サル痘(続報)

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

複数国で報告されているサル痘について(続報)です

 

サル痘は世界的65ヵ国以上で合計10,611人確認されたと報告がありました。

 

増えています。

 

2年以上にもわたり、コロナ対応で疲弊し、現在は第7波の対応に追われているところに、サル痘の感染が拡大を続けています。

コロナに比べ感染しにくく、重症化しにくくはあるものの、皮膚に多くの水疱ができ、その跡が消えにくい場合もあります。

 

コロナでも対応で精一杯なのに…という状況ではありますが、問題は世界的に「サル痘」に対する発生状況を把握し、評価し、感染防止対策を行う体制が十分整っているとは言えない状況であることです。

 

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長もかなりの数の患者をとらえられていない可能性が高いと言っています。

 

把握できないところで感染が広がっていれば、コントロールできなくなります。

 

サル痘はコロナのような空気感染に近い飛沫感染ではなく、皮膚病変からだったり、一定時間の飛沫の暴露や、感染者が使用した寝具等の媒介物や性的接触からの感染が考えられています。

現在のところ日本国内では感染報告はありませんが、今後もしかすると報告があるかもしれません。

 

サル痘は、「サル痘ウイルス」に感染することでおこる急性の発疹性の感染症で4類感染症です。天然痘の「親戚」のようなウイルスですが、天然痘に比べると感染力や重症化率はとても低いです。

サル痘は動物から人間に感染する人獣共通感染症で、サル痘ウイルスの自然界の宿主はアフリカに生息するげっ歯類と言われていますが詳細は不明です。

潜伏期間は通常7~14日(5~21日)で、発熱と発疹が主な症状で、2~4週間で多くは自然に回復しますが、小児や妊婦、免疫不全の場合は重症となることがあります。

 

現在流行している症例では、男性間で性交渉(MSM:Men who have sex with men)例での感染も多く含まれているため、感染した方や、感染の疑いのある方への差別や偏見、先入観を持たずに客観的な情報に基づいて判断する必要があります。

現在流行しているサル痘ではこれまでに報告されているサル痘とは異なる特徴をもつ症例も報告されています。022年5月以降の欧米を中心とした流行では、病変が局所(性器や肛門周辺の皮膚病変)に集中し、鼠径リンパ節の腫脹がみられ、全身に発疹が見られない場合や症状がない感染者の存在も示唆されています。また皮疹の時相が同一でない(小水疱や痂皮化したものが同時期にみられる)こともあるようです。

サル痘には、中央アフリカで主に流行するコンゴ盆地系統群と西アフリカ系統群の2種類の系統が知られていますが、現在診断されている多くは西アフリカ系統群です。

しかし、過去に解析された内容と比較して見ると変異が起こっており、その速度も通常の変異速度より早いといわれています。

 

この変異が今回の感染拡大と関係があるのかは不明です。

 

新型コロナの時と同様に、特定の地域を示す名称は使用しない方向性で進んでおり、コンゴ盆地系統群をクレード1、西アフリカ系統群をクレード2と3とすることが提唱されています。

 

サル痘は天然痘ワクチンに予防効果があるとされ、その効果は85%程度と考えられています。これからもっと検討は必要ですが、予防策があるというのは1つ安心材料ではあります。

日本の痘そうワクチンは天然痘の根絶期に使われていたワクチンに比べて中和抗体の量は低下しますが、高い発症予防効果が示されています。

 

ワクチン以外の薬については、サル痘に適応があるのはEUで天然痘、ワクチニア症、サル痘、牛痘の薬として承認されている「テコビリマット」という薬だけになります。

このほか使用できそうな薬には「シドフォビル」と「ブリンシドフォビル」があります。

 

日本では国内でサル痘の患者が見つかった場合に備えて、体制の整備を進めています。その1つに「テコビリマット」をサル痘の感染者に薬の有効性や安全性を調べる「特定臨床研究」として例外的に認める仕組みを作りました。投与の対象は、体重が13キロ以上で14日間入院して服用を続けられることなどが条件です。

また、発症予防効果があるとされている天然痘ワクチンも研究目的として感染者の家族などに接種できる体制を整えました。対象となるのは感染者に接触してから14日以内の濃厚接触者で、21日後までの発症の有無を調べます。
サル痘でのワクチン接種は感染後でも発症や重症化予防の効果があるとされ、濃厚接触者も接種の対象となります。

 

サル痘は、早期の感染者を見つけ、接触者を追跡することで感染連鎖を断つことが可能な感染症です。

疑い例を含めて、調査することが重要です。

疑い例については
1)発症21日以内にサル痘常在国やサル痘症例が報告されている国に滞在歴があった者
2)発症21日以内にサル痘常在国やサル痘症例が報告されている国に滞在歴がある者と接触(創傷などを含む粘膜との接触等)があった者
3)発症21日以内にサル痘の患者又は発熱や発疹等の症状がある者との接触(創傷などを含む粘膜との接触等)があった者
4)複数または不特定の者と性的接触があった者
5)臨床的にサル痘を疑うに足るとして主治医が判断した者
上記の内容が暫定的な定義としてあげられています。

感染後は、皮疹が完全に治癒し、全痂皮(かさぶた)が落ちるまでの間は感染性があり、周囲のヒトや動物に感染させる可能性があります。

感染者は小児や妊婦、免疫不全者との密な接触や、性的接触を避ける必要があり、重症化リスクがある接触者はワクチンの接種をするかどうか考慮されます。

 

サル痘の予防については、新型コロナと同様手洗い・アルコール消毒は有効です。十分な換気やマスクの着用も効果的で、感染が疑われる場合は使用したリネン類は、自身の粘膜に触れないように注意し、通常の洗剤を用い常温で洗濯を行います。また感染した方が食器や調理器具は、石鹸や洗剤等で洗えば使用できます。

 

現在のところ国内では感染者は報告されていませんが、新型コロナウイルス感染の例もありますので、楽観視せずに状況を見守り、慎重に対応してく必要があります。

感染症では感染対策のほか、一人ひとりの免疫がしっかり働いていることも重要です。体調管理も重要な感染対策の1つですので不安があればしっかり改善する必要があります。免疫機能の維持には漢方での対策も効果的です。体調管理に不安のある方は、日頃から漢方や養生を取り入れてみてください。

 

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