CBIT(シービット)とチック

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

CBIT(シービット)療法というのは、チック症状を和らげるためのトレーニングと環境づくりのことです。

 

CBIT(シービット)とは、Comprehensive Behavioral Intervention for Tics の頭文字をとったものです。「チックのための包括的な行動介入」という意味で「これをやればチックがおさまる」という特定の方法ではなく「どのような状況や環境」で症状が出にくくなるのかを知り、その状況や環境をどう作っていくか、自分でできる工夫はないかを、家族、友人・知人、学校・職場・地域などで理解し協力しながら、「行動療法」という心理学的アプローチを用いて学び、症状を減らし和らげ、生活しやすさを増やしていく方法です。

 

具体的には、症状が起こる直前の「まえぶれ」に気づきそれをコントロールしたり、続いておこる「症状」に対しては身体的には同時には起こりにくい行動で「拮抗」させることで症状を和らげる方法を行います。加えて症状が出やすい環境を改善していきます。

 

環境のコントロールには「学校の先生」の協力が欠かせません。そして友達や友達の親御さんの受容も必要になります。

症状を真似したり、からかったり、ひどい場合はいじめられたりすることがあります。そうすると心が傷ついたりしてストレスを抱えてしまいます。

チックは脳の神経発達の過程で、神経の伝達物質の不均衡により起こる症状で、一種の「体質」のようなものです。そのバランスが取れていくことで症状がなくなっていくことも多いとされていますが、症状は「環境」の影響を大きく受けます。

学校で症状がでないように、一生懸命「我慢」し押さえ込もうとします。そうすると症状が悪化してしまいます。

特に今の時期、年度が変わり環境が大きく変化し、ストレスが大きい時期に加えて、さらに症状を「我慢」してストレスを溜め込むため、学校から帰ってくると症状が一気に悪化することもあります。

家庭での環境を整えるともに「学校」での受容の環境が整うことでストレスは確実に減ります。

 

CBIT(シービット)では、「まえぶれ」に気づき、また「拮抗」動作により、症状を和らげたり、目立たなくさせるトレーニングなどをしていきます。症状は無意識に出ている場合と、体の不快に感じる違和感を打ち消すために行なっている場合もあります。そのためにはそのことに気づく「練習」が必要になります。「練習」ですからお子さんのモチベーションも大切です。ご家庭ではモチベーションの維持と練習環境を整える必要があります。

 

CBIT(シービット)は「ハビットリバーサル」というトレーニングを中心に「行動療法」、「心理教育」と組み合わせて行います。

 

「ハビットリバーサル」おもに以下の3つのトレーニングからなります

 

1 気づきのトレーニング

いつ症状が起こりやすいのか、起こりそうになるかを気づくトレーニングです。症状が起こる前には、体の違和感(ムズムズやモヤモヤなどの「まえぶれ」)があり、それに気づくトレーニングです。

 

2 「拮抗」動作のトレーニングと呼吸法による「まえぶれ」に対しての対策

「症状」と身体的に両立しない「拮抗」する動作を覚えるトレーニングをします。ハビットリバーサルの中心はこれになります。症状に対して、身体的に起こりえない動作をすることで症状をコントロールできる様にします。

「拮抗」する動作とはどういうことかというと、例えば「音声チック」であれば、息がでて「音(声)」が出る場合は、息を吸うことを伴う拮抗動作を行います。逆に息を吸うことで「音(声)」が出る場合は、息を吐くことを伴う拮抗動作を行います。

このように症状と同時にできない動作をにはどの様なものがあるかを意識して、探して試して行きます。いくつか症状がある場合は基本的には1つずつ行い、ある程度症状が和らいでから次の症状に対して対策します。

基本的な考えは上記の様なものですが、絶対的なものではありません。これらの考えをもとに、どういう「拮抗動作」が有効なのかを考えます。

そして拮抗動作と合わせて深呼吸などの「呼吸法」もおこないます。まずはしっかりと腹式呼吸ができるようになることが必要です。この呼吸法により「まえぶれ」への対処ができるようにします。

腹式呼吸では、鼻からゆっくりと3〜4秒かけて息を吸い、1〜2秒間息をとめて、吸う時間の倍の時間をかけて口からゆっくりと少しずつ息を吐くという呼吸法が役立つと言われています。

症状の「まえぶれ」を感じたら呼吸法を行い、また「まえぶれ」を感じたらまた呼吸法行うことで、「まえぶれ」を抑えやすくするトレーニングを「毎日」、親御さんと一緒に行います。

「まえぶれ」が抑えられれば、症状を徐々に減らすことができるようになります。


3 社会的支援

1、2のためのサポートです。トレーニングですからうまくいかないこともあります。モチベーションが続かないこともあります。そのための支援になります。主に親御さんの家庭での支援です。

 


症状をゼロにするのではなく、日常生活に支障のないレベルでコントロールすること目標に進めます。それは簡単なことではありません。だから当事者もつらい思いをしています。苦しんでいます。だからこそサポートが必要不可欠です。

CBIT(シービット)はすべての人に効果がある訳ではありませんし、CBITは「練習」ですので、その効果は一人ひとり異なり、よくなる程度も様々です。練習の段階にも気遣いが必要ですし、練習へのモチベーションを維持していくことも重要です。

チックに対する十分確実な治療法はいまだ確立されておりませんが、CBITの研究では9歳以上の約4〜5割に効果があるとする報告があります。

 

CBIT(シービット)、呼吸法は万能ではなく不向きな場合もありますので、その場合は強要はしないようにしてください。

漢方も合わせて使うと心と体のアンバランスを和らげるのに有効なこともありますのでご相談ください。

 

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