こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
少しずつ、ほんの少しずつですが、ランダムスタート法で採卵される方が増えてきました。
採卵の経験がある方はご存知かと思いますが、通常一般的な排卵誘発法は月経の3日目より刺激を開始し、卵胞発育を補助しながら、ある程度の大きさ(18mm〜)になったところでトリガーを行い成熟させ、排卵直前に採卵します。
この方法は月経周期1回につき、1度の採卵でになります。卵胞期初期からの刺激ができなければ次周期からになります。
近年、卵巣予備能が低下している方への卵巣刺激に「ランダムスタート法」が行われることが少しずつ増えてきました。
「ランダムスタート法」は月経周期のどの時期からでも卵巣刺激を可能とする方法です。
卵胞期後期や黄体期からでも卵巣刺激が可能となるため、時間的に余裕がなくできる限り早く採卵につなげたい場合に良い方法です。
従来法と比較しても同等数の成熟卵や胚盤胞を得ることができると言われています。
なぜこのようなことが可能になるのでしょうか。
卵子は生まれた時点ですでに備わっており、月経開始まで休眠状態にあります。月経が始まると、その後半年後の排卵向けて月に約1,000個ずつ成長が始まります。
ある程度大きくなり、月経時に見えるようになる4〜6mmの小さな卵胞のうち、1つが最終的にその周期に排卵されます。
このようなリズムに合わせて通常は卵巣刺激を行い成熟させ、採卵するわけですが、実は月経と月経の間には何度か卵胞発育のリズムがあることがわかってきました。
つまり、いつの時点でも育つはずの卵胞は絶えず補充(リクルート)されていて、通常はたまたま最終的な発育段階(排卵)のリズムに合ったものだけが成長するというだけで、たとえそれが排卵後の黄体期で合っても適切な刺激を行えば卵胞は成長し、採卵が可能なるのです。
黄体期に卵胞が成長し、採卵ができると言われても今までの知識だけで考えると???となりますが、「ランダムスタート法」はこのような考えのもとに行われる刺激法です。
現在まで報告されているランダムスタート法のデータからも、卵胞の発育に多少時間がかかるものの、従来の方法で得られた卵と比べ、採卵数や成熟卵の数、凍結数、受精率には差がありません。
また、「ランダムスタート法」を応用させた方法で、通常の卵胞期初期からの刺激・採卵に加え、黄体期からの刺激・採卵を行う方法(DuoStim法)もあり、1周期に2回採卵が可能となるため、特に卵巣予備能力が低下している方への卵巣刺激法として行われることが多いようです。
ランダムスタート法やDuoStim法で採卵される方の中には、体への負担を心配され、漢方の併用を希望し相談に来られる方もおります。
漢方単独での妊活のサポートも行なっていますが、病院での様々な刺激法に合わせて、効果が出るようにまた、刺激による体の負担を軽減する処方を提案しています。
従来とは異なる新しい方法での刺激法においては、漢方商品の組み合わせだけでは不十分なことも多いので、煎じ処方で細かく効果が最大限になるように工夫した処方がおすすめです。
妊活では、病院での不妊治療と合わせて漢方を使われる方が多いのですが、病院は病院、漢方は漢方という併用の方法より、病院での治療をサポートをしつつ、体調管理を考えた処方が効果的です。
病院での治療も進歩していますが、漢方治療もそれ合わせて進歩しています。
西洋医学と中医学をいかに融合させるかが妊活では重要です。病院での治療に漢方の併用を希望される方はご相談ください。
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