🛌 認知症介護の日々で、心と体はどう影響を受けるのか
認知症の家族を支える毎日は、想像以上に長く、静かに負担が積み重なっていきます。気力が落ち、集中しづらくなり、それが介護による影響だと整理できないまま過ごしている人も少なくありません。こうした変化は「気の持ちよう」では片づけられず、医学的にも心身への影響が確認されています。
そうした介護者の日常に「1日12分」の「瞑想」が、心の状態や頭の働き、さらに体の内側にまでどのような影響を及ぼすのかを調べた研究があります。
中医学の視点で見ると、長期の精神的負担は「気」や「神(しん)」の消耗として捉えられ、思考力や感情の安定に影響すると考えられてきました。本研究のテーマは、そうした古くからの身体観とも静かに重なり合う部分を含んでいます。
この研究がどのような人を対象に、どのような方法で行われたのか、そしてどのような結果になったのでしょうか──続きを見ていきましょう。
🧪 どんな研究?
この研究は、認知症の家族を介護している人のうち、強い抑うつ状態ではないものの、気分の落ち込みが続いている介護者を対象に行われました。年齢はおよそ60歳前後で、日常生活を続けながら無理なく参加できる設計になっています。
参加者は二つのグループに分けられました。一方は、「毎日12分の瞑想」を8週間続けるグループ。もう一方は、同じ時間、静かな音楽を聴いて過ごすグループです。どちらも「休む時間」は同じで、内容だけが異なります。
変化の確認には、主観的な感覚だけでなく、気分の落ち込み、心の健康状態、考える力の働きといった指標が用いられました。加えて、血液中の免疫細胞を使い、「テロメラーゼ活性」という体の内側の指標も測定されています。これは、長期的なストレスとの関連が指摘されているものです。
📈 どんな変化?
8週間後、瞑想を行った人たちでは、気分の落ち込みがはっきり改善した人が多く見られました。評価上「半分以上よくなった」と判断された人は、瞑想のグループで約3人に2人。音楽を聴いたグループでは約3人に1人でした。
心の健康状態全体を見ても、「瞑想」を行ったグループのほうが改善が目立ちました。気分だけでなく、気力や精神的な余裕を含めた評価で差が出ています。
また、考える力にも変化がありました。全体的な認知機能や、段取りを考える力に関わる検査で、「瞑想」のグループは改善方向を示しました。
体の内側の指標でも違いが確認されています。
「テロメラーゼ活性」は、「瞑想」を行ったグループで約4割増加しました。音楽を聴いたグループでは、変化はごくわずかでした。
🤔 研究をどう受け止める?
今回の研究で用いられたのは「1日12分の瞑想」でした。
短時間の実践で、気分や考える力、体の内側の指標といった複数の側面に変化が見られました。特別な準備や大きな生活の変更を必要とせず、日常の中で続けやすい方法です。
今後のさらなる検証は必要ですが、「負担を増やさずに取り入れられる選択肢」が示された意義は大きいものです。
また、体の指標として測定された「テロメラーゼ活性」にも変化が見られました。これは強いストレス状態から負担が軽減されたサインとして捉えることができます。
この研究は、瞑想という実践が、心と体の両方を整える可能性を示した研究と言えます。
🌱 中医学の視点から見ると
中医学では、長く続く精神的な負担は「気」や「神(しん)」を消耗させ、思考力や感情の安定に影響すると考えます。
「瞑想」は、中医学的には、乱れた「気」の流れを落ち着かせ、「神」を安定させるのに役立ちます。
心の変化と体の指標が同時に動いた点は、「心と体は切り離せない」という中医学の基本的な考え方とも重なります。
💡 心身の負担への向き合い方のヒント
この研究は、認知症介護という負担の大きい日常の中で、ごく短い時間の実践でも心身に目を向ける余地があることを示しました。大きな準備や生活の変更を必要としない点は、続けるうえで現実的な強みです。
結果は予備的なもので、今後の検証は欠かせません。それでも、介護の負担を抱えながらでも無理なく試せる選択肢が一つ示されたことは、今後の支え方やセルフケアを考えるうえで意味を持ちます。
この研究は、瞑想という実践が、心と体の両方を整える可能性を示した研究と言えます。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ご覧いただきありがとうございます
「なんか生きづらいな」
「なんか体の調子が良くないな」
と感じている方へ
漢方と鍼灸、心理学的アプローチを合わせた心身のケアで
日々の生活に彩りを添えるお手伝いをいたします
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
漢方薬局・鍼灸接骨院
&
吸い玉(カッピング)
足ツボ(リフレクソロジー)
ヘッドスパ・美容鍼
よもぎ蒸しサロン
《タナココ》
