🧀 ある食材を週一で食べると起こること
年齢を重ねていくと、物忘れや判断の遅れが気になり始めることがあります。
そうした変化に対しては日々の食事や暮らし方の積み重ねが大切になってきます。
今回紹介する研究は、日本で暮らす高齢者を長期間追いながら、身近な食品と脳の健康との関係を調べたものです。特別なサプリメントや極端な食事法ではなく、日常の食卓にあるものが対象になっています。
中医学では、脳の働きは単独で存在するものではなく、「腎」や「脾」といった全身のはたらきと結びついて捉えられます。中医学における「日々の食事を大切にする」という視点は、今回の研究の内容とも重なります。
さて、研究で注目した食材とはなんでしょうか。
続きを見ていきましょう 🧀
🧪 どんな研究?
この研究が対象にしたのは、特別な人ではなく日本各地で、自立して暮らしている高齢者です。
2019年時点の質問票を出発点に、その後およそ3年間、介護保険の認定記録を使って認知症の発症を追っています。自己申告ではなく、公的データを使っている点が特徴です。
注目した食材は「チーズ」。
量は問わず、週1回以上食べるかどうかだけで分類しています。日常感覚に近い、かなりシンプルな区分です。
比較にあたっては、年齢や性別だけでなく、学歴、収入の目安、健康状態、物忘れの自覚なども考慮されています。条件をできるだけ揃えたうえで、「食べる習慣」とその後の変化を見ています。
📊 違いはどれくらい?
この研究では、「チーズを週1回以上食べる人」と「ほとんど食べない人」を、約3年間追っています。
その結果、認知症と新たに認定された割合は、チーズを食べる習慣がある人のほうが、少ない傾向が示されました。
この違いは、3年間で見ると、100人あたり約1人分の差が見られた、ということになります。
こう見ると少ないように感じるかもしれませんが、一人ひとりの変化は小さくても、生活習慣の積み重ねとして見ると、意味のある数字です。
年齢や性別、学歴、収入の目安、健康状態などをそろえて比べても、この傾向は変わりませんでした。日常の食習慣が、将来の状態と無関係ではないことがうかがえます。
普段の選択が、長い時間をかけて将来の状態につながる可能性を示すものでした。
🩺 続けることに意味がある
この研究は、「これを食べれば安心」という結論を出すものではありません。一方で、日々の食事が将来の状態と関わっている可能性を示しています。
高齢期では、食事量や内容が偏りやすくなります。その中で、たんぱく質や脂質を含む食品を、無理のない頻度で安定して摂っているかどうかは、全身の調子を支える要素になります。
注目したいのは、「週1回以上」という習慣でも、差が見られた点です。がむしゃらな努力を重ねなくても、続けられる範囲で食生活を整えていくことに意味があります。
🌱 中医学の視点
中医学では、脳は「髄の海」とされ、その土台には「腎」のはたらきがあると考えられています。また、食事から得た栄養を全身に巡らせる役割を担うのが「脾」です。
年齢を重ねると、腎や脾のはたらきは少しずつ弱まりやすくなります。その結果、記憶や集中に影響が出やすくなる、という捉え方をします。
だからこそ中医学では、特別な方法よりも、毎日の食事を安定させることを大切にします。食べ過ぎず、欠かしすぎず、無理なく続けること。それが、気血や精を支える基本になります。
今回の研究で示された、日常の食事が将来と無関係ではないという点は、中医学の養生の考え方と重なる結果でした。
🍽️ 今日の食事を大切に
この研究の背景には次のような問題意識がありました。
・認知症は増えているが、予防の決定打はない
・生活習慣、とくに食事は修正しやすい要素
・日本では、乳製品、特にチーズの摂取量が欧米より少ない
そこで研究者たちは、日本の高齢者にとって、比較的なじみはあるが、必ずしも多くは食べられていない食品であるチーズに注目し、「食べている人と食べていない人で違いがあるのか」見てみよう、と言うことになったのがこの研究の背景です。
その結果、チーズを食べる習慣と、認知症の発症との間には一定の関連が見られました。
しかし、この研究の核心は、「チーズ」そのものの効果というよりも、ごく日常的な食習慣の違いが、数年後の状態と無関係ではない可能性を、日本の大規模データで示した点にあります。
「チーズ」は、その「切り口」の一つに過ぎません。日々の食生活を見直し今の食生活をベースで、続けられる形で整えていくことが大切と言うことを伝えたいのだと思います。
食事は、毎日の積み重ねです。一回一回は小さくても、長い時間をかけて体を支えます。
この研究は、特別な介入ではなく、日常的な食習慣の中に、将来を左右する要素が含まれている可能性を示してくれるものでした。
日々の食事、大切にしていきたいですね。
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