、時に細胞の無秩序な分裂となり、がんを引き起してしまうことがあります。

 

リンチ症候群では、MLH1、MSH2、MSH6、PMS2の4つの遺伝子のうちの1つに変化がある場合に診断されます。

 

この遺伝子は、親から子へ50%の確率で遺伝しますが、リンチ症候群と診断されても、全ての方ががんになるわけではないことがわかっています。また、この4つの遺伝子の変化だけでは説明できないこともあり、現在も研究が続いている疾患です。

リンチ症候群では若い年齢で発症する可能性が高いため、早いうちからの検診が重要ですし、発症して治療した後も、早期発見のために定期検診は続ける必要があります。

 

リンチ症候群はどの遺伝子に変化があるかでその発症リスクが変わります。変異があっても発症しないこともあります。どのような人が発症して、どのような方が発症しないのか、正確に予想できる方法はいまのところありません。

また、原因となる遺伝子の変化があっても、環境・生活習慣の改善で発症する時期を先延ばしにできるのかということについても、発症リスクが高ければ、可能な限りリスクを減らすことが必要ですが、遺伝製の場合は、何をすれば良いのか、現時点では、十分なデータがありません。

 

リンチ症候群では、喫煙や肥満はリスクであることがわかっており、これは一般の大腸がんのリスク要因と同様です。遺伝性の疾患であっても、一般論として、がんを防ぐために日常生活で気をつけることを継続していくことは重要です。

遺伝性の疾患であっても、健康でいるために気をつけること、例えば「がんを防ぐための 新12か条」(PDF)を参考に、生活習慣を見直すのはとても大切です。

日々の健康維持のために頑張っていることは、たとえ遺伝性のリスクがあったとしても、全体としての健康の維持に役立ちます。

 

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