PCOS(多嚢胞卵巣症候群)と移植

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

多嚢胞卵巣症候群(PCOS:polycystic ovarian syndrome)は、排卵障害を引き起こす疾患で女性の20〜30人に1人の割合でみられます。LH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)バランスが悪くなったり(LH>FSH)、男性ホルモンのが増えることで、卵胞が育ちにくくなったり、卵巣の外側の膜が硬くなり排卵が妨げられます。

そのため、月経不順、無排卵、ニキビ、多毛などの症状がみられます。

排卵までに時間がかかることで、月経周期はおおむね35日以上となり、排卵できずに卵巣に溜まっていくので、超音波ではなかなか大きくならない10mmくらいの卵胞が卵巣の外側に並び「ネックレス」のように見えます。

PCOSの排卵障害は年齢とともに進行し、月経周期も延長傾向になります。症状の程度は個人差も多く、さまざまなです。

排卵誘発剤(クロミフェンなど)ですぐ排卵できるようになる場合もあれば、なかなか反応しないこともあります。

なかなか反応しない場合はメトホルミンなど他のお薬を併用したり、注射で強力に排卵させることもあります。

また、漢方も効果的ですので使われることもあります。

一方で特に注射での治療で卵巣が過剰に反応してしまうと、卵巣が数倍に腫れ、卵巣周囲だけでなく、腹部全体に広がり、重症化すると腎不全や血栓症などの合併症を引き起こし危険な状態になります。


さて、そのようなPCOSですが、排卵のトラブルだけではないという報告があります。


2016年10月〜2021年12月に、正常胚の胚盤胞移植を行った1,498名についての研究報告です。

 

結果は、PCOSのグループと非PCOSのグループで調べたところ、妊娠率に差は見られませんでしたが、初期流産の割合がPCOSのグループで増加が見られました。年齢とBMIを調整した後でも同様でした。

 

妊娠率に有意差はみられませんでしたが、PCOSは初期流産のリスクを高める可能性があります。

 

おそらくこれは内分泌の乱れが子宮内膜機能に影響を与えた可能性がありますが、具体的なメカニズムや効果的な改善方法についてははっきりしていませんので、更なる研究が必要です。

 

 


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西洋医学的には、卵子を積極的に守る方法はありませんが、漢方では「卵」を育てながら、発育途中のさまざまなストレスからどうやって「卵」を守っていくかも考えて処方を組み立てていきます。体の調子を整えるだけの処方ではないのが特徴です。ダメージから守られて育った卵は、良い結果に繋がりやすいので、妊活されている方にはぜひタナココのオリジナルの漢方を取り入れて欲しいと思います。


 

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