🌟 退屈知らずの時代に、なぜ心が空回り?
YouTubeやSNSが普及し、見たいもの、知りたいことが瞬時に手に入る現代社会。少しでも興味が薄れると、すぐに動画をスワイプしたり、別のコンテンツに切り替えたりできる「デジタル切り替え行動」が当たり前になっています。
ところが、これだけ刺激が多いはずなのに「なんだか最近、すぐに退屈を感じる」と思う人が増えています。
この謎に本気で挑んだのが、カナダの研究チームによる最新研究です。
ここからは、この研究がどのように私たちの心とデジタル社会の関係を解き明かしたのか、科学と中医学の知見を交えながら紐解いていきます。
🔍 退屈撃退のはずが…?「切り替え行動」の落とし穴
この研究は、「退屈を感じた時、人はどれくらい頻繁に動画やSNSのコンテンツを切り替えているか」「切り替えることで本当に退屈が減るのか」という疑問からスタートしました。
研究チームは、約7つの実験を重ね、大学生などの参加者たちに自由に動画や記事を切り替えてもらい、その直後の気分や退屈度合いを細かく測定しています。驚くべきことに、切り替え回数が増えるほど、「退屈を感じている」と答える人が増えました。
数字で言えば、動画の切り替えが多いグループほど、「退屈の自己評価スコア」が高くなっていく傾向が明確に現れました。つまり、「退屈をなくそう!」とアクティブに切り替える行動が、むしろ逆に心の空白を広げてしまう現象が観察されたのです。
🧠 脳の仕組みから見える、退屈の「負のスパイラル」
この現象が起こる科学的な背景として、脳の「報酬系」が関係していることが見えてきます。人は新しい刺激を受けるたび、脳の中でドーパミンという「やる気ホルモン」が分泌され、気分転換のような快感を得られます。
しかし、次々にコンテンツを切り替えることで、この快感が「うす味」になりやすく、どんどん新しい刺激を求めてしまいます。しかも集中力が分散しやすくなるため、脳が「満たされた」と感じにくくなり、結果的に「もっと退屈」という感覚へ陥ってしまうわけです。
統計的にも、切り替え回数が増えるほど満足度が下がる傾向が確認されています。
📊 「切り替え疲れ」と心理的コストの真実
研究で明らかになったもうひとつのポイントが、いわゆる「切り替え疲れ」とも呼べる心の負担です。動画やSNSのコンテンツを途中で何度も切り替えた人ほど、「どれも満足できなかった」という気持ちを強く感じていました。
その背景には、「もっと面白いものがあるかもしれない」という「機会損失」への意識があります。選択肢が次々と頭に浮かぶ一方で、どれもじっくり味わうことができず、心に残るものがない。こうした「満たされなさ」が蓄積していくのです。
実際、切り替え回数が多かったグループでは、「興味が持てなかった」「集中できなかった」と答えた人の割合がはっきり高くなりました。選択肢が増えるほど、かえって本当の満足や没頭から遠ざかってしまう。これが現代的な「切り替え疲れ」の正体です。
💡 「ひとつのことに集中する」ことの大切さ
研究では、「コンテンツを自由に切り替えられない」制約のある状況では、参加者たちがより深く集中し、結果的に満足度も高かったことを示しています。
ひとつの動画や記事にじっくり向き合うことで、気持ちが「今」に集中しやすくなり、退屈感が軽減するという結果が出ました。現代人にとって「何かをじっくり味わう」ことは、むしろ新鮮で贅沢な体験と言えるかもしれません。
統計的にも、切り替え不可のグループでの退屈度スコアは、切り替え自由のグループよりも明らかに低い数値が示されていました。
🌿 中医学でひも解く「退屈」と集中力のしくみ
中医学では、心と体の健康は「気(き)」の巡りに守られていると考えられています。なかでも気の流れをコントロールしているのは「肝」。肝がしなやかに働いていると、気は全身をのびやかに巡り、心身ともにスムーズな状態が保たれます。
ところが、デジタルメディアの絶え間ない切り替え行動が続くと、肝の「疏泄(そせつ)」作用が乱れ、気の流れが滞りやすくなります。この「気の詰まり」が長く続くと、今度は「脾」にも影響が波及します。
脾は「思(し)」や「意(い)」といった集中力や思考力を支える働きを担っていますが、気の巡りが悪くなることで脾の機能が落ち込み、注意力が散漫になりやすくなるのです。
実際に研究でも、あれこれとコンテンツを切り替えた人ほど「集中できなかった」「どれも楽しめなかった」と感じる割合が高くなっていました。
つまり、肝の気が滞ることで脾の働きまで乱れ、心が落ち着かず集中できなくなる──これが中医学的に見た、現代人の「デジタル退屈」の構図です。
🌈 「今ここ」を味わう、小さな工夫を
この研究が教えてくれるのは、便利で刺激に満ちたデジタル社会の裏側で、私たちの心の充実感や集中力が静かにすり減っているという現実です。
けれども、落ち着いて一つのことに向き合う時間を意識して持つことで、心はもっと穏やかさを取り戻せる──そんな希望もこの研究はしっかり示してくれました。
中医学でも、気の巡りや脾のはたらきを整えるためには、静かな時間や深い集中がとても大切だと考えられています。忙しい現代こそ、「今、目の前のことをじっくり味わう」習慣を少しずつ取り入れてみる──
その小さな工夫が、心と体の健やかさにつながるヒントになるはずです。
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