ストレスと流産の関係について

妊活では「ストレスコントロール」が大切という報告があります。

この報告は、過去に1〜2回の流産歴があって不妊症ではない人を対象にした研究で、その後の妊娠までの期間をストレスチェックを行いながら経過を観察しました。

その結果、年齢、BMI、喫煙その他因子で補正したところ、ストレス度が高いグループでは流産＋化学流産が1.69倍に、化学流産が2.16倍に増加したことがわかりました。

これまでの報告では、症例対象研究であったためその結果にばらつきが大きく、流産とストレスについて明確な結論が得られていませんでした。

今回の報告では妊娠中のストレスと流産の関係についての前向き研究（バイアスがかかりにくい研究）ですが、流産におけるストレスの影響は十分には解明されていないため、今後の研究で明らかにしていく必要があります。

ストレス度が高い現代においては、単に「ストレスを避けるように」だけでは不十分で、ストレスを軽減するための積極的な行動や介入が必要と考えられています。実際に「マインドフルネス」を用いた不育症の方への介入ではストレスレベルが低下したとするランダム化比較試験も報告されています。

妊活・不妊治療はそのものがストレス源になることも多く、その対策が重要です。体と心を整えることができる漢方＋心理学的サポートをぜひ取り入れて欲しいと思います。