
最新研究が明かす、飲酒と心疾患の知られざる関係
「ワインは体にいい」と聞いたことがある人も多いと思います。とくに赤ワインは、心臓に良いというイメージが広く知られています。でも、最近の研究では、「本当にそうなのか?」という声が上がっています。
今回ご紹介するのは、アメリカの心臓の専門団体が出した最新の報告書です。
お酒と心臓や血管の病気との関係を、たくさんの研究をもとにまとめたもので、この中では、「少しだけなら体に良い」というこれまでの考えに、はっきりと疑問を投げかけています。
この記事では、報告書の内容をわかりやすく紹介しながら、お酒が体にどう影響するのかをお話ししていきます。
心臓の病気との関係だけでなく、体質や年齢との関係、中医学の視点もまじえて解説していきます。
🍷 「少しだけなら平気?」と思い込みがちだけど…
「ちょっとくらいならお酒を飲んでも問題ない」と思っている人は多いかもしれません。昔から、「毎日1〜2杯のワインは体に良い」と聞いていた方もいるでしょう。
実際に、昔の研究では、お酒を少し飲んでいる人のほうが、全く飲まない人より心臓の病気になりにくいという結果もありました。でもこれは、「たまたまそう見えただけ」の可能性があることが、最近の調査から分かってきました。
もっとしっかりした方法で調べた新しい研究では、お酒を飲むことによって体が守られるという証拠はほとんど見つかっていません。むしろ、少しの量でも体に負担がかかることが分かってきています。
つまり、「少しだけなら体にいい」と信じていた考えは、今では見直す必要があるかもしれません。
❤️ お酒を飲むと、心臓や体にどんなことが起きる?
お酒を飲むと、体の中ではいろんな変化が起こります。とくに心臓や血圧に大きな影響があることが知られています。
たとえば、少しの量(1〜2杯くらい)ならすぐに問題は出ないことが多いですが、それ以上飲むと、最初の数時間は血圧が少し下がったあとに、しばらくしてから逆に上がることがあります。血圧が高くなると、心臓にかかる負担も大きくなります。
また、不規則な脈(ドキドキしたり、リズムが乱れたりする状態)が起きやすくなることもあります。これは「心房細動(しんぼうさいどう)」と呼ばれる状態で、お酒を飲んだあとに突然起きることもあります。
さらに、長い間たくさん飲み続けると、心臓の筋肉が弱くなって、血を送り出す力が落ちてしまうこともあります。こうなると、疲れやすくなったり、息が切れやすくなったりします。
このように、お酒は少しでも心臓や血管にいろんな影響を与えることがあるのです。
⚖️ 「少しだけなら安心」は本当? データで見ると…
「毎日1杯くらいなら、かえって体に良い」と聞くことがあります。でも、今回の報告では、その考え方を見直したほうがいいという意見が出ています。
たしかに、昔の研究では、お酒を少し飲んでいる人のほうが心筋梗塞(心臓の血管が詰まる病気)になりにくいという結果もありました。でも、もっと正確な方法で調べると、それが本当ではない可能性が高いことがわかってきました。
さらに、1日に1〜2杯でも、脳の血管が詰まったり破れたりするリスクや、血圧が上がる危険性は確実に増えるというデータもあります。特に女性は、男性より少ない量でも体に影響が出やすいことが報告されています。
もうひとつ大事なポイントがあります。研究によっては「飲まない人」の中に、「以前たくさん飲んでいて、病気になってやめた人」も含まれていることがあります。そうすると、「お酒を飲む人のほうが健康に見える」という、ちょっと不公平な比較になってしまうのです。
だからこそ、「少しなら安心」と簡単に信じるのは、今の科学から見ると少し危うい考え方かもしれません。
👩⚕️ 年齢や体質でも、アルコールの影響はちがってくる
お酒の影響は、「飲む量」だけでなく「飲む人の体質や年齢」によっても大きく変わります。
たとえば、女性は体に水分が少なかったり、アルコールを分解する力が弱かったりすることが多いので、同じ量を飲んでも男性より酔いやすく、体への影響も出やすいことが分かっています。そのため、女性では1日1杯程度でも、心臓や血管に負担がかかることがあるのです。
また、年齢を重ねると体の働きがゆっくりになり、薬を飲んでいる人も多くなります。そうなると、お酒と薬の相性が悪くなったり、思いがけない体調不良を起こすことがあります。特に高齢の方にとっては、少しの量でも安心できないことがあるのです。
さらに、アジアの人には、お酒を分解する酵素の働きが弱い体質の人が多くいます。この体質だと、飲んだあと顔が赤くなったり、気分が悪くなったりします。こうした反応がある人は、アルコールによる健康リスクが高くなる傾向があります。
つまり、「誰がどのくらい飲むか」で体への影響は大きく変わるということです。
🔬 お酒と体の関係を調べるのは意外とむずかしい
お酒が体にどう影響するかを調べるのは、とても大切なことですが、実はとてもむずかしいテーマでもあります。なぜなら、長いあいだたくさんの人にお酒を飲んでもらって比べるというような実験は、体への悪影響が出るかもしれないため、なかなかできないからです。
そのため、多くの研究は「ふだんお酒を飲んでいる人の様子を観察する」という方法を使っています。でもこの方法では、その人の生活習慣や体質、仕事の環境などが影響して、正確な結果を出すのがとても難しいのです。
最近では、新しい研究方法も使われるようになってきています。たとえば「トライアル模倣」や「遺伝子の違いを使って調べる方法」などです。これらは前よりも正確にお酒と病気の関係を調べることができますが、やはり限界もあります。
つまり、まだ分からないことがたくさんありますが、今わかっていることだけでも「お酒は体にいいことばかりではない」ということは確かです。
🌿 中医学では、お酒は「熱を生むもの」とされている
中医学では、お酒は体を温める「熱の力」を持っていると考えられています。ほどよく飲めば、体をあたためたり、血のめぐりを良くしたりする働きもあります。でも、飲みすぎると体の中に熱がたまりすぎて、バランスがくずれてしまうとされています。
とくに影響を受けやすいのが、「肝(かん)」と「心(しん)」という大事な働きをする部分です。「肝」は気持ちや体のリズムを整える役目があり、「心」は心の安定や考える力を支える場所と考えられています。
お酒を飲みすぎると、「肝」に熱がこもってイライラしやすくなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。また、その影響が「心」にまでおよぶと、動悸がしたり、不安になったり、心が落ち着かなくなったりすることもあります。
中医学では、こうした体の乱れを防ぐには、「飲みすぎないこと」が大切だとされています。ほんの少し楽しむくらいが、体にも心にもやさしい飲み方なのです。
🏁 見かけの「良さ」に惑わされず、正しく知ることが守りになる
お酒は、楽しく人と過ごす時間を彩るものでもありますが、体への影響は決して小さくありません。とくに心臓や血管といった命に関わる部分には、少量であっても変化をもたらす可能性があることが分かってきました。
今回の報告書には、観察研究で「少しの飲酒が心臓に良いように見える」というデータも紹介されていますが、それはあくまでも「見かけ上の傾向」であって、それが本当にお酒のおかげとは限りません。生活習慣や体質など、さまざまな要素が影響していることを忘れてはいけません。
アメリカ心臓協会も、この点についてはとても慎重な立場を取っています。「お酒を飲むことで得られる健康効果は、たとえあったとしても、わざわざ飲み始める理由にはならない」というのが、今回の報告の中心にある考え方です。
だからこそ、自分の体や暮らしに向き合いながら、「飲まない」という選択肢を積極的に考えてみることが、心と体を守るやさしい一歩になります。
情報をしっかり読み解いて、流されず、自分で選ぶ。その姿勢こそが、これからの健康にとって何より大切になります。
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