慢性疼痛と抗うつ薬(SNRI)

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

多くの方が、「慢性な痛み」を抱え生活しています。

医学的には慢性的な疼痛=慢性疼痛とは3カ月間を超えて持続もしくは再発する、または急性組織損傷の回復後1カ月を超えて持続する、または治癒に至らない病変に随伴する疼痛と定義されています。

原因としては、がん、関節炎、糖尿病などの慢性疾患、椎間板ヘルニア、靱帯断裂などの損傷、神経症咳性疼痛、線維筋痛症、満映頭痛などの多くの原発性疼痛疾患などがあり、様々な薬剤と心理学的治療が用いられています。

しかし、これらの痛みはなかなか改善されないケースも多いため、近年、違う機序の痛み止めが使用されることが増えています。

その1つにSNRIという抗うつ剤の利用があります。

痛みに抗うつ剤?と思われるかもしれませんが、ガイドラインにも有効としてあげられています。

例えば、米国では慢性腰痛に、抗うつ薬が4番目に多く処方されているというデータがあり、日本でもその使用が増えています

その効果については、疑問を感じる声も増える中、抗うつ剤の使用が本当に効果があるのか検証した報告ありました。

33件の研究、5,318名のデータ解析をしたものです。

解析の結果、SNRIは腰痛や変形性関節症の痛みを軽減する傾向がわずかにみられるものの、エビデンスレベルとしては中程度で高くはなく、また坐骨神経では有効である可能性はありますが、そのエビデンスは非常に低く、ほぼ無効といっても良い内容でした。

慢性疼痛に抗うつ薬であるSNRIが広く使われていますが、上記の報告によればその効果には疑問が残り、今後ガイドラインを含めその使用については積極的に使用がすすめられるものではなく、再検討の余地がありそうです。

慢性疼痛は日常生活の質を低下させるため、いかに痛みの軽減を図るかが重要ではありますが、薬についてはその選択は慎重に行う必要がありますし、運動療法など薬以外の方法も合わせて行うこともしっかり考えていく必要がありそうです。

 

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