こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
「 タイムラスプスインキュベーター 」は最近はほとんどの不妊治療のクリニックで導入している設備だと思います。
この「 タイムラスプスインキュベーター 」を用いた胚培養は、従来型の培養システムよりも胚盤胞到達率が高いことが無作為比較試験で示されたとする報告がありました。
「 タイムラプスインキュベーター 」とは、「胚」を培養するための「インキュベーター」という機械と「胚」を観察するための顕微鏡+カメラが一緒になった機械です。
画像 vitrolife HP より引用
「体外」と「体内」では環境を構成するガス濃度が大きく異なるため、「胚」にとっては「体外」で育つことは難しく、そのためインキュベーターで「体内」の環境を再現することで発育しやすくします。
通常のインキュベーターの場合は「胚」の状態を観察するためにインキュベーターの「外」に取り出す必要があり、胚は一時的にストレスが高い環境に暴露されます。
これが「胚」の成長を妨げる一因になると考えられています。
「 タイムラプスインキュベーター 」を用いた場合、胚の状態をインキュベーターから取り出さずに観察することができるため、胚へのストレスを抑えることができます。
大気は窒素 78%、酸素 21%、それ以外のガスで構成されていますが、卵管や子宮内の酸素は 2〜8% と通常の大気中の酸素 21%と比較して低酸素状態です。
そのため、インキュベーター内は体内環境に近くなるように酸素濃度は 5%程度となるように設定されています。
全ての体外受精・顕微授精で「 タイムラプスインキュベーター 」が必須という訳ではありませんが、「 タイムラプスインキュベーター 」で培養することで「胚のストレスを減らす」ことができます。
ただい、通常「 タイムラプスインキュベーター 」での胚培養を選択すると追加で費用が発生します。
胚の発育が良い方の場合は不要かもしれませんが、従来のインキュベーターでは胚盤胞にならない、胚盤胞到達率がよくない方は選択してもよいオプションです。
良いのかどうかわかりませんが、クリニックよってはオプションではなく「必須」としているところもあるようです。
ただし、体外受精・顕微授精では「胚盤胞」が絶対条件というわけではなく、「 タイムラプスインキュベーター 」を使用しても「胚盤胞になりにくい」方もおりますので、その場合は、「胚盤胞」ではなく、「初期胚」での移植・凍結も視野に入れてすすめていくのが良いと思います。
今回の報告では「 タイムラプスインキュベーター 」を使用することで「胚盤胞」の「到達率」が向上することがわかりました。
コスト以外で「 タイムラプスインキュベーター 」を使用するデメリットは今の所ありません。コストに見合うかどうかを判断しながら選んでいただければと思います。
中医学的な妊活の漢方では、採卵まで卵へのストレスを減らす処方を用いることで、卵の発育、受精後の胚盤胞到達率を上げることを目ざします。
西洋医学だけではなかなかうまくいかない場合、中医学的な視点を取り入れてることで、スムーズに行くことも多いので、ぜひ漢方を取り入れて妊活をすすめていっていただければと思います。
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