独身?既婚?離婚?未婚?
それぞれの人生と健康リスクのつながりについて
🚪 結婚と健康、その本当の関係は?
「結婚するか、しないか」は、多くの人にとって人生の大きな選択肢のひとつです。世間では「独身だと病気になりやすい」「男性は結婚した方が長生きしやすい」といった声を耳にすることもありますが、実際のところはどうなのでしょうか。
この研究は、なんと788万人以上という巨大なデータをもとに、「結婚しているかどうか」と「心臓の病気」「がん」「死亡のリスク」がどう関係しているのか、しかも男女別に徹底分析したものです。
医学的な根拠に加えて、中医学の視点も交えながら解説していきます。
💍 婚姻状況と健康リスク
厚生労働省やWHO(世界保健機関)では、「社会的なつながり」や「家庭環境」が健康や寿命に影響するという点が繰り返し強調されています。たとえば、厚生労働省の健康日本21やWHOの健康格差報告書でも、「家族やパートナーなどの支え」が孤独や生活習慣病、死亡リスクを減らす要素として挙げられています。
今回ご紹介する研究は、こうした社会的背景をふまえ、世界15か国・7,881,040人分という大規模データをもとに、「結婚しているかどうか」と死亡リスクの関連を詳しく分析しています。
その結果、結婚していない人は、結婚している人に比べて、すべての原因による死亡リスク(全死亡リスク)が男性で1.46倍、女性で1.22倍に上昇することが示されました。
数字のうえでも「家族や社会的つながり」が健康にとって重要な意味を持つことがわかります。
👤 未婚・離婚・死別、どの状態が一番リスクが高い?
結婚していない人とひとくくりにしても、実は「未婚」「離婚・別居」「死別」でリスクに差が見られました。
特に注目したいのは、「未婚」の男性。
未婚男性の死亡リスクは、既婚男性に比べて1.67倍と最も高く、女性でも1.46倍でした。また、離婚・別居した男性のリスクは1.59倍、女性は1.27倍。死別の場合でも、男性1.30倍、女性1.14倍と、すべてのケースで「既婚者よりも高リスク」でした。
つまり、どんな理由であれ「結婚していない状態」が長く続くほど、心臓病やがん、死亡のリスクは大きくなる傾向が読み取れます。
🩺 がん・心臓病はどれくらい増える?
「結婚していないと病気になりやすい」という噂、実際にはどうでしょうか?
この研究では、がん・心血管疾患(心臓病や脳卒中)それぞれの死亡リスクについても詳しく調べられています。
まず、がんの死亡リスクは、未婚男性で1.12倍、未婚女性で1.09倍。離婚・別居の場合は男性1.16倍、女性1.28倍。がんに関しては、離婚・別居の女性のリスクがやや高い点も特徴的です。
一方で、心血管疾患(CVD)死亡リスクはさらに顕著で、未婚男性では1.60倍、女性では1.19倍と、男性のリスク増加が際立っています。特に「未婚男性」がもっとも大きく影響を受けることが、数字にもはっきりと現れています。
結婚しているかどうかが、長い人生のなかで無視できない健康リスクにつながることが見えてきます。
🧑⚕️ なぜ男性の方がリスクが大きい?
この研究で特に目立ったのは、未婚や離婚・死別によるリスク上昇が「男性」でより顕著だったことです。
たとえば、未婚男性は未婚女性よりも脳卒中で亡くなるリスクが31%高く、全死亡リスクも9%高くなっていました。
その背景には、いくつかの理由が考えられます。
まず、「社会的サポートの違い」が大きく影響します。多くの男性はパートナーからのサポートに強く依存している傾向があり、独身や離婚などでその支えを失うと、精神的にも健康的にもダメージが大きくなりがちです。
また、男性は一人になると健康管理を怠りやすいという特徴もあり、喫煙や飲酒、食生活の乱れが起こりやすくなります。
さらに生物学的にも、ストレスに対するホルモン反応(コルチゾールなど)が男性のほうが強く出やすいことや、女性ホルモンの「守り」の効果が女性にはあることも示唆されています。
🌿 医学の視点で読み解く「結婚」と健康の関係
中医学の観点では、「人と人とのつながり」は心身のバランスを保つ上でとても大切な要素です。
結婚は「家族」という強い社会的ネットワークを生み、そこから得られる安心感や安定感が「気(エネルギー)」や「血(けつ)」の巡りを良くし、内臓や心の健康を支えると考えられています。
一方で、孤独や社会的な孤立は「気」の滞りや「神(心や精神の働き)」の乱れを招く要因となりやすく、中医学でも古くから孤独や孤立は、心身のバランスを崩す大きな要因になると言われてきました。
特に男性は、社会的な役割や責任感からストレスを抱えやすく、それが「肝(ストレスのコントロールや感情の調節に関わる)」の働きを弱め、体全体のバランスを崩しやすいとされています。
つまり、結婚という形を問わず「人と支え合いながら生きること」が、中医学的にも「未病(病気になる前の状態)」を防ぐ大事なポイントであることが、この研究データと中医学の両方からうかがえます。
🎁 健康のために「つながり」を大切に
この研究は非常に多くの人を対象とした大規模な分析ですが、あくまで「結婚しているかどうか」と「死亡リスク」との関係を統計的に示したものです。
実際の人生や健康は、もちろん結婚という一つの要素だけで決まるものではありません。たとえば結婚していても、夫婦間に悩みやすれ違いがあれば、逆にストレスや孤立感を感じてしまうこともあります。
一方で、結婚していなくても、家族や友人、地域との豊かなつながりを大切にしたり、自分らしく生きることを選んでいる人が、健やかな毎日を送っている例も少なくありません。
また、この研究で用いられたデータは主に欧米やアジアの限られた地域が中心であり、未婚・離婚・死別といった状況や、その背景にある文化や社会制度もさまざまです。さらに、「なぜ男女でリスクに差が出るのか」や「どんな社会的な支援が有効なのか」といった点については、今後さらに研究が必要です。
それでも、「人とのつながりが心身の健康を支える」というメッセージは、現代医学でも中医学でも共通して大切にされてきた考え方です。
結婚にこだわる必要はありませんが、孤立せず誰かと支え合いながら過ごすこと──その意識が、あなた自身の健康を守る大切なヒントになるかもしれません。
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