健康習慣がもたらす「差」とは?

寿命と医療費に現れたリアルな影響を科学と中医学の視点で読み解きます。

目次

🔍 数字に現れない「健康」の本当の価値とは?

「野菜をもっと食べましょう」
「運動を習慣にしましょう」

耳にタコができるほど聞いてきたこの言葉。

でも、それって本当に意味があるのでしょうか

台湾で行われた大規模な研究が、そんな素朴な疑問に明快な答えを示しました。

対象は30歳以上の男女、約2万人。追跡期間は15年以上にもわたります。
見たのは、彼らの「生活習慣」と「その後の人生」。

興味深いのは、この研究が中医学の「養生」とも通じていること。

生活の調和を大切にする中医学の考え方を、現代の科学で裏付けたような研究でもあるのです。


📊 健康的な生活って、本当に意味あるの?

寿命は世界的に延びていますが、「元気でいられる時間」も同じように延びているわけではありません。

生活習慣病や慢性疾患を抱える人が増えるなか、医療費の増加も深刻な課題になっています。

台湾も例外ではありません。2019年の平均寿命は80.3歳。

日本やシンガポール、韓国と比べるとやや短く、「予防」より「治療」に偏った体制がその背景にあると指摘されています。

こうした状況のもと、今回の研究では「生活習慣が寿命や医療費にどう関係するのか?」を、一人ひとりの長期データを使って丁寧に検証しました。

なかでも特筆すべきは、健康的な生活習慣が、生涯の医療費にどれほどの違いを生むのかを、具体的な金額として初めて示したこと

これは従来の研究にはなかった新しいアプローチです。


🧪 19,000人の「生活」と「医療費」を15年間追った!

対象は、台湾の国民健康調査(NHIS)に参加した約2万人。

ここで得られた「生活習慣」の情報と、医療記録のデータベース(NHIRD)にある「医療費」や「寿命」の情報を結びつけ、約15年にわたって追跡しました。

研究では、次の5つの生活習慣が評価されました。

  • 禁煙(生涯の喫煙本数が100本未満を含む)
  • 節酒(飲酒はまれ=週1回未満が目安)
  • 身体活動(速歩30分を週5回程度)(=週500 MET分以上が目安)
  • 果物・野菜(週に合計4サービング以上)
  • 標準的な体格(BMI 18.5〜<25)

このうち実践している数に応じて参加者を分類し、寿命や医療費にどんな違いが現れるかを比較しました。

また、年齢や収入などの影響をできるだけ除いたうえで、これらの習慣が平均的にどのような効果を持つかを公平に分析しました。


⏳ 寿命がグッと延びる? 健康習慣がもたらす「7年の差」

結果は明確でした。

5つすべての生活習慣を実践していた人は、そうでない人に比べて寿命が約7年長かったのです。

特に大きな効果が見られたのは、「禁煙」と「果物・野菜の摂取」。どちらも体の炎症や負担を和らげる基本的な要素です。

一方で、「少しぽっちゃり」程度の体格の人がやや長生きする傾向も見られましたが、その分医療費はやや高くなる傾向がありました。


💰 お財布にもやさしい? 健康習慣で医療費がグッと減る

長生きするだけではありません。

健康的な生活をしていた人たちは、一人あたりの年間医療費が約3割も少ないという結果も得られました。

とくに禁煙と標準的な体重の維持は、医療費の節約に大きく貢献していました。

一方、運動や果物・野菜の摂取は寿命の延長には有効でしたが、医療費の削減とは必ずしも直結していませんでした。

これは、健康意識の高い人が定期的に医療機関を利用する傾向があるためと考えられています。


🌿 中医学から見る「健康習慣」とは?

今回の5つの生活習慣は、中医学の「養生」とも強くつながっています。

中医学では、「気・血・津液」──さらに「陰陽のバランス」が整っていることが、健康の基本とされています。

そのバランスを保つために、日々の暮らしの中で無理なく整えていくことが大切だと考えられてきました。

たとえば──

  • タバコや過度な飲酒は、「熱」を過剰に高め、体を乾かしてしまいます。これにより体の潤いが消耗され、特に肺や肝が弱りやすくなるとされます。
  • 野菜や果物は、「肝」の働きをスムーズにし、「脾」の消化吸収を助けて、体の巡りを整える食材です。ただし、冷たいものを生で食べ過ぎると「脾」を冷やして弱らせるため、ほどほどが大切です。
  • 運動は、「気」や「血」の流れを良くし、気の滞りや血の巡りの悪さを防ぎます。
  • そして、適正な体重を保つことは、「脾」の消化吸収の力を守り、代謝を妨げる「痰湿」が体に溜まるのを防ぎます。

つまり、日々の偏りを整える=未病を防ぐという中医学の考えは、今回の研究が示した「寿命の延長医療費の抑制」という結果と重なります。

無理に「何かを足す」より、余計を引き、流れを整える──それが「養生」の考え方にもつながるのです。


🧭 ちょっとの習慣が、未来の自分を変える

健康的な生活習慣は、寿命にも医療費にも、目に見える違いを生み出します。

けれど大切なのは、「すべて完璧にやる」ことではありません。

できることから、少しずつ。
エレベーターの代わりに階段を使ってみる。
野菜をもう一品増やしてみる。
夜はスマホを置いて、早めに寝てみる。

そんな小さな積み重ねが、未来の自分の「元気」と「安心」につながっていくのだと思います。

今回の研究は、そのことを改めて私たちに教えてくれました。

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