内臓脂肪減少薬｢アライ｣

4/8に発売が予定されている内臓脂肪減少薬「アライ」。

海外では「ゼニカル」という名前で販売されていた薬ですが、日本でも「ダイレクトOTC」として発売されることになりました。成分名は「オルリスタット」といい、海外では「ゼニカル」という名前で発売されています。「ゼニカル」は１カプセル「１２０mg」、　「アライ」は１カプセル「６０mg」の「オルリスタット」を含みます。

「ダイレクトOTC」という分類ではこれまでに「リアップ」「アンチスタックス」「プレフェミン」などが発売されています。

「アライ（オルリスタット）」は食事中に含まれる脂肪を分解する「リパーゼ」という酵素の働きを抑えて、脂肪の吸収を阻害します。

これまでに世界100以上の国で使用されている薬で、日本人を対象に行われた臨床試験でも、内臓脂肪、腹囲、体重の減少が確認されています。

「アライ（オルリスタット）」は食事中の脂肪の約25%を便として排泄するとしています。日本人の脂質摂取量が1日62g程度なので、カロリーで言えば「約110 kcal」減らすことができます。

「約110kcal」はどのくらいかというと、かなりざっくりですが

・ご飯　０．５杯
・切り餅　１個
・小さめのクロワッサン　１個
・ドーナツ　半分
・ウインナー　２本
・唐揚げ　１個

だいたいこれくらいのカロリーをカットしてくれます。

そして「アライ（オルリスタット）」の副作用ですが、「おならをすると便がもれる」「気がつかないうちに肛門から油がもれる」というのが主な副作用。

慣れるまでは「おむつ」や「便もれパッド」で対策が必要とのことなので、おそらく思っているより「漏れ」が見られると思われます。

このほか油に溶ける「脂溶性ビタミン」の減少も確認されています。肌の潤いを保つために必要なビタミンも「脂溶性ビタミン」ですので、不足すると肌が乾燥しやすくなることも考えられます。

このほかの副作用としては、2009年、FDA（アメリカ食品医薬品局）から稀な副作用として重度の肝障害が報告されていますが、因果関係は確立されていません。

金額は
18カプセル入り(6日分): ￥2,530(税込)
90カプセル入り(30日分): ￥8,800(税込)

唐揚げ１個のカロリーを減らすための金額としてはお高めです。

また、「アライ（オルリスタット）」を服用するには以下の条件が必要です。

・薬剤師による対面販売
・18歳以上
・お腹周り(腹囲)が男性85㎝以上、女性が90㎝以上
・食事療法、運動療法等の生活習慣の改善をおこなっている

また、購入し服用する場合は、「運動」することと「アライ（オルリスタット）」がカットできない「糖質」のコントロールをすることが、薬の効果を高めることに繋がりますので、合わせて行うようにしましょう。

詳しい研究方向はこちら

Heck AM, Yanovski JA, Calis KA. Orlistat, a new lipase inhibitor for the management of obesity. Pharmacotherapy. 2000 Mar;20(3):270-9. doi: 10.1592/phco.20.4.270.34882. PMID: 10730683; PMCID: PMC6145169.

Shirai K, Fujita T, Tanaka M, Fujii Y, Shimomasuda M, Sakai S, Samukawa Y. Efficacy and Safety of Lipase Inhibitor Orlistat in Japanese with Excessive Visceral Fat Accumulation: 24-Week, Double-Blind, Randomized, Placebo-Controlled Study. Adv Ther. 2019 Jan;36(1):86-100. doi: 10.1007/s12325-018-0835-5. Epub 2018 Dec 10. PMID: 30535651; PMCID: PMC6318260.