こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
「睡眠と妊活」の重要性については何度か触れています。
不妊治療が保険適用になったとはいえ、やはり高額な費用がかかりますし、保険適用の範囲内では妊娠することが難しい方は、引き続き高額な自費診療で治療を続けざるを得ません。
不妊治療で原因と思われる点をが見つかり、妊娠への道筋が見えた方であっても100%の妊娠率にはなりません。
そもそも「ヒト」は他の動物と比較し、妊娠しにくい動物です。
「ヒト」が妊娠するためには問題があればそれを解決し、それと合わせて妊娠しやすくなる環境を積み重ねていくことが重要になります。
何か1つ「これをやればいい」というものではなく「積み重ね」です。
その「積み重ね」の1つに「睡眠」があります。
睡眠に関係するホルモンに「メラトニン」というホルモンがあります。
メラトニンは「睡眠ホルモン」とも言われ、体内時計に働きかけて、睡眠・覚醒のリズムや他のホルモン分泌のリズムを調整します。
さらにメラトニンは睡眠・覚醒のリズムやホルモン分泌のリズムに関与しているだけでなく、強力な抗酸化作用をもち、細胞にダメージを与える「活性酸素」から細胞を守る働きがあることがわかってきました。
もちろん「卵胞」も細胞ですので、当然守られます。
卵胞発育の際に卵胞液の中のメラトニン濃度が上昇し、卵胞を活性酸素から守っていることが報告されています。
これらのことから睡眠と卵胞発育には密接な関係があることがわかります。実際にメラトニンを増やすことで変性卵率、受精率、妊娠率がみられたとする報告もあります。また、排卵時、酸化ストレスにさらされるとで卵の成熟が妨げられることがわかっています。
メラトニンは、卵胞内で抗酸化物質として働くため、酸化ストレスから卵を守ることでいわゆる「卵の質」を低下させないように保護しており、その結果受精率や妊娠率の改善に繋がると考えられます。
妊活で食事や睡眠の大切さをお話しするのはこういった理由があるからです。
妊活・不妊治療では原因がよくわからないこともありますが、少なくとも食事や睡眠を良い状態で維持することは卵子の質の維持のために役立ちます。
ではメラトニンによって卵が守られるようにするためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
そのためには、メラトニンが作られるための栄養素に不足がないようにすることと、分泌されやすい環境を整えることが必要になります。
メラトニンを作るためには、「トリプトファン」というアミノ酸とそのほか、葉酸・鉄・ナイアシン・ビタミンB6・マグネシウムが必要で、加えて腸内環境を良い状態に保つことが必要です。
そして、メラトニンの作る働きと分泌される働きを活性化するためには生活の「リズム」を整えることが重要になります。
朝、光を浴びると、脳にある体内時計がリセットされてメラトニンの分泌が止まりますが、メラトニンは目覚めてから14〜16時間ぐらい経過すると体内時計からの指令が出て再び分泌されます。
メラトニンの分泌リズムは主に「光」によって調節されているので、夜中に光を浴びると体内時計の働きが乱れてメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。それを防ぐためには夜は遅くとも12時までには寝るようにし、寝るときも暗くして寝ることでメラトニンがしっかりと分泌されるようになります。
また、体内時計は朝の光を浴びることでリセットされますので、寝る時間が遅くなっても朝は決まった時間に起きることが重要です。
このように生活のリズムを整えることで、安定してメラトニンを分泌させることができるようになります。目覚めたらカーテンを開けて日光をしっかり浴びることで、しっかりリセットできるようになりますので、ぜひ取り入れてみてください。
ちょっとぐらい夜更かししても…
食事が乱れているけど忙しいし…
これらが積み重なると、それだけ卵を守る時間が減ってしまいます。
食事のバランスと生活リズムを整える生活習慣は、コストをたくさんかけずにできる妊活に間違いなくプラスになるものですので、不安要素がある人は見直してみてください。漢方でのサポートも役立ちますのでご相談ください。
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