線維筋痛症・慢性一次性疼痛とは──
診断基準とメカニズム、体質から整えるアプローチ
全身の痛みが3か月以上続き、検査では大きな異常が見つからない。この状態に、線維筋痛症・慢性一次性疼痛という名前がついています。
気のせいや怠けではなく、痛みを処理する神経のしくみに変化が起きている病態として、研究が進んでいます。
このページでは、診断基準、メカニズム、現在の治療と限界を整理し、そのうえで中医学の考え方と、漢方・鍼灸でできることをまとめます。
最終更新日:2026年10月29日
線維筋痛症・慢性一次性疼痛の理解と体質へのアプローチ
定義:線維筋痛症は、全身の慢性痛に疲労・睡眠の質の低下・認知症状を伴う病気で、ICD-11では慢性一次性疼痛の代表的な病気です。
診断:ACR2016改訂基準(広範囲疼痛指数と症状重症度スケール、5領域中4領域以上の痛み、3か月以上の持続)で判断します。
頻度:日本では人口の1.7〜2.1%、約8割が女性です。
メカニズム:中枢感作と痛みの抑制機能の低下が中心で、小径線維、免疫、睡眠、自律神経の関与も研究されています。
治療:運動療法が唯一の強い推奨です。日本ではプレガバリンとデュロキセチンに適応があり、効果は部分的な方が少なくありません。
漢方・鍼灸:鍼灸は痛みとこわばりの改善を報告するメタ解析があり、漢方は症例報告が中心です。標準治療と併用する位置づけで、体質面から全身状態を整えます。
線維筋痛症・慢性一次性疼痛とは何か
線維筋痛症(fibromyalgia、以下FM)は、全身に広がる慢性の痛みに、強い疲労感、眠っても回復しない感覚、集中力や記憶力の低下などが重なる病気です。血液検査や画像検査で痛みの原因になる明確な異常が見つからないことが多く、「異常なし」と言われたまま長く悩む方が少なくありません。
2019年に世界保健総会で採択された国際疾病分類ICD-11では、FMは「慢性一次性疼痛(chronic primary pain)」の代表的な病気に位置づけられています。慢性一次性疼痛とは、3か月以上続く痛みで、強い苦痛や生活上の支障を伴い、他の病気では説明できないものを指します。痛みを別の病気の「症状」として扱うのではなく、痛みそのものを病気として扱う考え方です。
この痛みは「ノシプラスティック痛(nociplastic pain)」と呼ばれます。組織の損傷や炎症が原因の痛み、神経そのものの損傷による痛みとは区別され、痛みを感じ取り、処理する仕組みの側が変化した状態と説明されています。
慢性一次性疼痛は、全身の広範な痛み(FMを含む)、慢性の腰痛・頸部痛などの筋骨格系の痛み、内臓の慢性痛、頭痛・口腔顔面痛を含む大きな分類です。FMは、そのなかで全身の広範な痛みを特徴とする代表的な病態です。このページでは、FMを中心に、慢性一次性疼痛に共通する考え方も扱います。
診断基準:ACR2016改訂基準とICD-11
FMには、これ一つで確定できる検査がありません。診断は、痛みの範囲、症状の強さ、期間を問診と診察で確認し、他の病気の有無を血液検査などで調べながら進めます。
1)ACR2016改訂基準
現在、国際的に広く使われているのは、米国リウマチ学会(ACR)の2010/2011年基準を整理した2016年改訂基準です。次の条件をすべて満たす場合にFMと診断します。
診断の条件
- 広範囲疼痛指数(WPI)7以上かつ症状重症度スケール(SSS)5以上、またはWPI 4〜6かつSSS 9以上
- 体を5つの領域に分けたうち、4領域以上に痛みがある(顎・胸・腹部の痛みは数えない)
- 症状が少なくとも3か月続いている
- 他の病気があっても、FMの診断は成立する
2つのスコアの内容
- WPI:過去1週間に痛みのあった部位を19か所から数える(0〜19点)
- SSS:疲労感、眠っても休まらない感覚、認知症状(各0〜3点)に加え、過去6か月の頭痛・下腹部の痛みやけいれん・抑うつの有無を加点(0〜12点)
出典:Wolfe F, et al. Semin Arthritis Rheum 2016;46:319-329 DOI
2)旧基準(1990年)との違い
1990年のACR分類基準は、3か月以上続く広範な痛みと、18か所の圧痛点のうち11か所以上の圧痛を条件としていました。日本の行政資料などでは現在もこの基準が紹介されています。2010年以降の基準では圧痛点の診察を必須とせず、問診で得られる痛みの部位数と症状の重さで判断します。圧痛点が少ない方でも、全身の痛みと随伴症状がそろえば診断の対象になります。
3)ICD-11の慢性一次性疼痛
ICD-11の慢性一次性疼痛は、痛みが3か月を超えて続き、強い感情的苦痛または生活機能の障害を伴い、他の病気ではよく説明できないときに用いる診断です。FMはその例として挙げられています。国際疼痛学会(IASP)の作業部会が提案した分類で、診断名を「原因不明」で終わらせず、治療や支援の計画につなげることを目的にしています。
出典:Nicholas M, et al. Pain 2019;160(1):28-37 DOI
4)診断の進み方
リウマチ科、整形外科、ペインクリニック、心療内科、神経内科などで診断されます。関節リウマチ、膠原病、甲状腺機能の異常、ビタミン欠乏、薬剤の影響など、痛みや疲労を起こす別の病気の確認も並行して行います。診断基準を知っておくと、受診先で痛みの範囲や症状を伝えやすくなります。
症状:痛みだけでなく、全身と生活に及ぶ
FMの中心は全身の痛みですが、疲労、睡眠、消化器、気分、認知機能など、多くの症状が重なります。症状の種類と強さには個人差があり、日によっても変動します。
痛み・こわばり
全身に広がる痛み。場所が日によって移る。軽く触れただけで強く痛む。朝のこわばり。天候、疲労、ストレスで悪化する。
全身症状
強い疲労感。眠っても回復しない。頭痛。お腹の張り・下痢・便秘など過敏性腸症候群に似た症状。冷え、しびれ感、ドライアイ、ドライマウス、めまい。
認知・気分・生活
集中力・記憶力の低下。考えがまとまらない、言葉が出てこないといった形で表れます。不安、気分の落ち込み。仕事や家事の継続が難しくなり、周囲に理解されにくい孤立感を抱える。
痛みは外から見えず、検査にも表れにくいため、「気のせい」「怠け」と受け取られる場面があります。FMは、痛みの処理に関わる神経の働きの変化として研究が進んでいる病気です。本人の意思や性格の問題ではありません。
有病率と日本の現状
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本の有病率 | 人口の1.7〜2.1%(厚生労働科学研究班の調査)。推定200万人以上 |
| 性別 | 約8割が女性 |
| 世界の有病率 | 約2〜4%と報告されています |
| 診断名 | ICD-11では慢性一次性疼痛(慢性広汎性疼痛)の一つ |
| 日本で承認されている薬 | プレガバリン(2012年に「線維筋痛症に伴う疼痛」の適応追加)、デュロキセチン(同適応あり) |
推定患者数に比べ、病名が十分に知られていない状況が指摘されています。診断を受けていない方、他の病名のまま経過している方もいると考えられます。出典:東京都保健医療局「線維筋痛症について」、PMDA 添付文書関連資料、厚生労働省 薬事・食品衛生審議会資料。
発症のメカニズム:なぜ痛みが続くのか
FMの原因は一つに特定されていません。複数の要因が重なって痛みが続くと考えられており、研究は現在も更新されています。
1)中枢感作と痛みの抑制機能の低下
FMで最も有力とされるのが「中枢感作」です。脊髄や脳が痛みの信号を増幅しやすくなり、通常は痛くない刺激でも痛みとして感じる状態を指します。2025年に発表された研究をまとめた総説でも、中枢感作は主要な神経生物学的機序とされ、痛み信号の増加、痛みを抑える下行性の仕組みの低下、脳内ネットワークの再編成、自律神経の機能異常が報告されています。
2)末梢神経・小径線維の変化
皮膚の細い神経線維(小径線維)の密度が低下している方がいることが報告されています。同じ総説では、FMの痛みが「ノシプラスティック痛」という枠組みだけでは説明しきれず、神経障害性痛に似た特徴を持つ方が一部にいる可能性も指摘されています。患者さんのタイプが一様ではないことを示す所見です。
3)免疫・自己抗体の関与(研究段階)
2021年、FM患者の血液から取り出したIgG(抗体)をマウスに移すと、痛みへの過敏さが生じ、皮膚の神経線維が減ることが示されました。健常者のIgGや、IgGを除いた患者の血清では起こりませんでした。マウスは抗体が体から消えると数週間で回復しています。IgGは後根神経節(痛みの信号を中継する場所)にたまることも確認されました。
この結果は、少なくとも一部の患者さんで、自己免疫に近い仕組みが関わる可能性を示すものです。ヒトでの治療法として確立した話ではなく、検証が続いている段階です。腸内細菌の多様性の低下との関連を調べた報告も出ています。
出典:Goebel A, et al. J Clin Invest 2021;131(13):e144201 DOI/Iannuccelli C, et al. Clin Exp Rheumatol 2026(2025年発表研究の総説) 抄録
4)睡眠・自律神経・ストレスとの関係
眠っても休まらない感覚(非回復性睡眠)は、FMの診断基準にも含まれる中心的な症状です。睡眠が浅いと痛みの抑制が働きにくくなり、痛みが強いと眠りが浅くなる。両者が互いに影響し合うと考えられています。強いストレス、感染、外傷などが発症に先行する方が報告されていますが、きっかけが特定できない方も多くいます。
観察されること:体に明確な損傷がないのに、全身の痛みが3か月以上続く。
1段階目の理由:痛みの信号を処理する脊髄・脳の側が過敏になり、信号が増幅されている(中枢感作)。
2段階目の理由:痛みを抑える働きが低下している。背景に、睡眠の質の低下、自律神経の乱れ、ストレス、免疫や神経線維の変化などが重なり、方向が一人ひとり異なる。
原因が複数あるため、一つの薬や一つの方法だけでは十分な改善に届きにくい。治療が「組み合わせ」になる理由はここにあります。
現在の治療とその課題
非薬物療法
欧州リウマチ学会(EULAR)の2016年改訂勧告で、唯一「強い推奨」とされたのが運動療法(有酸素運動と筋力トレーニング)です。認知行動療法、マインドフルネスなどの心理的アプローチ、温水療法、鍼灸は「弱い推奨」とされました。勧告は、まず非薬物療法から始め、必要に応じて薬を加える段階的な進め方を示しています。
薬物療法
| 薬剤 | 位置づけ |
|---|---|
| プレガバリン | 日本で「線維筋痛症に伴う疼痛」の適応あり。EULARは弱い推奨。眠気・めまい・体重増加・むくみに留意 |
| デュロキセチン | 日本で「線維筋痛症に伴う疼痛」の適応あり。EULARは弱い推奨。吐き気・頭痛・発汗・便秘などに留意 |
| トラマドール | EULARは重い痛みに対し弱い推奨。使用は慎重に判断される |
| NSAIDs(消炎鎮痛薬) | EULARは弱い非推奨。炎症が痛みの主因ではないと考えられているため、効果が限られる |
2025年8月、米国FDAは、就寝前に舌下で使うシクロベンザプリン製剤(Tonmya)をFMの成人向けに承認しました。FMの新薬承認は15年以上ぶりで、第3相試験では14週時点の痛みスコアがプラセボより有意に低下しています。米国での承認であり、日本での扱いは別です。
現在の治療の限界
EULARの勧告は、多くの治療で効果の大きさは控えめだと述べています。薬物療法では、効果が得られる方が30〜50%、痛みの軽減が半分に届かないことも多いと報告されています。痛みの一部が残る、疲労や睡眠まで改善しない、副作用で続けられないといった課題が残る方がいます。
痛みの強さを下げる薬が中心である一方、冷え、疲労、胃腸の不調、睡眠の浅さ、気持ちの張りつめといった全身の状態は、薬だけでは扱いきれないことがあります。ここを補う選択肢として、体質全体を整える中医学のアプローチに関心を持つ方が増えています。
出典:Macfarlane GJ, et al. Ann Rheum Dis 2017;76:318-328 DOI/Front Med 2025;12:1710642(序論に記載された薬物療法の反応率30〜50%) DOI/PMDA 医薬品リスク管理資料/HealthDay News 2025年8月 記事
西洋医学と中医学のアプローチ比較
| 西洋医学 | 中医学(漢方・鍼灸) | |
|---|---|---|
| 病態の捉え方 | 中枢感作・下行性抑制の低下・免疫や神経の変化 | 気血の流れの滞り(不通則痛)、気血の不足(不栄則痛)、冷えや湿の影響 |
| 主な手段 | 運動療法、心理療法、薬物療法 | 体質の見立て(弁証)に基づく漢方薬、鍼、灸 |
| 得意な点 | 診断基準・治療指針が整備され、効果が検証されている | 痛み以外の疲労・冷え・睡眠・胃腸・気分を一人ずつ見立てて整える |
| 課題 | 効果が部分的で、症状全体には届きにくい | 大規模な高品質の比較試験が少ない |
| 併用の考え方 | 対立ではなく、役割の分担。標準治療を土台に、体質面を中医学で支える | |
中医学から見た線維筋痛症
中医学には、痛みを大きく二つに分ける古くからの考え方があります。気血の流れが滞って痛む「不通則痛(ふつうそくつう)」と、気血が不足して体を養えず痛む「不栄則痛(ふえいそくつう)」です。FMの全身の痛みは、中医学では「痹証(ひしょう)」、気持ちの滞りが関わるものは「郁証(うつしょう)」などの枠組みで捉えます。
FMは、痛み、疲労、睡眠、胃腸、気分など、複数の症状が同時に出ます。中医学は、これらを個別に見るより、全身の状態の組み合わせ(証)として読み取ります。症状が多い病気と、全身を見る医学は相性がよいと考えています。
ストレスで痛みが強まる。イライラ、胸脇部の張り、ため息が多い。気の巡りを整える(疏肝解鬱)。
刺すような、場所の決まった痛み。夜間に強まる。舌が暗紫色。血の巡りを整える(活血化瘀)。
疲労感が強く、息切れ、顔色が冴えない。痛みは鈍く、疲れると増す。気血を補う(補気養血)。
冷えや雨の日・寒い日に悪化。重だるさ、こわばり。温めると楽になる。冷えと湿を除く(温経散寒・祛湿)。
長く続く痛み。ほてり、腰や膝のだるさ、乾燥。体を潤す力を補う(滋補肝腎)。
眠りが浅い、夢が多い、食欲が落ちる、考えすぎて疲れる。心と胃腸を補う(健脾養心)。
実際には、肝気鬱結に気血両虚が加わる、寒湿に気滞血瘀が重なるなど、複数が組み合わさるのが通常です。時期によって中心となるタイプも変わるため、定期的に見立てを更新しながら進めます。
漢方・鍼灸に関する研究報告の現状
鍼灸はFMを対象にした無作為化比較試験(RCT)とそのメタ解析が複数あります。一方、漢方薬は日本でも症例報告が中心で、大規模な比較試験は少ない状況です。どの研究も、試験の規模、盲検化の難しさ、評価方法のばらつきといった課題を抱えています。以下は、効果を断定するためではなく、現時点で分かっていることを正確にお伝えするための整理です。
鍼灸の研究
EULARの2016年勧告は、鍼(電気鍼を含む)を他の治療に加える選択肢として弱く推奨しています。その後の研究では、2024年に11件のメタ解析(8,399名)を対象にした包括的レビューが出ており、偽鍼(プラセボ鍼)と比べて痛みと疲労の軽減がわずかに大きいと報告されました。身体機能と睡眠では差が確認されず、改善の半分以上は鍼そのものに由来しないものだったとも指摘されています。
2025年12月に公表された、10件の系統的レビューをまとめた研究では、鍼は偽鍼や薬物療法より痛みの軽減が大きく、FIQ(FM影響質問票)の点数も低下しました。2026年に報告されたRCTのメタ解析でも、短期的に痛みとこわばりが改善し、その効果が長期のフォローアップまで保たれていました。電気鍼を併用した場合は、疲労と圧痛点の数でさらに差が見られ、施術の頻度が高いほど身体機能の改善が大きい傾向もありました。ただし、研究間のばらつき(異質性)は大きく、質の高い試験が今後も必要と結論されています。
漢方・中薬の研究
日本東洋医学雑誌には、FMの症状が軽くなった症例の報告が複数あります。2024年には、複数の医師に診てもらっても改善しなかった38歳女性に、血府逐瘀湯加減から独活寄生湯加減へ処方を見直したところ症状が大きく改善した報告が出ています。2020年には十味剉散で3か月以内に痛みが消失した症例、2019年には葛根湯または大柴胡湯に桂枝茯苓丸を加えた2症例が報告されています。いずれも症例報告であり、効果を確立するものではありません。標準治療で改善が乏しい方に対し、体質を見立てて処方を調整する方法が試みられてきたことを示しています。
英語・中国語の文献を対象にした2010年の系統的レビュー(25件のRCT、1,516名)では、研究の方法論に弱さがある一方、中医学の治療に関連する重い有害事象の報告はありませんでした。2023年のメタ解析(4件のRCT、384名)では、鍼灸など薬を用いない中医学の手法を通常治療に加えた群で、通常治療のみより痛みのスコア(VAS)が約1.4点低く、長期の追跡でもFIQの低下が見られました。著者らは、安全性と臨床での応用に懸念が残るとも述べています。
タナココにおける漢方・鍼灸のサポート
タナココでは、痛みの出方、冷えや疲労、睡眠、胃腸、気分、舌や脈の所見を総合して証を見立て、処方を選びます。主な方向性は次のとおりです。
加味逍遙散・四逆散・柴胡桂枝湯:ストレスで痛みが増し、イライラや胸脇部の張りがある肝気鬱結のタイプに。気の巡りを整える。
桂枝茯苓丸・疎経活血湯:刺すような固定した痛み、夜間の悪化、肩こりが強い気滞血瘀のタイプに。血の巡りを整える。
補中益気湯・人参養栄湯:疲労感が強く、気力が出ない気血両虚のタイプに。気血を補う。
桂枝加朮附湯・当帰四逆加呉茱萸生姜湯:冷えや寒さ・雨の日に悪化する寒湿のタイプに。体を温めて巡りを助ける。
帰脾湯・抑肝散加陳皮半夏:眠りが浅く、考えすぎて疲れやすい、神経の高ぶりがあるタイプに。
症例報告では、長く続く痛みと腰膝のだるさに独活寄生湯が用いられた例もあります。
甘草を含む処方の重なりによる血圧・むくみ・血中カリウムへの影響、附子を含む処方の用量、麻黄を含む処方の動悸や胃への影響は、薬剤師が確認します。プレガバリン、デュロキセチンなど現在の処方薬との併用も、内容を伺ったうえで組み立てます。
FMでは、痛みに敏感な状態が続いています。刺激が強すぎると症状が揺り戻すため、細い鍼、浅い刺激、お灸を中心に、反応を見ながら始めます。
百会(ひゃくえ):頭部の気の巡りを整え、頭の重さや眠りの浅さに。
合谷(ごうこく)・太衝(たいしょう):気の巡りを整える代表的な組み合わせ。ストレスで強まる痛みや緊張に。
足三里(あしさんり)・三陰交(さんいんこう):胃腸と気血を補う。疲労感、冷え、睡眠の質に。
関元(かんげん)・気海(きかい):下腹部に位置し、元気を蓄える部位。お灸で温めることが多い。
内関(ないかん)・神門(しんもん):動悸、不安感、寝つきの悪さに。
痛みの強い部位・背部の反応点:痛みや圧痛のある部位と背部の反応を確認し、刺激量を決める。電気鍼を用いた研究報告もあります。
初回は、痛みの経過、診断の有無、通院先、服薬内容、睡眠、疲労、日中の活動量を伺います。痛みの強さ、眠れた時間、疲労、活動量を簡単に記録し、数週間ごとに変化を一緒に確認しながら処方と施術を調整します。診断がまだの場合は、医療機関での確認を案内します。現在の薬を自己判断でやめることは推奨しません。
薬剤師・鍼灸師・認定心理士の資格を持つ担当者が、西洋医学、中医学、心理面から、一人ひとりの状況に合わせて提案します。
よくある質問(FAQ)
線維筋痛症は治りますか?
検査で異常がないのに痛いのは、気のせいですか?
漢方や鍼灸は線維筋痛症に効きますか?
病院の薬(プレガバリン・デュロキセチンなど)と併用できますか?
痛みに敏感ですが、鍼は受けられますか?
運動はしたほうがよいのですか?
診断はついていませんが、全身が痛い状態が続いています。相談できますか?
改善までにどのくらいかかりますか?
痛みの原因が分からないまま終わらせず、軽くしていく道筋を一緒に探します
線維筋痛症は、長く続く痛みが外から見えないために、周囲にも、ときには医療の場でも理解されにくい病気です。診断名がついている方も、まだ診断に至っていない方も、痛みが実際に存在することを前提に、状況を伺います。
運動、心理療法、薬、鍼灸などを組み合わせて、痛みや生活の支障が軽くなる方がいることは、研究でも報告されています。新しい薬の承認、免疫の関与を調べる研究など、この10年で状況は動いてきました。漢方と鍼灸を加えることで、その変化の幅を広げられる可能性があると、タナココは考えています。
目標は、痛みの数値を下げることにとどまりません。眠れる、朝起きられる、家事や仕事に戻れる。生活が元の形に近づくところまでを見据えて、体質の見立て、処方、施術、経過の記録を一つずつ積み上げます。そこまで届かせるつもりで取り組みます。
「今の治療を続けながら試したい」「薬が合わず、別の方法を探している」「診断はまだだが、痛みが続いている」。どの段階でも相談を受けています。効果には個人差があり、改善をお約束するものではありません。それでも、試せる選択肢が一つ増えることには意味があると考えています。
