難治性着床不全での多血小板血漿(PRP)療法と漢方の併用

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

内膜がなかなか厚くならない方で多血小板血漿(PRP)療法を試す方が少しずつ増えています。

多血小板血漿(PRP)療法

多血小板血漿(platelet-rich plasma:PRP)療法とは、血液から抽出した高濃度の血小板を子宮内に注入する方法です。

血小板は血液中の成分の1つで、主に出血を止める働きがありますが、多血小板血漿(PRP)には血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、上皮細胞成長因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)など細胞の成長、修復を助ける成分や、免疫に関わる物質も含んでいます。

 

濃縮した多血小板血漿(PRP)には上記のような成長因子が含まれるため、子宮内に注入することで細胞が活性化され、子宮内膜を厚くし、着床率を向上させることが期待できます。

 

実際の方法は、血液から静脈血を20mL採血し、それを遠心分離機にかけて、血小板が含まれる成分を抽出し調整します。その後調整した多血小板血漿(PRP)約1mLを子宮内に注入します。

採血から子宮内に注入し終えるまでは約1時間程度ですが、何らかの影響で調整した多血小板血漿(PRP)が固まったりする場合は、再度採血を行ったり、不適切と判断されれば、中止となることもあります。

治療は1周期・原則2回投与となりますが、PRP治療は保険適用外となるため自費診療となります。

金額としては2回で20〜25万程度のところが多いようです。

自分自身の血液を用いた治療法ですので、アレルギー反応等の心配が少なく、これまでにも重篤な副作用は報告されていません。近年その効果についての研究報告も増えており、多血小板血漿(PRP)療法により子宮内膜を厚くすることができたとしています。

 

内膜を厚くすることと同じく重要なこと

しかし、子宮内膜は厚くすることも重要ですが、その感受性を高めることもまた重要です。内膜の厚さを厚くすることで着床率は上昇しますが、厚くてもなかなか着床しない方がいるのも事実です。

漢方では子宮内膜の感受性を高めるために考えらえた処方があり、子宮内膜が厚くても着床しにくい方へのサポートができます。

多血小板血漿(PRP)療法のように、西洋医学的に内膜を厚くするための方法が増えていますが、漢方を合わせてすることで、厚くしながらさらに感受性を高めて着床率を高めるお手伝いができます。

 

妊活では漢方の併用がより良い結果につながることが知られるようになっています。

 

西洋医学的な方法と、中医学的なアプローチを組み合わせることで妊娠への道筋をよりしっかりと作っていくことができます。妊活・不妊治療ではぜひ中医学的な視点も取り入れてください。

 

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