PCOSから「PMOS」へ。
全身の代謝を整える漢方・鍼灸アプローチ
病院での治療を続けているけれど、体の状態が上向かない。
PCOS(PMOS)は単なる卵巣の問題ではなく、全身の代謝と内分泌の不調です。
相模原市のTanaCoCoが西洋医学の限界を補い、あなたの身体が持つ本来の力を引き出します。
最終更新:2026年5月18日
PCOS(PMOS)について
PCOS(PMOS)とは
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)は、生殖年齢の女性の約10〜13%に見られる、代謝・内分泌系に関わる全身性の疾患です WHO↗。 月経不順や無排卵、それに伴う不妊の主な原因となるほか、インスリン抵抗性・糖代謝異常・脂質異常症・高血圧などの代謝リスクとも深く関わっています。 ICD-10コードは E28.2(多嚢胞性卵巣症候群)です。
かつては「卵巣に多数の嚢胞(のうほう)が見られる」という視覚的な所見から命名されましたが、近年の医学的知見により、本疾患の本質は卵巣局所の問題ではなく、全身の内分泌・代謝の複合的な異常であることが明らかになっています。相模原市でPCOSに悩む方から漢方・鍼灸相談のご依頼を多くいただいています。
病名変更の背景と意義 2026年5月 最新
2026年5月12日、国際的な医学誌『The Lancet』において、14年以上にわたる国際的なコンセンサスプロセスの末、PCOSは「PMOS(多内分泌代謝性卵巣症候群:Polyendocrine Metabolic Ovarian Syndrome)」へと正式に改称されることが発表されました The Lancet↗。 56の学術・臨床・患者団体が参加し、1万4,000人以上の患者・医療者へのサーベイに基づく、医学史上最も大規模な疾患改名プロセスとされています。
改称の主な理由は以下の通りです。
- 旧名称「多嚢胞性(polycystic)」は超音波で確認できる小嚢胞状所見を指すが、これは病理的な嚢胞ではなく成長の止まった未熟な卵胞(前胞状卵胞)であり、名称が実態を誤って伝えていた
- 疾患の本質である代謝異常(インスリン抵抗性)と多内分泌異常(男性ホルモン過剰など)が名称に反映されていなかった
- 旧名称が誤診・診断遅延・スティグマの一因となっていた
移行期間は3年間が予定されており、2028年の国際ガイドライン更新で正式に統合される計画です。現在は「PCOS」「PMOS」の両表記が混在しています。
発症のメカニズムと主な症状
1)発症のメカニズム
PMOSの根底にはインスリン抵抗性(糖代謝の異常)が深く関与しています 参考文献↗。 細胞がインスリンに反応しにくくなると、膵臓が過剰なインスリンを分泌し続けます。この高インスリン状態が卵巣を過剰に刺激し、男性ホルモン(アンドロゲン)が多く産生されます。その結果、卵胞の成長が途中で止まり、排卵がスムーズに行われない状態が続きます。
重要なのは、インスリン抵抗性は肥満でない女性にも広く見られることです。「体重が標準だから関係ない」とは言い切れない疾患です。 不妊との関係については不妊症についてのページもあわせてご覧ください。
2)主な症状
- 月経周期の乱れ(稀発月経、無月経)
- 不正出血
- 多毛・ニキビ(アンドロゲン過剰による)
- 肥満傾向・体重増加
- 妊娠しにくさ
- 長期的リスク:2型糖尿病・脂質異常症・高血圧・心血管疾患・子宮内膜がん
診断基準(2023年国際ガイドライン)
2023年に更新された国際根拠に基づくPCOS診断ガイドライン Monash大学PCOS国際ガイドライン↗ では、成人の診断に以下の3項目のうち2項目以上の存在が必要とされています。
- 臨床的または生化学的な高アンドロゲン血症(多毛・ニキビ、または血中男性ホルモン高値)
- 排卵機能障害(月経不順・無月経)
- 超音波による多嚢胞性卵巣形態(PCOM)、または血液検査によるAMH高値
2023年ガイドラインでは、AMH血液検査が経腟超音波検査の代替手段(alternative)として新たに追加されました。超音波検査が廃止・不要になったわけではなく、患者の状況や施設の環境に応じてどちらを選択してもよいとされています。
なお、AMH・超音波のいずれも、月経不順と高アンドロゲン症の両方がそろっている場合は診断に不要です。また思春期女性には適用されません(正常発育との区別が困難なため)。
西洋医学の標準治療と課題
クリニック(西洋医学)での治療は、患者様の目的に応じて主に以下の通りです。
妊娠を希望しない場合
- 低用量ピル等によるホルモン補充
- 人工的な月経周期の形成
- 男性ホルモン症状の緩和
妊娠を希望する場合
- クロミフェン・レトロゾールなど排卵誘発剤の使用
- 排卵を促す治療
- インスリン抵抗性改善薬(メトホルミン等)の併用
これらいずれも確立された重要な治療法です。一方でピルは対症療法であり、中止後に症状が再燃するケースも少なくありません。排卵誘発剤は有効ですが、クロミフェンでは子宮内膜への影響(菲薄化)が懸念されることが知られており 参考文献↗、 治療が長期化するにつれて手詰まり感が生じることもあります。
共通して言えるのは、「症状を抑制・補正する」アプローチが中心であり、ベースにある代謝・体質の異常そのものへの介入が難しい点です。 不妊治療の保険適用については不妊治療の保険適用ガイドもご覧ください。
中医学の視点
中医学では、PMOS(PCOS)を卵巣局所の病態ではなく、全身の「気(エネルギー)」「血(血液)」「水(体液)」のバランス崩壊として捉えます Medicine↗。 以下の3つの概念が病態と強く対応しています。
生殖機能を司る「腎」のエネルギー不足。排卵する力が根本から低下した状態で、ホルモン分泌の基礎的な力と対応する。
血の巡りが滞っている状態。骨盤内の血流悪化により、卵巣に十分な酸素・栄養が届かなくなる。冷えや月経痛とも深く関わる。
水分代謝の滞りで老廃物が蓄積した状態。現代医学のインスリン抵抗性・肥満傾向・脂質代謝異常と強く対応する。
PMOSの方の多くは、この3つが複雑に絡み合っています。中医学のアプローチでは、これらを個別・複合的に評価した上でその人固有の「体質の崩れ」を特定し、漢方薬と鍼灸で系統立てて改善を図ります。 体質タイプと漢方の基本的な考え方は妊活漢方についてもあわせてご覧ください。
漢方・鍼灸によるサポート
漢方薬は「腎虚・瘀血・痰湿」という体質の根本に直接介入します。個々の体質・証(しょう)に合わせて処方を組み合わせることで、卵巣が正しく機能するための身体環境を整えていきます。
代表的な処方例として、骨盤内の滞った血流を改善する桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、過剰な筋緊張を緩和する芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)、血虚と血流の滞りを同時に改善する当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などがPMOSの関連症状に対して用いられます 参考文献↗。 ただし漢方薬の処方は「証」に基づくオーダーメイドであるため、必ず専門家へご相談ください。
鍼灸施術は自律神経の調整と全身の血流改善を通じて、生殖器系への血液供給を物理的に高めることが得意です 参考文献↗。 下半身・骨盤周囲の冷えを取り除き、滞った代謝サイクルを再び動かすための強力な手段となります。
また骨盤の歪みを整えることで内臓の位置関係を改善し、卵巣・子宮への循環環境を高めることも重要なアプローチです。相模原市でPCOS・PMOSに対する鍼灸治療をお探しの方はタナココへご相談ください。
タナココでは、西洋医学での治療内容を正確に把握した上で、中医学の視点から「なぜ排卵が滞っているのか」を論理的に分析し、漢方薬と鍼灸施術の組み合わせにより治療効果を最大限に引き出す土台を作ります。病院治療との同時並行(+αサポート)として、多くの方にご利用いただいています。
