「ビッグジョイプロジェクト」って?

タナココ

1日5分の「小さな幸せ行動」が心と体を変える?

「毎日ちょっとだけ自分を大切にすること」が本当に心や健康に良い影響をもたらすのか ── 今回ご紹介するのは、世界169カ国、1万7千人以上が参加した話題の研究「ビッグジョイプロジェクト」です。

この研究では、スマホやパソコンで毎日たった5分から10分、7日間だけ簡単なウェルビーイング(幸福感)アップの行動を続けることで、気分やストレス、睡眠までどのように変わるのかを詳しく調べています。

しかも、医学的・薬学的・心理学的な根拠に基づいて世界中のさまざまな背景を持つ人たちが対象となっている点が特徴的です。

この研究の「すごさ」や、「どんな人がより恩恵を受けたのか」、「なぜ社会的に不利な人ほど効果が出たのか」を分かりやすく読みやすく、中医学の視点も交えて解説していきます。


目次

🌏 世界中から大集合!「幸せ」を測るビッグデータのチカラ

「ビッグジョイプロジェクト」は、2022年から2024年にかけて世界中から集まった1万7,598人を対象にした大規模な研究です。

アメリカ、カナダ、イギリスを中心に、なんと169カ国の参加者が集まりました。参加者の平均年齢は54歳と幅広く、女性が8割以上、教育レベルも多様で、白人だけでなくアフリカ系・アジア系・ラテン系など人種の多様性も特徴です。この大規模・多様なデータが、今回の研究に信頼性と普遍性をもたらしています。


✨ たった7日間! 毎日の「小さな幸せ行動」のレシピ

ビッグジョイプロジェクトの最大の特徴は、たった7日間・1日5〜10分のデジタルプログラムという手軽さです。

プログラムには、誰でも実践できる7つの小さな行動が用意されています。

具体的には、

①「感謝リストを作る」(自分が感謝したいことや人を書き出す)
②「誰かの幸せをお祝いする」(身近な人の喜びごとを一緒に喜ぶ)
③「親切な行動を考える」(その日にできそうな親切をリストアップする)
④「自分の価値観を見つめ直す」(自分が大切にしていることについて考えてみる)
⑤「視点を変えてみる」(最近の困った出来事からよかったことを探す)
⑥「自然や芸術にふれて感動する」(美しい映像や音楽に心を向けてみる)
⑦「世の中のためにできることを考える」(自分なりに社会に良いことができないか思いめぐらせる)

といった内容です。

どれも簡単で、その日からすぐに実践できる工夫ばかり。

特別な道具も技術も不要。スマホやパソコンがあれば、世界中どこでも自宅で始められる仕組みです。


📈 目に見える変化!幸福感・ストレス・睡眠の質がどう変わる?

研究では、介入前後で「感情的ウェルビーイング」「ポジティブ感情」「幸福感の主体性(自分で幸せをコントロールできる感覚)」「ストレス」「健康自己評価」「睡眠の質」を数値化して比較しました。

結果は非常に明確──すべての項目で有意な改善が見られました。

たとえば、幸福感や毎日の満足感は、「ちょっと気分が明るくなった」「なんだか前より毎日が充実して感じる」と実感できるくらいにアップしています。

ストレスは「最近イライラや不安が少し軽くなった」と感じるレベルで下がりました。

睡眠についても「ぐっすり眠れる日が少し増えた」「寝つきが良くなった」というような前向きな変化が多くの人に見られました。

参加者は一人平均5日以上実践しており、続ければ続けるほど効果が高まることも確認されました。


🧑‍🤝‍🧑 さまざまな立場の人ほど「幸せアップ」──医療的に注目すべき発見

この研究で特に印象的だったのは、「勉強や仕事のチャンスが少ない方」や「経済的にゆとりがない方」、「普段の生活で支援が届きにくい状況にいる方」、「多様な文化やバックグラウンドを持つ方」など、社会のなかでサポートを受けにくい立場にある人たちほど、より大きな変化が見られたことです。

特にアフリカ系やラテン系の方々、最終学歴が高校卒業までの方では、幸せを感じる力がしっかり伸びていました。また、若い人ほど効果が大きかったことも特徴的です。

このような結果は、「どんな立場の人でも、日々のちょっとした工夫や心がけで、しっかり幸せや健康を感じられる可能性がある」ということを示していて、とても希望を感じさせます。

これまでサポートが届きにくかった方々に「かんたん・お金がかからない・短期間」で前向きな変化が起こせるというのは、大きな可能性を感じるとともに、非常に評価できる研究結果です。


📉 短期間&低負担なのに大きな効果──現代医療からみた意義と評価

「ビッグジョイプロジェクト」が特にすごいのは、わずか1週間、1日たった数分の「ちょっとした行動」だけで、長期間じっくり行う従来のプログラムと同じくらいの成果が出た点です。

普通、心のケアや気分アップのためのプログラムは2〜3カ月かけて続けるものが多いですが、今回はそれをたった7日で達成しています。

たとえば、「ENHANCEプログラム」は、幸せを感じる力やストレスへの強さをじっくり高めていくために、3カ月かけてさまざまな前向きな習慣を身につける内容です。また、「5waysAプログラム」は、週ごとに「親切」「人とのつながり」「運動」「学び」「チャレンジ」など、心身の健康を支える5つのポイントを実践していく10週間のプログラムです。

今回の「ビッグジョイプロジェクト」は、これら有名な長期プログラムと比べても、気分の改善やストレス軽減で同じくらい、またはそれ以上の効果が出ていました。

つまり、難しいことや特別な道具を使わなくても、「誰でも気軽に始められる」「すぐ実感しやすい」「続けやすい」という「身近な健康づくり」の方法として、「ビッグジョイプロジェクト」が新しい選択肢になり得る──そんな大きな意義があると言えます。


🔍 気になる限界点も──「もっと知りたい!」を生む研究の課題

もちろん、この研究にも課題や限界があります。

まず比較のための「対象」がいないため、「因果関係」の証明には慎重さが求められます。また、参加は自発的であり、もともと幸福感に関心が高い人が多かった可能性も考慮する必要があります。

自己申告によるアンケート形式の評価や、介入が短期間のみであった点、さらにフォローアップがないため長期的な効果については不明なままです。

しかし、それでも17,000人超という大規模で多国籍なデータから得られた今回の知見は、今後の実地医療や政策づくりに大きなヒントを与えてくれます。


🌱 中医学の視点でみるウェルビーイング──「心」と「気」のバランス

この「ビッグジョイプロジェクト」の成果を、中医学の理論と重ねて考えてみます。

中医学では「心(しん)」が感情や精神活動を司り、心の調和が全身の健康に深く影響するとされています。また「気(き)」の巡りがスムーズであるほど、体だけでなく精神面のバランスも整いやすいと考えられています。

今回の研究で実践された「感謝」「親切」「小さな喜び」の行動は、中医学でいう「気を養い、心を穏やかにする」養生そのもの。

実際に、心の安定や気分の前向きな変化が、ストレス軽減や睡眠改善につながることは、中医学でも昔から強調されてきたポイントです。

つまり、現代医学のウェルビーイング介入と中医学の養生は、目的も効果も意外と共通点が多いのです。


🌟 「小さな幸せ」は、心と体の大きな味方──今日からできるウェルビーイング習慣

「ビッグジョイプロジェクト」の研究結果から「たった1日5分の幸せ行動」でも、気分やストレス、睡眠まで良い変化がもたらされることがわかりました。

特に、社会的に不利な立場にある人ほど大きな恩恵を受けやすいという点は、これからの健康づくりにおいて希望の光です。

現代医療の進歩とともに、中医学的な「心と気の調和」の知恵も生かしながら、誰でも簡単に始められるウェルビーイング習慣が、心と体の健康の新しいスタンダードになる時代が近づいています。

「自分に優しい時間」を意識的に持つことこそ、人生をより健やかに、豊かにしてくれる最良の処方箋かもしれません。

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