😴 眠れていない夜の、その先にあるもの
睡眠が足りない翌日、集中しにくかったり、判断が鈍ったりする感覚は、多くの人に心当たりがあると思います。そんな日は「今日は少し調子が悪い」で済ませがちですが、その背後では、単なる睡眠不足では説明しきれない変化が起きています。
近年の心理学・行動科学では、睡眠不足が疲労感だけでなく、「自分の行動を抑え、調整する力」にも影響することが示されてきました。とくに注目されているのは、睡眠不足の状態で判断に向かったとき、人がどのような選択に傾きやすくなるのか、という点です。
中医学では、睡眠は「神(しん)」を養い、思考や判断を安定させる土台と考えられています。眠りが乱れると、心のまとまりが保ちにくくなるという捉え方です。現代の研究が向き合っている問題意識は、こうした伝統的な考え方とも自然につながります。
この研究が注目したのは、睡眠不足そのものではなく、その影響がどのような条件で強まり、また弱まるのかという点です。ここから、私たちの日常の判断に関わるヒントが見えてきます。
では、続きを見ていきましょう 💤
🧐 どんな研究?
この研究のテーマは、とてもシンプルです。
睡眠不足のとき、人は判断を誤りやすくなるのか。そして、それを防ぐ方法はあるのか、という点です。
これまでの研究では、睡眠不足になると、自分の行動を抑える力が弱くなると考えられてきました。衝動を抑えたり、いったん立ち止まって考えたりする余裕が減る、という理解です。
今回の研究が一歩踏み込んだのは、自己制御を単に「できるか・できないか」で捉えなかった点にあります。研究者たちは、自己制御を
「自分を抑えようとする意識」と、「判断を急がず、立ち止まって考える行動」
の二つに分けて考えました。
つまりこの研究は、睡眠不足が人をどう変えるのかを見るだけでなく、判断に入る前の意識や行動が、結果にどう影響するのかを調べています。
😵 睡眠不足のとき、何が起きていたのか
研究では、睡眠不足の状態になると「余裕がない」「頑張れない」と感じやすくなることが確認されました。自分をうまくコントロールできている感覚が、弱まりやすくなっていたのです。
ただし、睡眠不足だからといって、全員が同じ結果になったわけではありませんでした。似た条件でも、後から後悔するような行動につながる選択を避けていた人もいます。
差が出やすかったのは、判断を急いだかどうかでした。疲れていると、考える時間を十分に取らずに決めてしまいがちで、その結果、後から振り返ると「やってしまった」と感じやすい選択に近づいていました。
一方で、同じように睡眠不足でも、いったん立ち止まって考えてから判断した人では、後悔につながる選択は起こりにくくなっていました。
🤔 判断に影響していたのは何だったのか
研究で注目されたのは、何を選んだかそのものよりも、判断するときの「意識」や「行動」でした。
「意識」は「自分をコントロールしようとする意識」です。
睡眠不足でも、「ここは気をつけよう」「流されないようにしよう」と意識できている人は、その影響を受けにくい傾向がありました。
「行動」は「立ち止まって考える行動」です。
疲れているときほど判断を急ぎがちですが、少し時間を取り、情報を整理しながら考える行動を取った場合、望ましくない選択に進みにくくなっていました。
この研究が示しているのは、判断に入る前の「意識」や「行動」しだいで、睡眠不足の影響の大きさは変わるという点です。
😌 この研究は、何を新しく示したのか
この研究の新しさは、同じように睡眠不足で能力が落ちていても、「安易な選択」をするか「慎重な選択をするか」で、判断の結果に差が出ていた点に注目したところにあります。
睡眠不足で注意力や抑制力が下がること自体は、神経科学でもよく知られています。しかし本研究が示したのは、睡眠不足という条件が同じでも、判断の結果は一様ではなかったという事実です。
その差を分けていたのが、判断に向かうときの「意識」や「行動」でした。
問題になるのは、睡眠不足で判断能力が下がることだけではありません。能力が落ちている状態でも、どれだけ判断を急がずにいられたかが、結果に影響していました。
疲れているときほど、「早く終わらせたい」という気持ちが前に出やすくなります。本研究は、そうした状態が判断にどう影響するのかを、実験的に示した点に価値があります。
🌱 中医学の視点から見ると
中医学では、睡眠は「神(しん)」を養い、意識や判断を安定させる時間と考えられています。睡眠不足が続くと、「神」が不安定になり、落ち着いて考える余裕が失われやすくなります。
今回の研究で示されたように、判断の前に意識や行動を整えることで誤った判断をしにくくなったという結果は、結果として「神」が安定しやすい状態に近づいていたと理解することができます。
睡眠はもちろん重要ですが、十分に取れない状況でも、行動の取り方しだいで、判断力への影響をある程度抑えることは可能です。中医学的に見れば、それは「神」を一時的に落ち着かせる工夫とも言えます。
ただし、これはあくまでも一時的な対応です。長期にわたる睡眠不足は、判断以外の心身の働きにも影響が及びます。やはり基本として、睡眠不足を避けることが大切です。
📝 睡眠不足のとき、私たちにできること
この研究が教えてくれるのは、「睡眠不足」の時は判断を慎重にすること、もし睡眠不足で判断力が落ちている状況でも、判断に向かう前の意識や行動によって、結果には差が出るという点です。
もちろん、十分な睡眠を取ることが最も大切です。ただ、現実には思うように眠れない日もあります。そうしたときこそ、判断を急がず、いったん立ち止まることが意味を持ちます。
大切な決断があるときは睡眠不足にならないようのすることともし忙しくて睡眠不足が自覚できるときは「睡眠不足」と自覚して、そのうえでちゃんと考える時間を取ること。それだけでも、後悔につながる判断を減らせる可能性があります。
睡眠を整えることを基本にしつつ、眠れていないときは判断を急がない。
その意識を持つことが、この研究の一番のメッセージです。
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