こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
15歳の中学生、月経不順での相談です。
初潮後、半年に1度しか月経が来ないため、親御さんが心配になって相談に来られました。
病院を受診し現在は黄体ホルモンを内服し、月経が来るかどうかを検査している最中でのご相談でした。
思春期の月経不順で無月経については、日本の女性の場合、平均12歳で初経がはじまりますが、18歳になっても発来しな場合を「原発性無月経」といい、多くは子宮、卵巣に異常があると考えます。
一方月経はあるものの、3ヶ月以上停止するような場合を「続発性無月経」といいます。
また、続発性無月経は、性ホルモン剤の投与により月経が起こるかどうかで
・第1度無月経
・第2度無月経
の2つに分けられます。
黄体ホルモンを単独で使用した場合、月経がみられるものを第1度無月経といいます。この場合、卵胞ホルモンの分泌は保たれていると考えられます。
もし黄体ホルモンを使用して月経が起こらない場合は卵胞ホルモンを併用して様子を見ます。この方法で月経が見られれば第2度無月経となります。
「無月経・希発月経・頻発月経」より引用
第2度無月経は第1度無月経と比較して、重症であり治療抵抗性であることが多いです。
「imidas」より引用
思春期の月経不順(続発無月経)では、激しいダイエットなど体重減少によるものが多いです。第1度、第2度無月経どちらも起こることがあります。
第1度無月経の原因は不明が多く、その次にダイエットなどの影響が続きます。ストレスや過度のスポーツは第2度無月経の危険因子とされ、肥満などは第1度無月経の原因になることがあります。
このほか関係すると思われる疾患については以下のようなものが考えられます。
「無月経・希発月経・頻発月経」より引用
今回の相談のケースでは、詳しくは検査結果を待たなければなりませんが、結果の有無に関わらず、何か漢方をという相談でしたので、食事環境、生活環境、ストレスコントロールを含め、養生を行なっていただきながら、漢方では「気血両虚」と主な原因を捉え処方を提案しました。
第一度無月経では、子宮内膜は卵胞ホルモンが分泌されているものの、黄体ホルモンが不足した状態となり、長期に渡れば、子宮内膜増殖症や子宮内膜癌発生のリスクが生じます。第二度無月経では、卵胞ホルモンが不足した状態が長期に続きますので、骨粗鬆症のリスクが生じます。
今回の相談では、上記のような内容を含め、無月経のリスクや今後の問題についても説明しましたが、相談の中で
「生理がこないのは面倒がなから、このままでもいいんだけどなぁ」
と話されていたので、ピルで月経をコントロールするのと、そもそも月経が起こらないこととの違いや、まだ先かもしれませんが、妊活やその後の人生への影響についても説明しました。
今後は検査が出るのを待って、その検査の結果に従って必要があれば病院で治療を続けつつ、漢方も続けていく予定です。
月経異常があってもそのほかの自覚症状がなければ、受診しないケースも多くそのほかに困った症状がみられた時にはじめて受診するケースが見受けられます。月経異常があれば、痛みなど他の症状がなくても受診してほしいと思います。
妊活相談をしていると、
「しばらく生理が来ていない、またはものすごく不規則ですが、病院へ行かず漢方でなんとかなりますか?」
という相談を受けることがありますが、この場合、まずは受診し検査を受けていただくことをおおすすめしています。その方が、確実に妊活や健康においてその方のためになるからです。
受診したくなくて相談したのに・・・と言われることもありますが、時間をかけてなぜ受診が必要なのかを説明して理解してもらい、その後の妊活では「あの時きちんと検査を受けるように言ってもらえてよかった」と言っていただいたいます。
月経に関するトラブルの場合、西洋医学で検査や治療を受けた上で、漢方を併用するとより効果的です。
西洋医学的に問題がなければ漢方のみで対応することもできますし、もし西洋医学的な治療が必要な状態であれば、併用することで治療がより効果的になります。
月経に関するトラブルは放置せず、西洋医学、中医学を上手に利用して体調を整えるようにしましょう。
漢方相談・妊活相談・鍼灸接骨院 & よもぎ蒸し カフェ
タナココ