こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
近年「健康経営」に注目が集まっています。
現代は長時間労働の常態化やうつなどのメンタルヘルスの問題の増加など、健康で働くという当たり前のことが実現しにくい世の中になっています。その現状を改善しようと推進されているのが「健康経営」です。
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
健康経営は経営的な課題であり、計略・計画的な経営手法ですが、働く方も、パフォーマンスを高めるために理解しておくべき必要な概念です。
健康経営を理解するために知っておくべき概念に
「プレゼンティーイズム」と「アブセンティーイズム」
があります。
「プレゼンティーイズム」は日本語では「疾病就業」と訳されます。
これは、心身に不調があるにも関わらずに出勤して本来発揮されるべきパフォーマンスが発揮されない状態のことを言います。
「アブセンティーイズム」は「病欠、病気休業の状態」のことを言います。
これまで企業の労務管理では「アブセンティーイズム」による生産性の低下が問題視されていましたが、近年ではつらくても無理をすれば出勤できるような疾病が原因で生じる「プレゼンティーイズム」の方が経済的損失が大きいことがわかってきています。
今までは病気により休むのは目につきやすいのでこちらの方が問題視されがちでしたが、実はそうではありません。
例えば、風邪をひいて無理に働けば他のスタッフにうつしてしまう可能性があり、結果として全体のパフォーマンスを低下させてしまいかねません。無理をして症状が悪化すれば症状を回復させるために時間もかかり、結果として損失は大きくなります。
花粉症で目のかゆみ、鼻水・鼻づまりなどがあれば、集中力も欠きますし、その様な状態では仕事をいつもと同じクオリティーで遂行することは困難になります。
また「プレゼンティーイズム」はコンプライアンスリスクも高まります。小さなミスが大きな事故の火種にもなります。
経済産業省の調査でも「アブゼンティーイズム」より「プレゼンティーイズム」の方が経済的損失は大きいという試算がされています。
企業の「健康経営」ガイドブック ~連携・協働による健康づくりのススメ~ (改訂第1版) 経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課
日本の「つらいけど出勤」の無言の圧力や習慣があることはみなさんもよくご存知かと思います。
またこれまでの日本では「休まないこと」が美徳とされ、多少の体調不良では休まずに働くことは珍しくないため「プレゼンティーイズム」が日頃から頻繁に発生していました。
昨年1年は「体調が悪ければ休む」ことが推奨されましたが、これからも体調不良が起こす損失の方が大きいことを理解し、この状況が落ち着いても戻ってしまわないように、働き方を考えていく必要があります。
「プレゼンティーイズム」が蔓延していた日本では改善に困難が伴うと思います。「働き方改革」が叫ばれてしばらくたちますが、なかなか進んでいなかったり、表面的な対応だけだったり、しぶしぶ進めているような状況もありましたが、「新しい日常」では「体調管理に努めること」と「体調不良時には休む」ことが根付いて欲しいと思います。
また、健康を維持するための方法も身につけることも同時に重要です。そのためには中医学の「未病」の考えはとても役に立ちます。
「未病」とは中医学独特の考えで、体の中に病気に向かう変化があるものの、まだ病気には至っていない状態を指します。中医学では病気になる前には「未病」の段階を必ず経由すると考え、この段階で体の異常に気付き、方向を修正することができます。
健康で働き続けるために、健康を守っていくための1つの方法として中医学の考え方はとても有用ですのぜひ取り入れてみてください。
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