自然光と人工照明──体にどの様な影響を与えるか

目次

☀️ 太陽と体の関係

私たちは日中、多くの時間を室内で過ごしています。

そのため仕事中に浴びている光も、太陽ではなく人工照明が中心です。けれど人の体は、本来「昼は明るく、夜は暗い」という太陽の光に合わせて働く仕組みを持っています。

同じ生活リズム・同じ食事・同じ運動量という条件をそろえたうえで、「窓から入る自然光」と「一般的なオフィス照明」の違いが、体の中にどのような影響を及ぼすのかを調べた研究があります。

中医学の考え方では、日中の光は「陽」を支える大切な環境要因とされます。同時に、夜にきちんと「陰」へ移行できるかどうかも、体の調和に深く関わります。

さて、今回の研究は具体的にはどのような内容だったのでしょうか。

続きを見ていきましょう。


👥 どんな研究?

この研究に参加したのは、2型糖尿病のある13人です。

研究者が2型糖尿病の人を選んだ理由は、光環境が代謝に与える影響を、より捉えやすくするためです。

2型糖尿病では、血糖の調整やエネルギーの使い方、体内時計の働きに乱れが生じやすいことが知られていますそのため、生活環境の違いによる変化が表れやすいと考えられました。

研究では睡眠、食事、運動量をそろえたうえで、「自然光のある環境」と「人工照明のみの環境」を入れ替え、光の違いに注目できるよう設計されています


📊 何が起こった?

この研究では、光環境の違いが体に与える影響を、血糖の動きに注目して確認しています。

連続血糖測定を用いることで、血糖値の平均だけでなく、一日の中でどれくらい安定しているかまで追跡しました。

その結果、自然光の環境と人工照明の環境とで、一日全体の平均的な血糖値には大きな差はありませんでした。

しかし、「見方」を変えると違いが現れました。

自然光の環境では、血糖が「望ましい範囲」に収まっている時間が長く、
血糖が不安定になる時間が少なくなっていました。

さらに詳しく解析すると、自然光の環境では、血糖の一日の上下動そのものが小さくなる傾向も確認されています。

平均値だけを見れば同じでも、血糖の揺れ方には違いがあった──この点が、この研究でまず押さえておきたいポイントです。


🔥 体のエネルギーの使い方はどう変わる?

血糖の動きとあわせて調べられたのが、体が「糖」と「脂肪」のどちらを主に使っているかという点です。

その結果、自然光の環境では、人工照明の環境に比べて、脂肪をエネルギー源として使われる傾向が見られました。

これは、食後には糖を使い、時間がたつにつれて脂肪へ切り替わっていく、本来の「代謝」に近い状態と考えられます。

一方、人工照明の環境では、日中を通して、エネルギー源として糖が使われ続ける傾向が見られました。

体がエネルギーをどう使うかには、自然な代謝の流れがありますが、糖を使い続ける状態では、血糖が上がりやすく下がりにくくなり、結果として血糖の揺れが大きくなりがちです。

一方で、脂肪もきちんと使える状態では、エネルギー源が糖に偏らず、血糖は大きく上下しにくくなります。

光の違いは、血糖の数字だけでなく、体全体のエネルギーの選び方にも影響していたというのが、この研究の次の重要なポイントです。


🌙 夜の体内リズムにはどう変わる?

日中の光環境の違いは、夜の体の状態にも影響していました。

研究では、夜間に分泌されるメラトニンというホルモンを測定しています。

その結果、人工照明と自然光とで、分泌が始まるタイミングに大きな違いはありませんでしたが、メラトニンの量は、自然光の環境で多くなる傾向が見られました。

メラトニンは、体を「睡眠」に向かいやすい状態へ整えるホルモンです。

量がしっかり分泌されていることは、夜の体内リズムが保たれているひとつの目安になります。

この結果から、自然光の方が、「夜」の体を整えやすくすることが示されました。


💪 筋肉の中でも変化が起きていた?

この研究では、血糖やホルモンに加えて、筋肉の中にある体内時計にも目を向けています。

私たちの体では、筋肉などの組織ごとに、時間帯に応じて働きを調整する仕組みがあります。

研究では、筋肉の一部を調べ、体内時計に関わる遺伝子の反応を確認しました。

その結果、自然光の環境を過ごした後の筋肉では、人工照明の環境とは異なるリズムが見られました。

これは、血糖が安定していたことや、脂肪が使われやすくなっていたことと同じく、体が本来もつ「代謝」の形に調整されていたと考えられます。


🧪 血液の中でも変化が起きていた?

この研究では、血糖やエネルギーの使い方に加えて、血液中の成分の変化も調べられています。

自然光の環境では、代謝に関わる成分のバランスが、人工照明の環境とは異なっていました。

具体的には、脂肪の利用に関わる胆汁酸や一部のアミノ酸が増え、一方で、代謝の負担と関連するセラミドなどの脂質は少なくなっていました。

これらの変化は、血糖が安定し、脂肪が使われやすくなっていた結果と考えられます。つまり糖だけに頼らず、脂肪も状況に応じて使える代謝の状態になっていたということです。

血液の中でも、日中の光環境の違いが「代謝」に影響していたことがわかります。


🧠 つまりどういうこと?

この研究が示しているのは、、日中にどんな光の中で過ごすかが、体の代謝や体内リズムに影響しうることを示しています。

研究での対象は2型糖尿病のある人に限られ、人数も多くはありません。そのため、今回の結果をそのまま私たちの生活に当てはめることはできません。

それでも、生活リズムや食事、運動量をそろえたうえで、どのような「光」の中で過ごすかを変えて調べたことはこの研究の大きな特徴です。

血糖の安定、脂肪の使われ方、夜の体内リズム、血液中の成分といった
複数の変化が同じ方向に現れていたことは注目すべき点だと言えます。

この結果は、日中の光環境を少し意識するだけでも、体が整いやすい方向へ近づく可能性があることを示しています。


🌱 中医学の視点では?

中医学では、日中は「陽」が働き、夜に向かって「陰」へと移る、この切り替えが大切だと考えます。

日中にしっかり光を浴びることは、「陽」を支え、体を活動しやすい状態に整える要素のひとつです。その結果、夜には無理なく「陰」へ移り、休息に入りやすくなります。

今回の研究で見られた、血糖の安定や脂肪の利用、夜の体内リズムが整いやすかったという変化は、中医学的に見ると、日中の「陽」がきちんと立ち上がり、夜へ移りやすい状態に近づいていたと捉えることができます。

環境が体のバランスに関わるという、中医学の考え方とも重なります。


💡 日常生活へのヒント

この研究では、日中の光環境の違いが、血糖の安定やエネルギーの使われ方、さらには夜の体内リズムにまで影響していたことが示されました。

体は、私たちが思っている以上に、光を大切な情報として受け取っているようです。

だからといって、特別なことをする必要はなく、朝から昼にかけて窓の近くで過ごす時間を少し増やす、短い時間でも外の自然光に触れる──それだけで、体のリズムは整いやすくなります。

日中の光環境を、ほんの少し意識する──その小さな積み重ねが、体を整える一歩になります。

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