こんにちは、相模原 タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
不妊の原因とされる要因はいくつもありますが、時々見過ごされるものの1つとして「抗精子抗体」があります。
抗精子抗体とは
抗精子抗体は、精子の通過障害や精子運動の抑制、精子受精能力の低下や精子侵入の阻止、胚の分割過程を阻害し、妊娠を妨げることがあります。
検査では、精子不動化試験(SIT)を行い、陽性の場合は精子不動化値(SIV)を調べます。SIV値は精子に女性の血清を加えて精子の運動性の変化と程度を調べるものです。
精子不動化値(SIV)とは
精子不動化値(SIV)は、「陰性の精子の運動率/検査した精子の運動率」のことで
1.40以下 (−)
1.41~1.99 判定保留
2.00~20.00 (+)
20.01以上 (++)
となり2.0 以上を陽性とします。
(+)や(++)など、その強さを見る検査にも見えますが、実際のところは陽性か陰性かを調べるもので、抗体の程度を調べるためには別に抗体価を定量する必要があります。
抗体価の定量には「50 % 精子不動化値(IS50値)」を調べます。
精子不動化値(IS50値)とは
この SI50 値は抗体の程度を調べるもので、個人差や変動はありますが精子不動化抗体の程度と密接に関係しているため、治療方針決定の上で重要な検査になります。
精子抗体陽性の場合の治療の目安としては
IS50値が 10 以上の場合 → 顕微授精(体外受精も可能な場合あり)
IS50値が 10 未満の場合 → 人工授精(時間をおいて2回人工授精を行うなどの工夫も必要)
とされることが多いようです。
タイミング法、人工授精がうまくいかないときは
抗精子抗体が不妊の原因になる割合は教科書的には約3%程度と多くはありませんが、多くはないからこそ気づくのに時間がかかることもしばしばです。タイミング法、人工授精でまでのステップで妊娠を希望していて、何度かチャレンジをしてもうまくいかない場合は担当医と相談して検査をしてみるとよいと思います。
また、ステップアップしても、抗精子抗体が陽性の場合、体外受精と顕微受精で比べると、胚盤胞への到達率や妊娠率に差があるとの報告もありますので、タイミング法、人工授精でうまくいかなくてステップアップした場合でも調べておくと良いかもしれません。
特に問題がなく、原因不明の不妊の場合は漢方・鍼灸などが力になれるケースがありますのでその際はご相談ください。
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