緑内障と漢方・鍼灸

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

眼圧が高めで・・・という方は意外に多いです。

 

眼圧(目の中の圧力)が高くて視神経がその圧力で障害を受け、視野が徐々に狭くなる病気を「緑内障」と言います。失明の原因にもなる病気です。

患者数も多く、40歳以上では20人に1人、60歳以上では10人に1人の割合と言われています。

意外に多い病気なのですが、緑内障であることに気づかない人が多いのもこの病気の特徴です。自覚症状に「視野が狭くなる」がありますが、視野が狭くなるのに気づかないことがあるのが厄介な点です。

なぜ気づきにくいかと言うと、片目に見えない部分があっても、反対側の目でその見えない部分を補ってしまうからです。両眼視すると欠損があっても気づきにくいのです。

また、片目で見た場合でも、範囲が小さければ、視野が欠けている部分を脳が見えているかのように補正して、視野が欠けていても気になることはありません。

 

緑内障では西洋医学的に治療が確立しているので、眼圧が高ければ眼圧を下げる目薬を使います。

しかし、中には点眼薬を使っても思う様に眼圧が下がらないケースや、正常だがやや高目の場合で薬は必要ないと言われているものの心配になっているケースなど、漢方を試してもいいのでは?と思われる場面は多くあります。


中医学で眼圧が高い状態を「緑風内障」「青風内障」などといいますが、これらは現代医学の分類に分けて当てはめてみると

「緑風内障」は「閉塞隅角緑内障」
「青風内障」は「開放隅角緑内障」

に相当します。

通常「緑内障」は「開放隅角緑内障」のことを言います。ちなみに緑内障は中国語では青光眼と表現します。

 

さて、中医学的には緑内障は体の「気血津液」と「肝」の問題として捉えています。

風、火、痰、鬱により肝の陰陽が失調し、気血のバランスが崩れ、経脈不利となって、目の中の玄府(通り道)を塞ぎ、気血津液の通りが悪くなり起こります。

上記の状況を引き起こす主な原因としては

・気鬱化火
・痰火昇擾
・陰虚風動
・肝腎両虧

があります。

気鬱化火は「ストレス」が原因で起こることが多いです。治療は「清熱疏肝」の働きのある「加味逍遙散」をベースに調整します。

痰火昇擾は食生活の不摂生が原因で起こることが多いです。「清熱袪痰、和胃降逆」の働きのある「黄連温胆湯」をベースに調整します。

陰虚風動は「過労」をはじめとする「○○し過ぎ」が原因で起こることが多いです。治療は「滋陰養血、柔肝熄風」の働きのある、「阿膠鶏子黄湯」をベースに調整します。

肝腎両虧は病気の治療が長期だったり、体が弱かったり、加齢だったりで起こることが多いです。治療は「補益肝腎」の働きのある「杞菊地黄丸」「腎気丸」をベースに調整します。

 

また緑内障では鍼灸治療も併用するとさらに効果的と言われています。

睛明、攅竹、瞳子膠、陽白、四白、太陽、風池、翳明、合谷、外関などが常用穴です。悪心嘔吐などがあれば、内関、足三里などを併用しますが、急性発作時の症状がみられた場合は漢方治療、鍼灸治療よりも受診が必要ですので注意してください。

 

主な原因は教科書的には以上ですが、これらが複合的に見られたり、気血津液のうちどの問題がどの様に見られているのかでさらに調節が必要になります。

 

眼圧のコントロール不良や高めで気になる方は漢方の併用がおすすめですが、自己判断で漢方を服用するより、相談して自分自身に合ったものを選んでもらう方が効果的です。煎じ薬であればさらに細かく調整が可能ですので、ぜひ相談してみてください。

また、眼圧の変化が軽微である場合は、環境の影響の可能性もあります。眼圧には日内変動があり朝型の方が高いことが多いですし(個人差が大きい)、季節変動もあります(冬の方が高く、夏には低くなります)ので、定期的な測定をされている方は変動については眼科医から説明をしっかり受ける様にしましょう。

緑内障に漢方?と思うかもしれませんが、役立つことも多いですので気になる方は一度相談してみてはいかがでしょうか。

 

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