余暇の運動でがん予防?

目次

🥎 「運動」の効果は予想以上

毎日の暮らしの中で、身体を動かすこと──健康のための習慣として取り入れている人も多いと思います。

でもその効果は、私たちが思っている以上に深いところまで影響しているかもしれません。

「余暇の時間におこなう身体活動」が、わたしたちの体の中でどんな影響を及ぼしているのか──それを144万人分のデータを用いて検証した大規模な研究があります。

この研究からは、日々のちょっとした動きが、生活の質や生き方の選択にまで関係する可能性が見えてきます。

中医学では昔から「動かないと、気が滞る」と考えられてきました。気の巡りが悪くなることで、さまざまな不調が現れやすくなるという考え方です。

もしも西洋医学の視点から、その「気の流れ」と重なるような現象が証明されつつあるとしたら──。

この研究がどのように行われ、何を明らかにしたのかを見ていきましょう。


🏐 身体を動かすと、体の中で何が起こるのか

軽く散歩したり、階段を使ったり、ちょっと汗ばむくらいの運動をするだけでも、体が軽くなり、「健康」になった感覚になるることがあります。

心臓や血管の調子を整えることに役立つ──運動の効能は、すでによく知られています。けれど最近になって、その「健康」への影響は思いのほか広く、深いことがわかってきました。

中でも注目されているのが、「がん」との関係です。

これまでの研究では、身体活動が関係しているとされるのは「大腸がん」「乳がん」「子宮体がん」など、ほんの一部のがんに限られてきました。

しかし実際には、それ以外の部位に発症するがんの方が多く、アメリカでは、全体の約75%、世界全体でも約61%のがんが、これら3つ以外の部位で起こっています。

つまり、「身体を動かすこと」が本当にがんのリスクに影響を与えるのであれば、それはもっと広範な種類のがんに対しても関係していてもおかしくない──そう考えた研究者たちは、いままでにない規模でこの問いに挑みました。


🏀 これまでにない大規模な調査が動き出した

今回の研究では、「余暇におこなう身体活動」と「がんのリスク」との関連性を明らかにするため、これまでにない規模のデータが用いられました。

対象となったのは、アメリカとヨーロッパで実施された12の前向きコホート研究(ある集団を長期間追跡する研究の形式)で、合計144万人以上の男女が含まれています。

これらの人々は、運動習慣の有無や生活背景、年齢、性別などの基本情報をもとにグループ分けされ、おおよそ10年以上にわたり健康状態を追跡しました。中には20年近く記録されている人もおり、研究としては非常に長期にわたるものです。

その間に、約18万人が新たにがんと診断され、その情報が集計・分析されました

つまりこの研究は、参加者の数・追跡の長さ・対象となるがんの種類、どれをとっても過去に例を見ないほどのスケールで行われたのです。


🏓 がんのリスクは、どのくらい下がったのか?

この研究では、参加者を「身体活動の量」によって5つのグループに分け、最も活発に身体を動かしていた人たちと、ほとんど運動をしていなかった人たちとで、がんの発症率にどれだけ差があるかを比べました。

その結果、26種類のがんのうち13種類で、運動量が多い人の方が発症リスクが有意に低いという結果が得られました。

具体的には、肝臓がんではリスクが27%低下、食道腺がんで42%低下、肺がんで26%低下、そして腎臓がんでも23%低下するなど、かなりはっきりとした差が見られました。数値で見ると小さく感じるかもしれませんが、これが人口レベルでの影響となると、非常に大きな意味を持ちます。

特に注目されたのは、がんの発症に喫煙や飲酒、体重など他の要因が関係している場合でも、身体活動による影響が独立して認められたという点です。

これは、「運動すること自体」に、がんリスクを下げる効果がある可能性を示しています。


🎳 「健康な人」が運動していたからではない

運動する人の方ががんのリスクが低いのは「もともと健康に気をつけている人が運動してるから」と思う人もいるかもしれません。

たしかに、日頃から体を動かす人は、たばこを吸わなかったり、食事に気を配っていたりする傾向があります。

そうした背景があれば、運動ではなく「ライフスタイル全体」ががんのリスクを下げていたのではないか、と思い至るのも当然です。

しかし、この研究ではそのような要素──たとえば喫煙や体重、食習慣など──をすべて統計的に調整した上で、身体活動とがんの関係を分析しました。

その結果、「運動しているかどうか」だけを取り出して見ても、13種類のがんに対してリスクが下がる傾向があったのです。

特に肺がんのように、喫煙の影響が非常に大きいがんであっても、たばこを吸っていない人たちに絞って分析した後でも、身体をよく動かしている人の方がリスクが低かったという結果が出ています。

つまり、これは単に「元から健康な人が運動していただけ」ではなく、身体活動それ自体が、「がん」を遠ざける一つの要素として働いている可能性があるということです。


🏸 気の巡りと「がん」のつながりを考える

身体を動かすことが、がんのリスクを下げる──そんな研究結果と中医学の「気の巡り」とのつながりから「なぜ運動がそれほどまでに体に良いのか」を見ていきます。

中医学では、「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスが健康の基本とされ、「気(=生命エネルギー)」が滞ることでさまざまな病が起こると考えられています。

特に「気滞(きたい)」と呼ばれる気の流れの停滞は、免疫や内臓不調にもつながります。

身体を動かすことは気の巡りを促すこと──つまり五臓(肝・心・脾・肺・腎)それぞれの働きが整いやすくなる──こうした視点は、現代医学が明らかにしつつある「身体活動が全身に与える影響」と重なる部分があります。

特に肝臓や腎臓など、中医学でも重要視されている臓器に対するリスク低下が顕著であった点は、東西の医学が異なる言語で同じ現象を指し示しているような印象を受けます。

このように見ると、「がん予防に効く運動」とは単なる筋肉や代謝の話ではなく、もっと根本的な「巡りの整え方」に関わるものなのかもしれません。


⛷️ 今日からできる「がん予防」

この研究の意義は、「誰にでもできる」身体活動が、将来的ながんリスクの低下につながる可能性を示した点にあります。

調査で用いられた「余暇の身体活動」は、必ずしもジムでの激しい運動や、日々のトレーニングを指しているわけではありません。

1週間あたり平均150分程度(たとえば1日30分を週5日)のウォーキングや軽い運動でも、がんのリスクに影響を与える可能性があることが示唆されています。

つまり、身体を動かすことに特別な知識や設備は不要で、「通勤の一駅を歩く」「休日に少し散歩をする」など、誰にでもできる小さな選択の積み重ねが、健康の土台を作ることにつながります。

こうした視点は、「未病(みびょう)を防ぐ」ことを重視してきた中医学の思想とも重なります。

すぐに病気になるわけではなくても、今のうちにバランスを整えておくことで、大きな病を遠ざける──今回の研究は、そうした古くて新しい知恵を、現代の科学の言葉で示したとも言えるのではないでしょうか。

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