🌤 食べた物以外で「血糖値」は変わるのか?
血糖値というと、つい「食べたもの」にばかり目がいきがちです。
でも実は、最近の研究で、ちょっと意外な「タイミング」で血糖に変化が起きているかもしれないという傾向が見えてきました。
その研究は、アメリカの1型・2型糖尿病の退役軍人たちを対象に、毎5分ごとに記録されたCGM(持続血糖モニタリング)のデータを用いて、6年間にわたる200万件以上の血糖記録を解析したものです。
その結果、「何を食べたか」以外の要素でも血糖に「ゆらぎ」が見られているという現実が浮かび上がりました。
生活の中の「あるリズム」が、私たちの体の中で静かに影響を及ぼしているようです。
この「ゆらぎ」をどう捉えるか──中医学では、季節の移り変わりや毎日の過ごし方が体に影響を与えると考えられ、「気」や「陰陽」のバランスが健康に大きく関わるとされています。
この考え方と、今回のデータには重なる部分がありそうです。
私たちは、血糖をめぐるこの変化とどのようにつきあっていくべきでしょうか。
では、続きを見ていきましょう。
📘 HbA1cだけではわからないことがある
糖尿病診療で長年使われてきた「HbA1c」は、過去1〜2か月の血糖の平均を示す値です。
ただし、この値では「どの時間に血糖が上がったか」「どの時間に下がったか」といった細かな動きは把握できません。
そこで活用されるのが、「CGM(持続血糖モニタリング)」です。この装置は24時間血糖を記録し、体内で何が起きているのかを「見える化」します。
今回の研究では、このCGMの記録を活かして、「季節や曜日といった日常のリズムが血糖にどう影響するか」を詳しく分析しました。
📊 どんな人たちのデータを使ったのか
対象は、21歳以上で、1型または2型糖尿病と診断されているアメリカの退役軍人です。
対象者は、Dexcom社のCGM(持続血糖モニタリング)を日常的に使っていた人たちで、2015年から2020年までの最大6年間にわたるデータです。
その中から条件を満たした約2,600人分が選ばれ、記録された測定点は200万件以上にのぼりました。
こうして、実生活に近い環境での血糖の「ゆらぎ」を大きな規模で捉えることが可能になったのです。
📈 どんな変動が見られたのか
まず、CGM(持続血糖モニタリング)をしっかり使っていた人たちは、そうでない人たちと比べて、時間の経過による血糖の上昇幅が小さい傾向がありました。
つまり、「血糖を見える化」することが、日々の取り組みを後押ししていることが示唆されます。
さらに、季節と曜日による特徴も見えてきました。
春から夏にかけては血糖が比較的落ちつきやすく、秋から冬にかけては少し上がりやすい傾向がありました。特に12月は年間で最も血糖が高めになり、逆に4月はもっとも安定していたのです。
また、曜日で見ると、週末(特に日曜日)に血糖が上がりやすく、水曜日あたりがもっとも安定している傾向が観察されました。
こうした変化は、食事・活動量・生活リズムの違いが影響していると考えられます。
日々のちょっとした「違い」が、こうして血糖のリズムに反映されているというのは、なかなか興味深いところです。
🌱 中医学から見た「血糖のゆらぎ」
季節や曜日による血糖の変化は、中医学の視点からも理解できる現象です。
中医学では、自然の流れと体の働きは深くつながっており、「巡り」や「陰陽」のバランスが体調を大きく左右すると考えられています。
例えば、秋から冬にかけては、活動のエネルギーである「陽」の気が弱まり、体は自然と休息モードに入ります。
この時期は代謝が低下し、血糖のコントロールが不安定になりやすいとされ、実際に血糖値が高くなる傾向も報告されています。
一方、春は生命が動き出す季節で、気温の上昇とともに体の機能が活発になり、代謝も高まり、血糖が安定しやすくなります。
今回の研究でも、4月に血糖値が最も安定していたという結果は、こうした自然のリズムと重なります。
また、週末に血糖が上がりやすい傾向についても、中医学では「労逸(ろういつ)」──働くことと休むことのバランスの乱れ──と関連づけて考えます。
平日の疲れが週末に蓄積したり、週末に生活リズムが乱れたりすることで、体内の「巡り」が滞り、バランスが崩れやすくなるのです。
こうした体内環境の変化が、血糖の「ゆらぎ」として現れている可能性もあるのです。
💡 ゆらぎと付き合う──血糖との向き合い方
この研究では、季節や曜日による「ゆらぎ」が血糖にもあるという事実を、6年・200万件以上のデータから示されました。
特に、秋冬や週末に血糖が上がりやすいという傾向は、自己管理へ活かせるヒントになります。
このような変化は、体が環境や生活リズムに反応しているからこそ起きています。だからこそ、「少し意識を向けて少し工夫を加える」だけの行動が、血糖の安定につながる可能性があります。
たとえば、週末には食事の量や内容を少し見直す、秋から冬には身体を動かす時間を意識して確保する──そんな「小さな選択」が、積み重なれば大きな変化になります。
さらに、CGM(持続血糖モニタリング)を継続して使うことが、血糖の長期的な安定に関係しているという点も見逃せません。記録が「見える」ことで、自分の体を知る手がかりが生まれます。
中医学でも「体の変化に耳を傾けること」が養生の基本とされてきました。
血糖の「ゆらぎ」は、そうした体からのサインのひとつ。
日々の変化に気づき、少しずつ自分に合った調整を重ねていくことが、無理なく健康を保つ力になっていくはずです。
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