着床前診断

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

病院での不妊治療において、流産を繰り返すような場合、「着床前診断」を提案されることがあります。

着床前診断は、体外受精で得られた胚盤胞から胎盤になる細胞の一部(5〜10個の細胞)を調べることで細胞の遺伝子や染色体に問題がないか調べ、問題ないと判断されれば、その胚を移植に用いることができます。

 

着床前診断には以下の3つに分けられます。

 

染色体の「数」を調べるPGT-A

余分な染色体、欠落した染色体がないかどうかを調べます。着床して妊娠する可能性が高い胚を選択することが目的です。

 

染色体の「構造」を調べるPGT-SR

両親のいずれかに染色体の構造の異常(均衡型染色体構造異常)がある場合、不均衡な染色体構造が原因となる流産などを回避し、精神的・身体的負担を軽減することが目的です。

 

単一遺伝子の変異によりおこる「遺伝病」を調べるPGT-M

両親が重大な遺伝性疾患の保因者だったり、罹患者だったりする場合、重大な遺伝生疾患に罹患した子どもを出産するリスクを軽減することを目的とします。

 


着床前診断の歴史は、単一遺伝子疾患を対象としたPGT-Mが、2004年にデュシェンヌ型筋ジストロフィーにおいて用いられたのが始まりです

その後2006年に染色体の構造の異常を調べるPGT-SRが始まり、2015年からは染色体の数の異常を調べるPGT-Aが特別臨床研究として開始され、2019年からは実施できる施設が拡大されました。

 

これらはの検査は以下該当する場合です。(ただし、以下に該当しても検査の実施対象にならない方もいます)

・体外受精-胚移植の反復不成功:直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立しない

・習慣性流産:過去の妊娠で臨床的流産を2回以上反復し、流産時の情報が得られている(夫婦の染色体検査が必要)

・染色体構造異常:転座、逆位、重複などの生殖に影響する染色体構造異常がある

 

着床前診断は繰り返す流産の可能性を減らしたり、人工妊娠中絶を防いだり、遺伝的な重い病気が遺伝することを防ぐことができたりする検査ではありますが、100%の精度ではなく、着床前診断を受けるまでに時間がかかったり、直接細胞を採取するため胚へのダメージが心配だったり、もちろん追加で費用もかかります。

 

医療技術の進歩とともに、リスクを減らすことができるようになりましたが、検査にはメリット、デメリットがあるので説明をきちんと受けて、パートナーとも十分に相談しておくことが必要です。

 

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