インフルエンザ予防に牛乳!?(だだし初乳に限る)

目次

🐮 ワクチンの代わりになる!?──「初乳」に注目

インフルエンザ予防といえば、うがい、手洗い、そして「ワクチン」です。

一方で今回のインフルエンザみたいに「変異株」が流行すると、「打ったのに効果がなかった」と感じられる場面も少なくありません。

今回紹介する研究は「コロストラム」という、少し意外な素材に注目した研究です。「コロストラム」とは生まれてすぐの哺乳類が最初に口にする、免疫成分を多く含む「初乳」のことを言います。

今回の研究では、健康な人と心臓病などを抱える高リスクの人を対象に、牛の初乳を一定期間飲むことで、冬の季節、インフルエンザの感染へにどんな変化が起きるのかを調べています。

さらに興味深いのは、結果を単なる「予防効果」で終わらせず、「体の防御力をどう支えるか」という視点で読み取れる点です。

中医学でいう「外からの邪気に負けにくい体づくり」という考え方とも、静かに重なります。

どんな研究、結果だったのか──続きをみていきましょう。


🧪 どんな研究?

研究は二つの対象集団(Part 1/Part 2)で検討されました。一つ目は、日常生活を送る健康な大人144人を対象に、冬の3か月間を追った検討です。

参加者は、①無予防、②ワクチンのみ、③初乳のみ、④ワクチン+初乳の4群に分けられました。

ここで使われた初乳は、脱脂したウシ初乳を凍結乾燥したチュアブル錠で、1日1錠(400mg)を8週間、朝に噛んで摂取しています。成分量を一定にした製剤として用いられています。

このパートでは、インフルエンザにかかった回数だけでなく、体調不良が続いた日数、仕事を休んだ日数、そこから生じた費用まで含めて評価されています。

二つ目は、末期冠動脈疾患や肺高血圧などを抱える高リスク心血管患者65人を対象とした検討です。

このパートでは安全面の配慮から無予防群は設けられず、①初乳、②初乳+ワクチン、③ワクチンのみの3群で比較しています。

評価の中心は、インフルエンザに伴う重い心肺合併症、入院、死亡で、本文ではそれに伴うコスト面にも言及しています。


📊 どんな結果?──冬の3か月で起きていたこと

健康な大人を対象にしたパートでまず注目されるのは、「インフルエンザにかかった回数」と「体調不良の日数」の違いです。

インフルエンザにかかった件数は

 初乳のみ:13回
 ワクチン+初乳:14回
 ワクチンのみ:57回
 無予防:41回

でした。

「体調不良の日数」で見ると、「初乳のみ」のグループでは、「無予防」のおよそ4分の1、「ワクチンのみ」と比べても3分の1程度にとどまっていました。

また、もう一つの指標として「仕事を休んだことによる経済的損失」があります。ここでも、「初乳のみ」のグループでは、「ワクチンのみ」「無予防」より明らかに低い水準でした。

全体として、「初乳のみ」と、「初乳+ワクチン」では結果はほぼ同程度であり、この研究条件下では、初乳を取り入れたグループでインフルエンザ関連の影響が小さく抑えられていたことが示されています。

ここまでは健康な大人での結果です。

もう一つのパートは、心臓や肺に重い持病を抱える人たちでの結果です。。このパートでは「インフルエンザにかかった」ことよりも、どれだけ重症化したかを指標としてします。

3つのグループのうち、「初乳のみ」では、研究期間中に重い気管支・肺の合併症を伴うインフルエンザは3例でした。「初乳+ワクチン」も同じく3例です。一方、「ワクチンのみ」では6例と増えていました。

さらに「ワクチンのみ」では1名の死亡例が報告されています。初乳を使った2つのグループでは、死亡は記録されていません。

入院についても差があり、「ワクチンのみ」では入院件数が最も多い結果となっていました。

このパートでは入院や命に関わる事態をどれだけ防げたかが重要になりますが、その観点で見ると、「初乳」を取り入れたグループで重症化が少なかったことは、臨床的に注目すべきポイントです。

一方で「統計的にも有意」ではありますが、同時に、対象人数が限られているので慎重に解釈する必要があります。


⚠️ この研究の強みと、気をつけたい点

この研究の良さは、「現実の生活に近い指標」を使っている点です。単に感染したかどうかだけでなく、体調不良が続いた日数、仕事への影響、入院や重症化まで追っています。これは、予防策の実用性を考えるうえで重要です。

一方で、いくつか注意点もあります。

まず、この研究はランダム化二重盲検試験ではなく、「登録研究(レジストリー研究)です。参加者も研究者も、どの予防法を使っているかを把握しています。そのため、結果の解釈には一定の慎重さが必要です。

また、対象人数は決して大規模ではなく、特に高リスク患者パートでは65人と限られています。統計的に有意な差は出ていますが、「決定的な結論」とするには、さらなる大規模研究が必要です。

さらに重要なのは、使われた初乳が成分と用量が管理された特定の製剤(400mg/日、8週間)である点です。この結果を、そのまま市販の初乳製品や食品全般に当てはめることはできません。

つまりこの研究は、「初乳が万能である」ことを示したものではなく、「条件をそろえた初乳製剤を使った場合に、こうした結果が観察された」という位置づけになる点に気をつける必要があります。


🌱 中医学の視点──「内側」を整えるという視点

中医学では、インフルエンザのような感染症は、外から入ってくる「邪」と、それに対抗する体の力とのせめぎ合いとして捉えます。

このとき前線で働くのが、体表や粘膜を守る「衛気(えき)」です。

この「衛気」は、しっかり栄養を受け取れる体でないと十分に作られません。中医学では、その土台を支えるのが「脾(ひ)」、つまり消化吸収の働きだと考えます。

今回使われた初乳は、栄養や免疫成分がギュッと詰まった食材です。

中医学的な視点で捉えるなら、消化吸収の土台を支えることで、「衛気」がしっかり作られ、働くことができた状態と捉えることができます。

研究で見られた「体調不良の日数が短い」「重症化が少ない」という結果は、体の内側が整い、外邪から身を守ることができていたからとも考えられます。


📝 内側を整える

この研究では、初乳を取り入れたグループで、体調不良の期間や重症化が少ない傾向が示されました。

ただし、これは初乳がワクチンの代わりになることを示した研究ではありません。感染状況や体の状態によっては、ワクチンが必要になる場面があることは、当然の前提としてあります。

また、この研究は登録研究であり、対象人数にも限りがあります。著者ら自身も、ランダム化を含む、より大規模な研究が必要であると述べています。現時点では、確定的な結論ではなく、ひとつの傾向を示したデータです。

その上で、この研究が示しているのは、予防を考えるときの視点です。

外から守る手段だけに目を向けるのではなく、体の内側をどう整えるかという視点も大切です。

体調を崩しにくい状態をつくること、崩れても長引かせないこと──「内側」を整えることに目を向ける姿勢の大切さを、この研究は伝えているのだと思います。

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