ツボ、押していますか?
ツボ押し、侮ることなかれ。単に気持ちよくなるというだけでなく、ある病気の後遺症に悩む方々に効果的だという研究報告をご紹介したいと思います。ミシガン大学からの報告です。
セルフ指圧の効果
その報告によると、乳がん治療後の後遺症では、疲労や抑うつ、不安、痛みなどが、治療を受けていない人に比べて多いと言われており、その改善に「セルフ指圧」が有効かもしれないということです。
この研究では「セルフ指圧」の効果を調べるために患者さんを
・穏やかな指圧のグループ
・刺激が強い指圧のグループ
・通常の標準的なケアをしたグループ
に分け、抑うつ感や痛みの強さ、またそのことによる影響、不安感の変化について比較しました。
指圧はツボを3分間、円を書くような動作で行いました。
刺激も2種類(穏やかな指圧と刺激の強い指圧)に分け、刺激するツボも以下のように分けました。
緩やかな指圧を行なったツボは
・印堂(Yin tang)
・安眠(Anmian)
・神門(Heart 7)
・三陰交(Spleen 6)
・太衝(Liver 3)
刺激の強い指圧をおこなったツボは
・百会(Du 20)
・気海(Conception Vessel 6)
・合谷(Large Intestine 4)
・足三里(Stomach 36)
・三陰交(Spleen 6)
・太渓(Kidney 3)
で、左右があるツボはどちらも行いました。
三陰交はどちらにも入っていますが、なぜこの分け方にしたのかについての説明は見当たりませんでしたので不明です。
抑うつ、痛み、疼痛性障害、不安感の改善率
その結果、6週間後の改善率は
<症状> 穏やかな指圧 強目の指圧 標準的な治療
抑うつ 41.5% 25.0% 7.7%
痛み 28.9% 23.7% 変化なし
疼痛性障害 25.5% 23.2% 変化なし
不安感 16.5% 17.3% 変化なし
この結果を見るとセルフ指圧のグループが症状の改善に有効だったことがわかります。
特に抑うつの改善では「穏やかな」指圧の症状改善率が高くなっています。
セルフ指圧は、自分のタイミングで行うことができますし、何より「副作用」の心配がほぼありません。
色々な症状を改善できるため後遺症で悩んでいる方の助けになりうる方法の一つだと思います。
本格的に普及させるためには正しい指圧が行えるよう指導する指導者の育成も必要になってきますが、多くの方にツボを使ったセルフケアが症状改善に有効であることを知ってもらえたらうれしいです。
今回は指圧についての研究報告でしたが、ツボに対して穏やかのお灸というのもありかもしれませんね。
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