日本の働く人と「こころ」のリアル

タナココ

日本全国2万7,000人のリアルな声をもとに、現代人のストレス・生産性・心身の健康維持について詳しく解説。セルフケアのヒントも満載。

現代社会では、「心の健康(メンタルヘルス)」が働く人すべてにとって大切なテーマになっています。日本でも、仕事のストレスや不安を感じている方がとても多いと言われています。

今回紹介する研究は、「働く人の心の健康が、どれだけ社会全体の生産性や経済に影響を与えているのか?」を、実際の大規模なデータで明らかにしたものです。

ここでは、その内容をできるだけわかりやすく、そしてちょっと楽しく読みやすい形で解説していきます。


目次

📝 この研究、何がすごい?

この論文のテーマは、「日本の働く人の心の調子が、仕事の効率や社会全体にどんな影響を与えているか」を大きなスケールで調べたことです。

全国から2万7,500人もの働く人たちの声を集め、リアルな「こころと仕事」の関係にスポットを当てています。こうした大規模な調査は、日本の現状を知る上でとても価値あるチャレンジと言えます。


💼 プレゼンティズムとアブセンティズムってなんだろう?

この研究では、「プレゼンティズム」と「アブセンティズム」というちょっと聞き慣れない言葉が使われています。

プレゼンティズムとは、出勤しているのに体や心の不調で本来の力が出せていない状態を指します。例えば、気分がすぐれなかったり、眠れない夜が続いて集中できなかったりして、仕事のパフォーマンスが下がってしまうことです。

一方、アブセンティズムは欠勤のことで、体や心の調子が悪くて仕事を休まなければいけない状態を意味します。どちらも働く人なら誰でも経験する可能性があり、知らないうちに職場や社会全体に大きな影響を与えています。


💰 これほど!? 数字で見る「こころの損失」

調査結果を見て驚くのはその金額です。

会社には来ているけれど本調子じゃない──そんな「プレゼンティズム」の年間損失額は、なんと約4兆7,000億円! 欠勤による損失も約1,850億円。

これは日本のGDP(国内総生産)の1%以上にあたります。心の健康をおろそかにすることが、実はお金や社会の元気にも響いてしまう。見えにくいけれど、とても大きな「こころの不調のコスト」があることがわかります。


👩‍🦰👨‍🦱 性別や年代で差が見える?

この研究では、20代女性が特に心の不調を感じやすいことも分かりました。同じ世代の男性の1.7倍というデータです。

また、30代から40代の男性は、出勤していても本来の力が出せない日が多く、50代前半までその傾向が続きます。欠勤が多いのは40代男性や20代女性。働き盛りや若い世代にとって、心の健康はまさに「人生の分かれ道」とも言えそうです。


🌏 「休みにくい」文化が問題を大きくしている?

日本の職場には「みんなに迷惑をかけたくない」「簡単に休めない」という雰囲気が根強く残っています。気合でがんばる姿勢は美徳とされがちですが、無理を続けることで本人も会社も気付かぬうちに損をしています。

この研究は、日本特有の「がんばり文化」が生み出す見えないコストをデータで証明しています。心や体の調子が悪いときは、勇気を持って立ち止まることも大事です。


🧬 心の健康と生産性のふか〜い関係

心の調子が崩れると、やる気や集中力だけでなく、体の元気もダウンしやすくなります。医学の視点から見ると、ストレスや不眠、気分の落ち込みは、脳のホルモンバランスや自律神経のリズムにまで影響することが分かっています。そのため、普段ならサクサク進む仕事も、なんだか手間取ったり、ミスが増えたりしがちです。

今回の研究の良いところは、大勢の働く人たちのリアルな声を集めて分析している点です。自分の感じ方を大切にしながら「社会の今」を可視化した「鏡」のようなデータとも言えます。ただ、自己申告なので、どうしても数字が多めに出てしまったり、逆に見逃されてしまう人がいることも補足しておきたいポイントです。

もし心や体の不調が続くときは、時には薬やカウンセリング、専門家のサポートを頼ることも大切です。一人で抱え込まず、周囲の力を借りることが、元気を取り戻すための第一歩になります。


🌿 中医学で「こころ」と「からだ」を元気に

中医学の考え方では、心と体はひとつにつながっていると捉えます。現代医学が「ストレスが仕事の効率に影響する」と説明するのに対し、中医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)の協調が崩れたり、「気(き)」や「血(けつ)」、さらに「津液(しんえき)」のバランスが乱れることで、心や体の不調が現れると考えます。

例えば、強いストレスや寝不足が続くと、五臓の働きがうまくかみ合わなくなり、「気」や「血」が消耗したり、巡りが悪くなります。その結果、気分の落ち込みややる気の低下だけでなく、消化の不調や肩こり、頭痛など、さまざまな体のトラブルが出やすくなります。

中医学では、毎日の食事や十分な睡眠、ゆっくりとした深呼吸、ツボ押しなど、日々の生活のなかで「五臓」や「気血」を補い、流れを整えるセルフケアがとても大切とされています。

心が疲れているときこそ、体が発している小さなサインにもやさしく気づいてあげること──それが心と体、両方のバランスを保つ秘訣になります。


👣 明日からできる!  自分のペースでセルフケア

心の不調やストレスは、誰にでも起こりうる、とても身近なものです。たっぷり眠る、よく噛んで食事を味わう、体を少し動かす──そんな日々の小さな積み重ねが、心と体の元気を守ってくれます。

セルフケアとしては、朝に白湯を飲んで胃腸をやさしく目覚めさせたり、外に出て日の光を浴びたり、深呼吸で気分をリセットしたりするのがおすすめです。手のひらや足裏のツボを軽く押す、好きな香りのアロマを取り入れるといった方法も、気持ちをゆるめるサポートになります。

さらに、旬の食材を食卓に取り入れる工夫も、中医学では心身のバランスをととのえるポイントとされています。


🔖 「心の元気」が社会の未来を変える

今回ご紹介した研究は、働く人ひとりひとりの「心の元気」が、実は日本全体の生産性や社会の活力にまで大きく影響していることを、はっきりとデータで示してくれました。

大規模な調査で見えてきたのは、目に見えない「心のコスト」が社会を支える大きな柱になっているという事実です。

だからこそ、がんばりすぎず、自分をいたわることがめぐりめぐって社会全体の元気にもつながります。

「心の健康」大切さは多くの人に知られるようになりましたが、まだ十分とは言えません。「心と体のバランスを大切にする」考え方やケアが、さらに身近なものになって欲しいと思います。

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