こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
妊活を進めるにあたってなかなかうまくいかない状況になった時に、いま自分がどのくらい可能性があるのかがわからないまま進めるのはとてもストレスがあります。
とくに卵巣の反応性が低い場合、どのくらい頑張れば妊娠できるのか、その可能性を知ることはとても重要です。
卵巣刺激に低反応の場合にBologna(ボローニャ)基準というものが使われています。
ボローニャ基準は、2011年、ヨーロッパ生殖医学会(ESHRE)から卵巣刺激低反応の判断基準として示されたものです。
この基準では、以下の3項目のうち、少なくとも2つが満たすとき、「低反応卵巣」と診断されます。
・高齢者(40歳以上)または低反応を起こすリスク因子(染色体異常、骨盤内感染、子宮内膜症、がん化学療法、卵巣手術など)がある
・前回の卵巣刺激で低反応、または採卵数3個以下
・卵巣予備能(AMH)の低下(AMH値 5 ~ 1.1 ng/mL、または月経3日目胞状卵胞数が5~7個以下)
一方で、この基準は卵巣の反応性が低い女性を一括りに定義してしまうことが問題とも言われており、近年ボローニャ基準とは異なる、年齢、AMH値、胞状卵胞数(AFC)から予測された卵巣反応によって分類するPoseidon(ポセイドン)基準が提案されています。
ボローニャ基準を細分化したような基準です。
具体的には
・年齢が34歳までか、35歳以上か
・胞状卵胞数が5個以上か、4個までか
・AMHが1.2以上か、未満か
を見ています。
【ポセイドン基準】
・グループ1:<35歳、AFC ≧ 5個 or AMH値 ≧ 1.2ng/mL
サブグループ1a:標準的卵巣刺激後の採卵数<4個
サブグループ1b:標準的卵巣刺激後の採卵数4~9個
・グループ2:≧ 35歳、AFC ≧ 5個 or AMH値 ≧ 1.2ng/mL
サブグループ2a:標準的卵巣刺激後の採卵数<4個
サブグループ2b:標準的卵巣刺激後の採卵数4~9個
・グループ3:<35歳、AFC<5個 or AMH値<1.2ng/mL
・グループ4: ≧ 35歳、AFC<5個 or AMH値<1.2ng/mL
もう少しわかりやすくすると
グループ1:34歳未満で卵巣予備能が良好
グループ2:35歳以上で卵巣予備能が良好
グループ3:34歳未満で卵巣予備能が低下
グループ4:35歳以上で卵巣予備能が低下
ということになります。
この「ポセイドン基準」は卵巣刺激にあまり反応しないケースで現在の状況を把握するための指標にもなり、また、一人ひとり個別化された治療および、妊娠までの予測と、妊娠・出産までの期間を短縮するための計画を立てることができるようになります。
近年では、この基準をもとに研究が進められることも増えてきました。
例えばこの研究では、ポセイドン基準ごとの体外受精の成績を以下のように報告しています。
体外受精3周期の累積出生率です。
青が1周期、オレンジが2周期、グレーが3周期の累積出生率です。
報告ではポセイドングループ4、つまり「35歳以上、胞状卵胞数4個以下」の体外受精3周期の累積出生率は22.34%となっています。
厳しい数字ですが、現在の不妊治療の現状です。
ポセイドン基準は、卵巣低反応でうまくいかない場合、今自分の可能性がどのくらいあるのか、この方法で良いのか、方向修正したり、考え直したりするのに役立つ指標です。
実際にこの基準を元に治療方法を決定していくクリニックも増えています。
自分自身の状況を把握した上で、何をすべきか、何を加えていくかを考えていくことが妊活では重要になります。
漢方での妊活も、 年齢、AMH値、胞状卵胞数(AFC)、体質、その時抱えている体のトラブルを細かく見ていきながら調整をしていきます。
一人ひとり積み上げていくべき内容は異なりますのでしっかりお話をお聞きして、その効果が最大限になるようにサポートしていきます。
ご相談ください。
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