「家庭」を健康に保つ方法

目次

💡「感謝」が心と家庭に効くってホント?

「ありがとう」と思う、その気持ち。

それが、心の健康や家庭の雰囲気にまで関わってくるかもしれない──そんな可能性を探ったのが今回の研究です。

紹介するのは、心理学の専門誌に掲載された報告。アメリカの研究チームが、親の「感謝の気持ち」が、日々の育児や家族関係にどんな影響を与えているのかを、2つのアプローチで丁寧に調べました。

ひとつは、親たちに1週間育児日誌をつけてもらう観察的な調査。もうひとつは、感謝の手紙を1通だけ書いてもらい、その効果を検証する実験です。

さらにこの研究、中医学の考え方と照らし合わせても、とても興味深い結果を含んでいます。

「感謝」が心を整え、気を巡らせ、家族という場にどんな変化を起こすのか──その全貌を、科学と伝統医学の両面から見ていきます。

では詳しく見ていきましょう!


📔 育児日誌で判明! 「感謝」のある日はちょっと違う

最初の調査では、子育て中の親御さん270人が1週間にわたり育児日誌(その日の感謝感情も測定)を記録しました。

日々の育児の中で、どれだけ感謝を感じたか、気分はどうだったか、子どもとの関わり方はどうだったか──こうした項目を日ごとに書き残してもらったのです。

分析の結果、感謝を感じた日には、気分が明るくなり、子どもとの距離感も近く感じられる傾向が見られました。家の中での支援的なやりとりが増え、反対に葛藤のような場面は少なかったことがわかりました。

特徴的だったのは、単なるアンケートではなく、書かれた日誌を第三者が読み込み、そこから「支援」「葛藤」「困難さ」といったポイントを客観的に点数化していた点。

親の感じたことだけでなく、やりとりの内容そのものにまで目を向けた設計になっていました。

つまり、親が「ありがとう」と思える日には、心も整いやすく、関係性の雰囲気も少し和らぐ。

そのつながりが、数値としても裏付けられたわけです。


✉️ たった一通の感謝レターが家庭をゆるめる?

次の研究では、親御さん619人に「感謝の手紙」を書いてもらいました。方法はとてもシンプルで、一度手紙を書くだけです。

参加者は3つのグループに分かれました。

  • 誰にでも向けて書く一般的な「感謝の手紙」
  • 守られていると感じる相手に宛てた「感謝の手紙」
  • 比較のために、前週の「出来事を記録」するだけのグループ

手紙を書いた直後には、気分が明るくなるという変化が見られました。さらに1週間後、親子のつながりや育児の満足感、子どもの行動(親の報告)に良い方向の変化が確認されました。

ただし、このときの効果は「直接の変化」というよりも、手紙を書いた直後に気分が上がったことが、間接的に家庭の指標を改善させていたと理解されています。

つまり、「一度きりの感謝レター」でも、その瞬間の感情の変化が家庭に少しずつ波及していった、ということです。


🌈 ポジティブ感情という家庭のスイッチ

この2つの研究で共通してたのは、感謝そのものよりも「感謝を通じて生まれるポジティブ感情」が重要だという点です。

感謝を感じた日は、気分が軽やかになり、育児の中でのやりとりもスムーズになります。手紙の実験でも、書いた直後に気持ちが前向きになったことが、その後の育児満足感や子どもの行動評価の改善につながっていました。

言い換えれば、「感謝 → 気分の上昇 → 家族関係の改善」という流れが確認されたわけです。ここでの「媒介役」がポジティブ感情です。

小さな気分の変化が、親の受け止め方を和らげ、関わり方を少しずつ変えていく──その積み重ねが、家庭という場の空気を穏やかにしていく可能性を示しています。


🌿 中医学で読み解く「感謝」の働き

中医学では、感情は体と深くつながっていると考えます。たとえば「怒り」は肝、「悲しみ」は肺など、感情ごとに関係のある臓器があるとされます。

では「感謝」はどこに関係するのでしょうか。

感謝には、穏やかな喜びと他者への思いやりが含まれます。中医学では、これらは「心(しん)」と「脾(ひ)」という2つの臓と関係があると考えます。

心は精神のバランスを保ち、脾は共感や思いやりにも関わります。感謝の気持ちはこの2つのはたらきを支え、心と体を穏やかに整えるとされています。

さらに、感謝で心が落ち着くと、気の流れがスムーズになりやすいともいわれます。中医学ではこれを、心身の調和がとれた理想的な状態とされます。

つまり、親が感謝を感じることで心が落ち着き、気が巡りやすくなり、その変化が家庭の空気にも伝わる。今回の研究結果は、こうした中医学の考え方とも通じ合う部分があるのです。


🌱 今日からできる「感謝養生」

この研究から見えてくるのは、「感謝の気持ち」が家庭の雰囲気に少しずつ変化をもたらす可能性があるということです。

そのための特別な準備も道具も必要ありません。一日の終わりに小さな「ありがとう」と思えた出来事を思い出して書き留める。感謝を感じたら「ありがとう」と声に出して伝える。

こうした小さな習慣が、家庭での「親」自身の気持ちを落ち着かせ、子どもとの関わり方を少しずつ変えていきます。そしてその変化は、自然に家庭全体にも広がっていきます。

中医学の視点でも、こうした心のあり方を整えることは「養生」──つまり日々の暮らしの中で心身をととのえる知恵のひとつとされています。

「感謝」を伝えることは毎日のなかで無理なく取り入れられる習慣です。家庭では「親」の心が軽くなれば、子どもとの関係も良好となり、家の中があたたかく安心できる居場所になります。

そんな小さな一歩を積み重ねていけたらいいですね。

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