カニとシソの話

タナココ

カニが美味しい季節です

薬膳的に「カニ」は寒性
体のほてりやのぼせに効果があります

「寒性」なので体を温める食材と一緒に食べられる「鍋」がおすすめです

「カニ」と言えば、こんな逸話があります

後漢時代の頃の話です

「華佗(かだ)」という医者が修行先で、数人の若者が競うように「カニ」を食べているところに出くわしました

華佗は「カニはほどほどにしなさい…食べすぎるとお腹を壊し、ひどい時は命に関わることもある」と忠告しました…が、若者たちはその忠告を聞き入れませんでした

その後、程なくして、カニを食べた若者たちが突然腹痛を訴えました

華佗は原因は「カニ」だと気づきましたが、解毒薬がありません

華佗は以前、川辺で薬草採集している時に、小さなカワウソが大きな魚を食べて苦しがっているところに出くわしたことがあり、その時のことを思い出しました

その時の小さなカワウソは、水中にもぐったり、陸に上がったり、急に暴れだしたり、苦しそうにしていました
どうしたものかと思案しながら華佗はその小さなカワウソの様子をしばらく観察していました

小さなカワウソは苦しみながらも、岸辺の草むらにあった「紫色の葉」を見つけ、食べ始めました
そしてそのあとしばらく横たわっていました

程なくして、小さなカワウソはケロッと何事もなかったように動き出し、去っていきました

華佗はその時と同じ「紫色の葉」を町はずれの野原まで探しに行き、摘んで戻り、それを煎じて若者たちに飲ませました

不思議なことにしばらくすると若者たちは何事もなかったかのように回復しました

若者たちは華佗に、あの紫色の葉は何なのかと尋ねました

華佗は、まだ名のない草ですが「紫」色の葉っぱで、煎じて飲むとに「舒服(楽になる)」のだから、「紫舒」と呼びましょう、と言いました

その後、華佗はその草から「薬」をつくりました

その薬には、寒邪を散す、咳を止る、痰を取る、胃腸を丈夫にしたり動きを良くする、気のめぐりをよくするなどの働きがあり、華佗はこの薬を多くの人の治療に役立てました

華佗が名づけたこの「紫舒」という薬草ですが、「舒(shu)」と「蘇(su)=よみがえる」の発音が似ていたため、時間の経過とともに、またこの逸話の内容ともあいまって、「紫蘇」と呼ばれるようになりました

今でも中国では「カニ」の蒸し料理に「紫蘇」を使います
これは魚や蟹の毒を解毒するだけでなく、「カニ」の「寒性」を「紫蘇」の「温性」で和らげる効果もあります

お刺身に「紫蘇」が付いてくるのも同様の理由からですね

カニが美味しい季節ですが、食べ過ぎにはご注意ください

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ご覧いただきありがとうございます

「なんか生きづらいな」
「なんか体の調子が良くないな」
  と感じている方へ

漢方と心理学的アプローチを合わせた心身のケアで
日々の生活に彩りを添えるお手伝いをいたします

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

漢方薬局・鍼灸接骨院

吸い玉(カッピング)
足ツボ(リフレクソロジー)
ヘッドスパ・美容鍼
よもぎ蒸しサロン
《タナココ》

目次