卵子25個で1人の赤ちゃん? その数字、本当ですか?

タナココ

妊活・不妊治療では、早めの行動や、個々の状況に応じた治療選びがとても大切です。

体外受精(IVF)の技術は日々進化し、凍結保存や遺伝子検査など、多くの選択肢が患者さんの未来を支えています。
けれども、そんな中で多くの方が抱える素朴な疑問があります。

「1つの卵子から、赤ちゃんは生まれる確率はどれくらだろうか?」

治療に取り組む方、これから妊娠を考える方、そして支える医療者にとっても、この問いに対する答えは知っておきたい──

今回紹介する研究は、その答えを「数字」として示してくれる、非常に貴重な最新データです。

年齢や検査の有無による違いをふまえながら、現実的で信頼できる指標をわかりやすく提供しています。

目次

🥚【この研究は何を調べたの?】

「1つの卵子から赤ちゃんが生まれる確率」は上がっているか?

不妊治療の「体外受精(IVF)」では、卵巣から卵子を採って体外で精子と受精させ、胚(受精卵)を子宮に戻して妊娠を目指します。

この研究は、「1個の卵子から、実際に赤ちゃんが生まれる確率は、この10年で上がっているのか?」 を調べたものです。

📊【どんなふうに調べたの?】

2014年~2020年にアメリカの有名なクリニック(Boston IVF)で行われた 12,717人の女性、20,677回の採卵、約25万個の卵子のデータを解析しました。

チェックした内容

  • 採れた卵子の数(248,004個)
  • できた胚(57,268個)
  • そのうち移植した胚(31,538個)
  • 実際に生まれた赤ちゃん(9,635人)
  • 凍結したまま使っていない胚(25,730個)

🔎【主な結果とその意味】

📈卵子1個から赤ちゃんが生まれる確率は?

  • 全体の平均:3.89%

=約25個の卵子で1人の赤ちゃんが生まれる計算です。

  • すべての胚を使い切った人(=保存している胚なし)に限定すると「2.82%」
  • 凍結胚を含めた「将来期待できる出産」も含めて計算すると「8.34%」(予測値)

👵年齢、PGTの有無と出生率の関係は?

年齢別、PGTの有無と出生率のが

余剰胚なしの場合
年齢   PGTなし PGTあり
<35歳   3.80  3.82
35–37歳  3.12  3.73
38–40歳  2.34  2.91
41–42歳  1.39  1.52
>42歳   0.55  0.90
全体    2.79  2.88(%)

余剰胚ありの場合
年齢  PGTなし PGTあり
<35歳  11.93  9.43
35–37歳 8.72  8.19
38–40歳 5.08  5.66
41–42歳 2.24  2.87
>42歳  0.97  1.39
全体   8.94  7.13(%)

つまり、若いほど出生率が高く、年齢とともに大きく下がることが示されています。

🧬PGT-A(着床前遺伝子検査)とは?

PGT-Aは胚の染色体異常を調べて、正常な胚だけ選んで移植する技術。

💉PGT-Aの効果は?

今回の結果では

  • 35歳未満や35–37歳:PGT-Aを使わない方が出生率は高かった
  • 38~42歳:PGT-Aを使う方が出生率が高かった

つまり、38.5歳を境に、「PGT-Aの効果がプラスになるかマイナスになるか」が変わるという結果が出ています。

💡【この研究でわかったこと】

  • 卵子1個で赤ちゃんまでたどり着ける確率は高くない
  • たくさん卵子があると、出生率はやや上昇する
  • 年齢が上がると、出生率が下がる
  • PGT-Aは、若い人には不要かもしれないが、一定の年齢以上では有用な場合もある

👶【不妊治療中の方へのアドバイス】

  • 1人の赤ちゃんを得るには、何個の卵子が必要?」という疑問に対して、この研究は具体的な数字を提供しています。不妊治療の計画を立てる上で参考になる数字です。
  • 若いうちに卵子を凍結しておく(卵子保存)ことが、将来の妊娠成功率を高める1つの選択肢です。
  • PGT-Aは年齢によって効果が真逆になる(PGTが受精卵へのダメージがある可能性がある)ので、医師としっかり相談して使いどころを見極めることが大切です。
  • 多くの卵子を採卵することのメリットを間接的に示しています。

🔚結論として

この研究からわかるのは、「技術は進歩しても、生物としての限界(年齢の影響など)を超えるのは難しい」ということ。
だからこそ、早めの行動や、個々の状況に応じた治療選びがとても大切です。

早めの情報収集と適切なタイミングでの行動が、未来の選択肢を広げる鍵になります。

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「何個の卵子を採れば安心できるのか」
「自分の年齢で、どんな選択肢があるのか」

患者さん一人ひとりが、治療の中で直面する不安や疑問に、科学的な裏づけと共に向き合うことが、安心して一歩を踏み出すための支えになります。

この研究が示したデータは、医療者にとっては適切な治療方針の参考に、そして患者さんにとっては、納得して選べる未来への指針になるはずです。

「知ること」は、不安を減らすことにつながります。
数字の向こうにある「希望」を、ぜひ一緒に見つけていきましょう。

漢方や鍼灸も体調管理に役立ちますので、ぜひ取り入れてください。

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