肛門挙筋症候群(機能性肛門直腸痛)とは──
診断基準・原因・治療の限界と、体質から整えるアプローチ
肛門や直腸の奥の痛みが続くのに、検査では「異常なし」と言われた。そのような痛みの一つに、肛門挙筋症候群があります。
痛みの背景には、骨盤底の筋肉の緊張や、直腸の感覚の過敏さが関わると考えられています。痛みは実際に生じているもので、原因を整理し、取り組める方法があります。
国際的な診断基準(Rome V)と最新の研究をもとに、現在の治療でできることと難しいことを整理し、漢方・鍼灸による体質面からのサポートを説明します。
最終更新日:2026年10月30日
肛門挙筋症候群(機能性肛門直腸痛)の理解と体質へのアプローチ
肛門挙筋症候群・機能性肛門直腸痛とは何か
肛門挙筋症候群(Levator Ani Syndrome、以下LAS)は、肛門や直腸の奥に、鈍い痛み・圧迫感・うずくような不快感が長く続くにもかかわらず、痔・裂肛・腫瘍・炎症などの原因が見つからない状態です。骨盤底の筋肉である肛門挙筋(なかでも恥骨直腸筋)の過度な緊張が関わると考えられており、「機能性肛門直腸痛(Functional Anorectal Pain)」の一つに分類されます。慢性肛門痛(chronic proctalgia)、恥骨直腸筋症候群、骨盤緊張性筋痛などの名称で呼ばれることもあります。
国際的な診断基準であるRome基準では、機能性肛門直腸痛を「肛門挙筋症候群」「非特異的機能性肛門直腸痛」「消散性肛門痛(proctalgia fugax)」の3つに分けます。2016年のRome IVに続き、2026年に公表されたRome Vでも、この3分類は維持されています。
痛みは実際に生じていますが、画像検査や内視鏡で異常が映らないため、原因の説明を十分に受けられないまま経過する方がいます。座ることがつらい、睡眠や仕事に影響が出るといった状態が続くことも少なくありません。
「機能性」とは、臓器に目に見える病変がなく、筋肉や神経の働き方に問題がある状態を指します。痛みが「気のせい」という意味ではありません。また、生命に関わる病気ではなく、良性の状態と位置づけられています。ただし、痛みの背景を丁寧に評価し、他の病気を除外したうえで、治療を組み立てることが必要です。
分類と診断基準(Rome V)
Rome基準は、消化管の機能性疾患について国際的に用いられる診断基準で、2026年にRome Vが公表されました。肛門挙筋症候群の診断基準は、Rome IVから大きくは変わっていません。診断は主に問診と直腸診で行い、特別な検査がなくても可能とされています。
1)肛門挙筋症候群(LAS)
診断基準(すべてを満たす)
- 慢性または反復する肛門・直腸の痛み
- 1回の痛みが30分以上続く
- 直腸診で恥骨直腸筋を後方に牽引すると圧痛がある
- 他の原因(裂肛・血栓性痔核・腫瘍・炎症性腸疾患・肛門周囲膿瘍・痔瘻・前立腺炎・尾骨痛・婦人科疾患など)を除外
- 直近3か月間これらを満たし、症状の始まりは診断の6か月以上前(研究用基準)
特徴
- 直腸の高い位置の、鈍い痛み・圧迫感として表現されることが多い
- 座ると強くなり、立つ・横になると軽くなることが多い
- 痛みは数時間続くことがあり、夜間に生じることはまれ
- 直腸診で、左側の筋肉に強い圧痛が出ることがある
Rome Vでは、診療の場で使う「臨床基準」と、研究で使う厳密な基準が区別されています。全体の考え方として、他の病気が十分に除外されたと医師が判断できる場合には、研究用基準ほど厳密な期間を必要としないとされています。基準に当てはまるかどうかは、症状の経過と診察所見をあわせて、医師が判断します。
2)非特異的機能性肛門直腸痛
肛門挙筋症候群と同じ症状の基準を満たしますが、直腸診で恥骨直腸筋の圧痛が確認できないものです。研究では、肛門挙筋症候群より多くの方がこの診断に該当したとの報告もあります(2025年の高解像度肛門内圧検査の研究では、対象140名のうち123名)。
3)消散性肛門痛(proctalgia fugax)
肛門または直腸下部に、数秒から数分(最大30分)続く痛みを繰り返し、発作と発作の間には痛みがないものです。排便とは関係がなく、夜間に起こることがあります。痛みの持続時間が短い点が、肛門挙筋症候群との違いです。
4)除外すべき病気と受診の目安
診断で最も重要なのは、痛みの原因となる他の病気を除外することです。痔核・裂肛・肛門周囲膿瘍・痔瘻・直腸の腫瘍・炎症性腸疾患・前立腺炎・尾骨痛・陰部神経痛・婦人科疾患などが区別の対象です。
- 血便・黒い便がある
- 発熱がある、または肛門周囲に腫れ・熱感・膿がある
- 原因のわからない体重減少がある
- 便の形や排便の習慣が急に変わった
- 眠れないほどの強い痛みが急に出た、脚のしびれや力の入りにくさを伴う
これらは別の病気のサインである可能性があります。当院の漢方・鍼灸は、医療機関での診断を受けたうえでご利用ください。
症状:痛みの特徴と日常生活への影響
LASの症状は、痛みそのものに加えて、排便・骨盤周囲・睡眠・気分にまで広がることがあります。
痛みの特徴
肛門や直腸の奥の鈍い痛み、圧迫感、張る感じ、異物感。座位で悪化しやすく、立位や臥位で軽くなる傾向があります。痛みが会陰・腰・大腿に広がることもあります。
排便・骨盤周囲の症状
排便しにくい、残便感、排便時のいきみの強さ。尿もれ・便もれなど、他の骨盤底の不調を併せ持つ方もいます。痛みが続くと排便への恐れが生じ、骨盤底の協調がさらに乱れることがあります。
生活・心理面への影響
長時間の座位(デスクワーク・運転・食事)が難しいなど、日常生活に支障が出ます。睡眠や気分にも影響することがあり、不安や気分の落ち込みを伴う方が多いことが、研究で報告されています。
痛みが続くと、排便や座ることへの恐れが生じ、骨盤底の筋肉がさらに緊張しやすくなります。この緊張がまた痛みを強めると考えられており、悪循環を断つことが治療の中心的な考え方になります。
有病率と日本の現状
機能性肛門直腸痛は、症状のある方は少なくないものの、診断を受ける方が限られるため、全体像がつかみにくい疾患です。
| 項目 | 目安 | 特記事項 |
|---|---|---|
| 肛門直腸痛(原因を問わない) | 約11.6% | 米国の一般住民を対象とした質問票調査による推計 |
| LASに相当する症状 | 約6.6% | 同じ調査。診断を受けた人の割合ではなく、症状の有無を質問票で拾った推計 |
| 消散性肛門痛に相当する症状 | 約8% | 同じ調査 |
| 性別 | 女性に多い傾向 | 研究対象の約7割が女性だった報告があります |
| 日本国内 | 大規模な有病率調査は確認できず | 本ページ作成時点で確認できた範囲です |
日本では、大腸肛門科だけでなく、整形外科・婦人科などを受診する方もいます。2025年の日本大腸肛門病学会では、機能性直腸肛門痛に対して、薬物療法・理学療法・神経ブロックなどを組み合わせた複合的治療の症例報告が発表されました。原因が一つに定まらない痛みであることから、複数の視点で評価する取り組みが広がりつつあります。
発症のメカニズム
LASの原因は、現在も完全には解明されていません。単一の原因ではなく、複数の要因が重なって痛みが続くと考えられています。
| 要因 | 内容 | 研究の現状 |
|---|---|---|
| 骨盤底筋の過緊張 | 肛門挙筋・恥骨直腸筋が緩みにくく、筋肉の攣縮や肛門静止圧の上昇が起こる | 最も有力な仮説。筋肉の緊張の原因そのものは不明 |
| 排便協調運動障害 | 排便時に恥骨直腸筋・肛門括約筋が緩まず、いきんでも出にくい | 圧痛を伴うLAS患者の多くに見られ、バイオフィードバックで改善した報告がある |
| 直腸の感覚過敏 | 直腸の感覚が敏感になり、通常は痛みにならない刺激を痛みとして感じる。脳での痛みの処理の変化が関わる可能性 | 2025年の研究(140名)で、健常者より低い感覚閾値が確認された。Rome Vでは直腸知覚過敏が新たな診断項目として追加 |
| 神経・血流・炎症 | 神経の炎症や局所の血行不良が関わるとされてきた | まだ明らかではない |
| 心理社会的要因 | 不安・抑うつ・緊張・睡眠の乱れが、筋緊張や痛みの感じ方に影響する | 同じ研究で、不安が63.8%、抑うつが59%の方に認められた(対象の多くは非特異的タイプ) |
これらは互いに影響し合います。筋肉の緊張が痛みを生み、痛みへの不安がさらに緊張を強めるという流れです。そのため、筋肉・感覚・心理面のそれぞれに目を向けた治療が求められます。
現在の治療とその限界
LASの治療は、まず「良性の状態であること」の説明と、他の病気の除外から始まります。そのうえで、骨盤底の筋肉の緊張を緩める治療が中心になります。
| 治療 | 根拠の現状 | 限界・課題 |
|---|---|---|
| 説明・生活の調整(入浴・坐浴、便通管理など) | 坐浴で痛みが軽くなったとする非対照の研究がある | 対照試験で効果が確認されたものではない |
| バイオフィードバック・骨盤底理学療法 | ランダム化比較試験で有効性が示された主な治療。2010年の試験(157名)では、圧痛のある方で十分な痛みの軽減が得られた割合が、バイオフィードバック87%、電気刺激45%、マッサージ22%。12か月後も維持された | 圧痛が確認できない「可能性あり」の群では、どの治療も効果が得られなかった。実施できる施設が限られる。筋肉を緩める訓練が中心で、一般的な筋力強化とは異なる |
| 電気刺激 | バイオフィードバックよりは効果が低いが、改善する方もいる | バイオフィードバックが受けられない場合の選択肢 |
| 直腸内の指によるマッサージ | 上記の試験で効果は乏しかった | 自己判断で行うことは勧められない |
| 薬物療法(筋弛緩薬・鎮痛薬・抗うつ薬など) | 症状に応じて使われる | LASに対する十分な比較試験が少なく、筋弛緩薬の利益は不明とされる |
| ボツリヌス毒素・神経ブロック・仙骨神経刺激 | 難治例で検討される。小規模な報告が中心 | プラセボと差がなかった小規模試験があり、効果が一定しない。手術は一般に勧められない |
骨盤底の筋肉に着目した治療で改善する方がいる一方、①診察で圧痛が確認できないと効果が乏しい、②バイオフィードバックを受けられる環境が限られる、③薬物療法の根拠が十分でない、④痛みと不安・睡眠の問題が重なると経過が長引く、という課題があります。治療が思うように進まない場合、筋肉・神経・体質・生活習慣・心理面を合わせて見直す視点が役立つことがあります。
西洋医学 vs 中医学 アプローチ比較
西洋医学と中医学は、対立するものではなく、役割が異なります。診断と除外診断は西洋医学が担い、そのうえで体質面を中医学で支える形が、無理のない併用です。
| 観点 | 西洋医学的アプローチ | 中医学的アプローチ |
|---|---|---|
| 病態の捉え方 | 骨盤底筋の過緊張・排便協調運動障害・直腸の感覚過敏・心理面の影響として評価 | 気(エネルギー)や血の巡りの滞り、冷え、緊張、疲れやすさなど、全身の体質の偏りとして把握 |
| 治療の目標 | 痛みの軽減、骨盤底筋の協調性の回復 | 痛みに関わる体質面(冷え・緊張・睡眠・便通)を整え、痛みの出にくい状態を目指す |
| 主な手段 | バイオフィードバック・骨盤底理学療法・電気刺激・薬物療法・神経ブロックなど | 弁証に基づく漢方処方、鍼灸(仙骨部・腰部・下肢の経穴) |
| 長所 | 診断基準が明確。バイオフィードバックはランダム化比較試験で有効性が示されている | 全身状態に合わせて調整できる。冷え・睡眠・緊張・便通を同時に扱える |
| 限界・留意点 | 圧痛がない場合の効果が乏しい。実施施設が限られる。薬物療法の根拠が少ない | LASそのものを対象とした大規模な比較試験はまだない。診断は医療機関で行う必要がある |
中医学からの病態分析
中医学では、肛門周囲の痛みを、「通じざれば則ち痛む(痛則不通)」「栄養されざれば則ち痛む(不栄則痛)」という考え方で整理します。気血の流れの滞り、または不足によって痛みが生じると考える見方です。肛門・会陰は、督脈(長強)、任脈(会陰)、膀胱経(八髎穴・会陽・承山)、肝経(陰部をめぐる経絡)が関わる部位とされ、肝・脾・腎・大腸の状態と合わせて体質を評価します。
中国の中医学の雑誌には、機能性肛門直腸痛の不安・抑うつを、「肝は情志(感情)をつかさどる」「肝と大腸が通じる」という古典の考え方を含めて扱った論文(2024年)や、古典文献をもとに病因病機を整理した論文(2025年)が発表されています。体質のパターン(証)は、次のように整理されます。
緊張や精神的な負担で気の流れが滞った状態。張るような痛み、痛みが緊張で強まる、いらいら、ため息、睡眠の浅さ、便通の乱れが目立つ。四逆散・加味逍遙散・柴胡桂枝湯などが検討される。
経過が長く、刺すような場所の定まった痛み、長く座ると悪化する、下腹部や腰の張り、月経痛を伴うなどの特徴。桂枝茯苓丸・疎経活血湯などが検討される。
冷えで痛みが強まり、温めると楽になる状態。下腹部・腰・手足の冷え、疲れやすさ、軟便傾向を伴う。当帰四逆加呉茱萸生姜湯・真武湯・附子理中丸などが検討される。
灼熱感や重だるさ、肛門周囲の湿り、便のべたつき、舌苔の黄色い厚みなどが目立つ状態。竜胆瀉肝湯などが検討される。
疲れると下に引かれるような感覚が強まり、食欲低下、息切れ、倦怠感を伴う状態。補中益気湯などが検討される。長期の経過では腎の働きの低下(腎虚)が加わる場合がある。
上記は、体質を整理するための中医学の見方です。実際には複数のパターンが重なることが多く、処方や経穴は個別に組み合わせます。LASの診断は、医療機関で行ってください。
漢方・鍼灸に関する研究報告の現状
漢方・鍼灸については、LASそのものを対象とした研究は多くありませんが、関連する研究が少しずつ報告されています。確認できた範囲を、限界も含めてお伝えします。
鍼治療とバイオフィードバックの比較(Xueら、Turk J Gastroenterol 2024):機能性肛門直肠痛68名を、鍼治療(中髎・下髎・肝兪・腎兪・大腸兪、仙骨部には電気刺激を併用)とバイオフィードバックに無作為に分け、各20回・4週間治療しました。痛みの点数(0〜10)は両群で低下し、2群に有意差はありませんでした。排便協調運動障害を伴う方ではバイオフィードバックの効果が大きく、心の健康の指標は鍼のほうが良好でした。
鍼の一種である埋没療法の偽処置対照試験(Liら、Medicine 2023):71名を、糸を埋め込む鍼治療と偽処置に無作為に分け、2か月治療しました。肛門直腸の痛みの点数は治療群で平均約5.7から約2.7に、偽処置群で約5.9から約5.4になり、治療群で有意に良好でした。
電気鍼の多施設比較試験(計画報告、Int J Colorectal Dis 2024):八髎穴への電気鍼と偽電気鍼を比べる試験が計画されています。本ページ作成時点で、結果は確認できていません。
多施設・偽鍼対照のランダム化試験(Sunら、Ann Intern Med 2021)では、20回・8週間の鍼治療で、症状スコアが6点以上低下した方の割合が、8週時で60.6%(偽鍼36.8%)、32週時で61.5%(偽鍼38.3%)でした。対象は男性の慢性前立腺炎/慢性骨盤痛症候群で、肛門挙筋症候群ではありませんが、骨盤の慢性痛に対する鍼治療の効果が、治療終了後24週まで続いたことを示した報告です。
LASを対象とした漢方薬の比較試験は、確認できませんでした。中国では、中薬の灌腸をバイオフィードバックと併用した臨床報告(2026年)が発表されていますが、確立した治療とは言えない段階です。日本の漢方処方は、体質に合わせて選び、経過を見ながら調整するのが基本です。
上記の鍼の研究は、対象が数十名規模で、主に中国の施設で行われ、バイオフィードバックとの比較には偽処置がありません。長期の成績もまだ限られます。したがって「鍼灸で確実に改善する」とは言えません。一方で、骨盤底に直接働きかけるバイオフィードバックと同程度の痛みの低下が、4週間の治療で報告されていること、心の健康の指標も改善していることは、試してみる合理的な理由になると考えます。
タナココにおける漢方・鍼灸のサポート
タナココでは、医療機関での診断と治療を土台に、漢方・鍼灸で体質面を支えます。診断を受けていない場合は、まず医療機関での評価を優先していただき、そのうえで一緒に方針を考えます。
痛みが出る姿勢・時間帯・持続時間、排便の状態、冷えの有無、緊張しやすさ、睡眠、月経、これまでの検査結果と診断名、服用中の薬を伺います。舌・脈・腹部の状態も確認し、弁証を行います。痛みの強さ(0〜10)と1か月の痛みの日数を記録し、変化を数字でも確認できるようにします。
前章の弁証に基づき、肝気鬱結には四逆散・加味逍遙散、気滞血瘀には桂枝茯苓丸、冷えには当帰四逆加呉茱萸生姜湯・真武湯、下墜感と疲れには補中益気湯などを検討します。筋肉の攣縮が強い時期には、芍薬甘草湯を短期間で使う場合もあります。
薬剤師が、現在の処方薬との相互作用を確認します。甘草を含む処方が重なる場合は、むくみ・血圧・血中カリウムへの影響に注意します。附子を含む処方は、体質と用量を慎重に見極めます。
仙骨部の次髎・中髎・下髎、会陽、長強、腰部の腎兪・大腸兪、下肢の承山・三陰交、緊張を和らげる太衝・合谷、全身の調整を目的とする百会・足三里・関元・気海などから、体質と圧痛の状態に合わせて選びます。腰・殿部・骨盤周囲の筋緊張が強い場合は、鍼通電を併用することもあります。冷えが強い方には、灸で温めます。
研究で用いられた手技をそのまま再現するものではありませんが、骨盤底に関わる仙骨部と全身の調整を組み合わせる考え方は共通しています。刺激量は、お体の反応を見ながら調整します。
- 入浴や坐浴で、腰・殿部・骨盤周囲を温める
- 例えば30〜60分ごとに、座る時間を区切って立ち上がる
- 排便時に強くいきまず、便通を整える
- ゆっくりした腹式呼吸で、骨盤底の力を抜く時間をつくる
- 直腸内の自己マッサージは行わず、骨盤底の筋力強化は専門家の評価を受けてから行う
当院の方針は、痛みの記録をもとに、4〜8週間ごとに経過を見直すことです。変化が乏しい場合は、施術や処方の組み立てを見直します。それでも十分でない場合は、バイオフィードバックを行える医療機関への相談など、他の選択肢も一緒に考えます。痛みが続いている状態を、そのままにしないための取り組みです。
よくある質問(FAQ)
肛門挙筋症候群は自然に治りますか?
痔や肛門の病気との違いは何ですか?
何科を受診すればよいですか?
ストレスや心の問題が原因なのでしょうか?
鍼灸は有効ですか?
漢方薬は有効ですか?
病院で治療中ですが、漢方・鍼灸を併用できますか?
座るのがつらいときは、どうすればよいですか?
改善までどれくらいかかりますか?
肛門挙筋症候群──「異常なし」の先にも、取り組める選択肢があります
検査で異常がないことは、痛みがないことを意味しません。骨盤底の筋肉の緊張、直腸の感覚の過敏さ、冷えや緊張、睡眠の乱れなど、痛みを強めている要素は整理できます。
治療の中心は、医療機関での診断とバイオフィードバックなどの骨盤底の治療です。そこに、漢方と鍼灸で体質面を整える取り組みを加えることで、痛みが軽くなり、座ること・眠ること・仕事に向かうことが楽になる状態を目指せると考えています。
鍼灸や漢方が全員に合うとは限りません。だからこそ、痛みの強さと日数を記録し、変化を数字で確認しながら、合わない場合は早めに方法を見直します。薬剤師・鍼灸師・認定心理士の資格を持つ担当者が、西洋医学と中医学、心理面の三つの視点から、経過を最後まで一緒に確認し、方法の見直しを続けます。
「長い間、原因がわからないまま過ごしてきた」「病院の治療だけでは十分ではない」「座ることがつらく、生活が制限されている」という方は、まず現在の状況をお聞かせください。
