📱 スマホ越しの経験は、明日の気分に影響するのか
スマートフォンを開けば、目の前に広がるのは、友人の投稿、ニュース、動画、知らない誰かの意見や体験談。
わたしたちは、そうした情報の海を、まるで呼吸をするかのように自然に行き来しています。
この「情報との日常的な付き合い」は、もはや特別なことではなくなりました。特に10代の若者たちにとっては、SNSや動画アプリが、自分の世界を広げたり、人とつながったりする大切な場所になっています。
でも──そんな日常の中で、ある投稿を見て少し胸がざわついたり、なんだか気持ちが沈んだまま一日を終えたことはありませんか?
私たちの「気分」や「こころの調子」は、日々の出来事や出会う言葉に影響を受けています。では、オンライン上で目にする、ちょっとした出来事や情報が、実際に「次の日の心の状態」にどのような形で残っているのでしょうか。
アメリカの研究チームは、黒人系の青少年を対象に、SNSなどを通じた日々のコンテンツとの接触が、翌日の気分や不安にどう影響するのかを細かく調べました。
従来の調査とは異なり、「1日単位」でこころの変化を追った点が、この研究のユニークなところです。
中医学では、こうした日々の感情の動きを「情志(じょうし)」と呼び、これは「気(き)」の流れと深く関わっているとされています。つまり、外からの刺激が感情を動かし、気の巡りを乱すことで、体やこころに影響を及ぼすという考え方です。
それでは、この研究から見えてきた、「デジタル時代のこころのゆらぎ」とは、どのようなものだったのでしょうか。
続きを見ていきます。
目次
- 📱 スマホ越しの経験は、明日の気分に影響するのか
- 🛜 オンラインの出来事が心に残る時代に
- 🧪 毎日の心の動きを記録する
- 📊 ネガティブな経験が心に及ぼす影響
- 🌱 情報の刺激が「気」に触れる
- 📌 日々の「情報の選び方」が心を守る
🛜 オンラインの出来事が心に残る時代に
オンラインの世界では、見たくないものが目に入ってしまうことも少なくありません。
特にSNSや動画サイトでは、人種に関する投稿や、差別的な言動、暴力的な映像が突然流れてくることがあります。
特に思春期は、こころの働きが繊細に変化する時期。感受性が高く、外からの刺激に対して強く反応しやすい傾向があります。そのため、こうした情報との接触が、気分や不安、落ち込みといったメンタルヘルスにどう関係しているのかは、非常に重要なテーマです。
これまでにも、オンラインでの差別的体験と心の不調の関係を調べた研究はありましたが、多くは「過去数ヶ月のことを思い出して答える」という形式が一般的でした。しかし、こうした方法では、記憶の曖昧さや、そのときの気分に左右されるリスクがあります。
今回の研究では、そうした問題を避けるため、対象となる若者たちに「その日その日で、何を見てどう感じたか」を毎日記録してもらうという方法が使われました。つまり、「感じたその日のうちに記録する」ことで、より正確に心の動きを捉えようとしたのです。
🧪 毎日の心の動きを記録する
この研究では、アメリカ国内に住む黒人系の青少年141人を対象に、7日間にわたって毎日データを記録してもらう形式が採用されました。対象の年齢は11歳から19歳。参加者たちは、スマートフォンなどを使って「その日にオンラインでどんなことがあったか」「翌日、どんな気分だったか」を答えていきます。
調査内容は、主に4つのポイントに分かれていました。
1つ目は、SNSなどで差別的な投稿を見たかどうか。2つ目は、暴力的な事件や映像など、精神的なショックを受けそうな内容に触れたかどうか。3つ目は、検索結果やおすすめ表示などで、自分の人種や文化が軽視されていると感じた経験。そして4つ目は、自分のルーツを肯定できるような前向きなメッセージに出会ったかどうかです。
また、それぞれの翌日には、「気分が沈んでいなかったか」「不安を感じなかったか」といったメンタルの状態も確認されました。
このように、「昨日の体験」と「今日の気分」とを1日単位でつなげて記録することで、よりリアルな関連が明らかになります。
📊 ネガティブな経験が心に及ぼす影響
この1週間の調査期間中、参加した若者たちは、1日あたり平均して6件ほどの「人種に関わるオンライン体験」を報告していました。
その中には、SNS上での差別的な投稿や、暴力的な出来事の映像、あるいは自分の存在が無視されているように感じる検索結果などが含まれていました。
こうした体験と、翌日の気分との関係を見ていくと、いくつかの傾向が明らかになりました。たとえば、差別的な表現やショッキングな出来事に触れた翌日には、不安感や気分の落ち込みが少し強くなる傾向が見られたのです。
これは、直接的に何か被害を受けたという状況でなくても、「見た」「触れた」だけでも心に影響が残ることがあるという意味で、注目すべき点です。
一方で、自分の人種や文化に対して誇りを感じられるようなポジティブなコンテンツを見た場合、その翌日の気分が特に良くなるという結果は見られませんでした。
とはいえ、これは「意味がない」ということではありません。短期間では効果が見えにくいだけで、長い目で見れば、ポジティブな経験の積み重ねが心にとってよい影響をもたらす可能性も考えられます。
🌱 情報の刺激が「気」に触れる
中医学では、気の巡りがこころと体のバランスを保つうえで重要だと考えられています。とくに感情の変動、つまり「情志」の乱れは、気の流れに大きく影響するとされています。
この研究で扱われた「オンラインで目にする人種に関する情報」は、中医学的に見れば「情志への刺激」と言えます。刺激が強すぎると、気が滞ったり、上に昇りすぎたりして、不安やイライラといった状態を引き起こしやすくなるのです。
若者の心はまだ成長の途中にあり、外からの影響を受けやすい時期でもあります。だからこそ、視覚的・感情的に強いコンテンツに日々さらされることが、知らず知らずのうちに「気の流れ」に影響している可能性があると考えられます。
📌 日々の「情報の選び方」が心を守る
この研究は、毎日のように触れているオンライン上の情報が、知らず知らずのうちに翌日の気分や心の調子に影響を与えている可能性を、データに基づいて示してくれました。
もちろん、今の時代に情報を完全にシャットアウトすることは現実的ではありません。けれども、「何を見るか」「いつ見るか」「どう受け取るか」という視点を少し持つだけで、心の状態を整える助けになるかもしれません。
中医学でも、夜遅くに刺激の強い情報に触れることは「心神(しんしん)」の休息を妨げるとされています。たとえば、眠る前に穏やかな音楽を聴いたり、感情を揺さぶる投稿を避けたりすることは、気の巡りを整える簡単な方法の一つです。
「見たものは、こころに残る。」
そんな視点で、自分の「情報との付き合い方」を一度見直してみるのも、これからの時代のセルフケアとして大切な考え方かもしれません。
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