👂 「聞こえ」と「飲酒量」の「ちょうどいい距離」を調べた研究
年齢とともに、体のいろいろな部分に「変化」を感じることがあります。視力や体力の衰えほど劇的ではないものの、耳の聞こえ方も少しずつ変わっていきます。
高い音が聞き取りにくくなったり、人の声が聞き取りにくくなったり──こうした変化は、日常の小さな習慣の積み重ねとも関係している可能性があります。
そして、その習慣のひとつに「お酒」があります。
お酒は量や飲み方によって体への影響が変わりやすく、よい面と気をつけたい面の両方を持つ存在です。
では、この「飲み方の違い」が、耳の健康とどのように結びつくのか──そこに視点を向けたのが今回の研究です。
日本の中高年を対象に、飲酒量、聴力、そしてアルコールを分解する体質に関わる遺伝子まで丁寧に調べた大規模なデータから、いくつか興味深い傾向が見えてきました。
中医学では、耳の働きは「腎」が蓄える精気によって支えられていると考えます。一方、お酒は体を温め巡りをよくする一方で、過度に飲むと精気が発散されやすくなるとされます。
では、日常の1杯が「耳の未来」にどう影響しているのか──続きを見ていきましょう。
目次
- 👂 「聞こえ」と「飲酒量」の「ちょうどいい距離」を調べた研究
- 🧪 どんな研究?
- 🎧 どう調べた?
- 🍶 お酒の量は?
- 👨 男性での傾向は?
- 👩 女性での傾向は?
- 🧬 体質によって違う?
- 🩺 医学的にはどう考えられる?
- 🌱 中医学ではどう見る?
- 🏡 「自分に合う量」を見つける
🧪 どんな研究?
この研究は、日本の中高年を対象に「耳の聞こえ方」と「普段どれくらいお酒を飲んでいるか」を調べたもの。
使われているデータは東北メディカル・メガバンクの大規模コホートで、50〜79歳の男女あわせて約1万5千人。
参加者は、防音された部屋で専用の機械を使った聴力検査を受け、500Hzから4,000Hzまでの音がどれだけ小さくても聞こえるかを細かく測定されています。
さらに、日頃飲むお酒の種類や量、飲む頻度をもとに、「1日にどれくらいのアルコールをとっているか」が計算され、耳の状態との関係が調べられています。
🎧 どう調べた?
耳の検査には、病院で行うものと同じ「純音聴力検査」が使われています。
これは、防音された静かな部屋で、ヘッドフォンから出る音をどこまで小さくしても聞き取れるかを測る方法です。
500Hz、1,000Hz、2,000Hz、そして4,000Hzの4種類の音で調べられています。特に4,000Hzは、年齢の影響が早く出やすい「高めの音」で、加齢性難聴を見つけるときの大事なポイントになります。
そのため、この研究でも「4,000Hzがどれくらい聞き取れているか」が重要視され、耳の状態をみるひとつの指標として使われています。
🍶 お酒の量は?
この研究では、普段のお酒の飲み方をかなり細かく確認しています。飲む頻度(毎日・週に数回など)、種類(ビール、日本酒、ワインなど)、1回あたりの量を組み合わせて、「1日にどれくらいの純アルコールをとっているか」を計算しています。
たとえば、ビールなら大瓶1本で約20g、日本酒なら1合で約23gほどのアルコール量になります。
こうした目安を使いながら、男性は0〜20g、20〜40g、40〜60g、60〜80g、80g以上といった段階に分け、女性はその半分の幅で分類されています。
飲む「量の違い」が「耳」の状態とどう関わるのかを見るための丁寧な工夫です。
👨 男性での傾向は?
男性の結果で目立ったのは、たくさん飲む人ほど高い音が聞こえにくくなりやすいという傾向です。
特に4,000Hzという高めの音では、1日60〜80g、80g以上の飲酒グループに難聴が増えていました。
60〜80gというと、日本酒なら3〜4合、ビールなら大瓶3本ほどにあたる量です。日常的にこのくらい飲む人では、耳の高い音の部分が年齢よりも早く弱まりやすい可能性が示されています。
加齢性難聴では高い音から聞こえにくくなることが多いため、今回の結果とも一致した方向性です。
👩 女性での傾向は?
女性の結果では、男性のように「飲みすぎで耳が悪くなる」というはっきりした結果は見られず、10〜20g/日ほどの少量〜中等量のグループで、耳の状態が比較的良い人が多い傾向が見られました。
10〜20g/日は、日本酒なら0.5〜1合弱、ビールなら中瓶1本ほどの量で、無理のない範囲の飲み方といえます。
ただ、女性はそもそもお酒をたくさん飲む人の数が多くないため、飲む量が多い層でははっきりした傾向をつかむことが難しいところがあります。そのため、今回の結果は「ほどよくお酒を飲むグループで見られた傾向」として受け止めておくのが良さそうです。
🧬 体質によって違う?
この研究では、お酒をどれだけ分解しやすいかという体質も調べられており、飲酒と耳の状態の関係が人によって異なる可能性が示されました。
男性では、アルコールを分解しやすい体質の人ほど、飲む量が多くなると高い音が聞こえにくくなる傾向が強く出ていました。 分解が早い人は体調の変化を感じにくいため、結果として量が増えやすく、その累積によって耳に負担がかかりやすくなることが背景にあると考えられます。
女性では、少量〜中等量(10〜20g/日)の飲み方で耳の状態が比較的良い傾向が出るタイプがある一方、40g/日を超えると負担が出やすいタイプもありました。
体質によって、同じ量でも耳の反応に差ができる可能性が示唆されています。ただ、女性はそもそも飲む量が多い人が少ないため、この部分の判断には慎重さが必要です。
🩺 医学的にはどう考えられる?
耳の奥には、音を電気信号に変える細かな細胞が並んでおり、年齢とともに少しずつ傷つきやすくなります。
お酒を飲むと、体の中でアルコールを分解する過程で「炎症」や「酸化ストレス」が生まれ、これらが続くと細胞の負担が大きくなります。特にたくさん飲む習慣が長く続く場合、耳の高い音を感じ取る部分が影響を受けやすくなると考えられています。
また、飲酒は血圧や血流にも影響を与えることが知られており、耳の奥にある血管にも少なからず影響を与えます。
少量の飲酒では血流がよくなることもありますが、量が増えると負担が上回りやすくなるため、耳にはマイナスに働きやすくなります。
こうした仕組みから、今回の研究で見られた「量によって耳の状態が変わる」という結果ともつながります。
🌱 中医学ではどう見る?
中医学では、耳の働きは「腎」が蓄える精気によって支えられていると考えられています。
腎は体の生命力を保つ役割があり、その精気が保たれていると、耳の機能も安定するとされます。
一方、お酒には体を温めて巡りを動かす力があるものの、量が過ぎると本来蓄えられるべき精気が外へ散りやすくなり、腎の働きが乱れやすくなります。
今回の研究結果で見られた「たくさん飲み続けると耳が弱りやすい」という男性での結果は、中医学の考え方とも重なる部分があります。
女性で少量〜中等量の飲み方に良い傾向が見られた点も、過度にならなければ巡りを保っていた影響と考えられます。
体質によって反応が違うという今回の結果は、中医学が大切にする「その人に合ったバランス」という考え方にも通じるものがあります。
🏡 「自分に合う量」を見つける
この研究が示しているのは、「お酒と耳の関係は、量・習慣・体質によって変わる」という点です。
男性では、特に量が多い飲み方が続くと高い音が聞こえにくくなりやすく、女性ではほどほどの範囲を保つことで、良い影響も見られました。
体質の違いによって反応が変わる可能性もあり、一律に説明できるものではありませんが、ただ、飲む量が増えるほど耳への負担が積み重なりやすいという点は、男女どちらにとっても大切な点です。
日常では、まず「量を増やさないこと」が耳にとって負担を減らす一歩になります。男性なら日本酒3合以上、女性なら2合前後といった量が習慣的に続く場合は、少し調整するだけでも耳への負担は変わってきます。
また、週に何日かは飲まない日をつくり、体の回復の余裕を確保することも役立ちます。
中医学が大切にする「体質に合わせる」という視点も大切に、自分に合う範囲でお酒と付き合うことが、耳を含めた全体の健康にもつながりやすくなります。
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