1日5サービング?

米国の大規模コホートと世界のメタ解析が示した最適なバランス ⚖️

目次

🍎 果物と野菜、どれくらいがベスト?

「果物や野菜は体に良い」

だからしっかり食べなさい── 子どものころからよく言われたフレーズです。

でも実際に毎日の食卓に並べるとき、迷うことはありませんか?

「たくさん食べればいいんだよね?」と思いつつも、どのくらいがちょうど良いのか、具体的な数字を知っている人は少ないと思います。

今回紹介するのは、アメリカで数十年にわたり数万人を追跡した研究と、世界中から189万人分のデータを集めたメタ解析。

その結果はシンプルで、そしてちょっと意外なものでした。「多ければいい」わけではなく、ある量で効果が頭打ちになるというのです。

さらに面白いのは、この「ちょうど良い量」という考え方が、中医学の食養生とも重なるところ。

西洋と東洋、違うアプローチが同じ方向を指しているのです。

では、詳しく見ていきましょう!


🧭 どんな人をどのくらい追いかけたのか

今回の解析は、アメリカで行われた二つの大規模研究をもとにしています。

ひとつは「Nurses’ Health Study」で約6万7千人の女性を対象に30年間追跡。

もうひとつは「Health Professionals Follow-up Study」で約4万2千人の男性を同じく長期にわたって追跡しました。

いずれも開始時には心臓病やがん、糖尿病を持たない人たちです。

食事内容は2〜4年ごとに配られる食事アンケートで確認し、繰り返しの回答から「普段の食習慣」を平均して評価しました。基準となるのは「果物と野菜の合計2サービング/日」。そこから増やしていった場合のリスクを比較しています。

さらに、この二つの研究だけでなく、世界29カ国・地域から集めた24の研究も統合。

合わせて約189万人分のデータを分析しました。個人を長期間追跡した精度と、国や地域を超えた普遍性の両方を備えた設計になっています。

かなりの念の入れようです。


📉  効果が出るのはどのくらい?

解析の結果、果物と野菜の摂取量が増えるほど死亡リスクは下がりましたが、直線的に下がり続けるわけではありませんでした。

一番リスクが低かったのは、1日5サービング(果物2+野菜3)

そこまでは減少が見られましたが、それ以上増やしても効果はほぼ横ばい。

病気のリスクは、心臓病やがん、そして特に呼吸器疾患で低くなる傾向が確認されました。呼吸器疾患での大きな差は新しい発見で、今後の検証が必要とされています。

また、世界29カ国・地域、約189万人を対象にしたメタ解析でも同じ傾向が確認されました。つまり「1日5サービング前後がちょうど良い」という結論は、アメリカだけでなく世界的にも共通しているのです。


🥦 どの野菜や果物が効く?

すべての果物と野菜が同じように効果を持つわけではありませんでした。

効果がはっきり出たのは、緑葉野菜、非デンプン野菜、アブラナ科の野菜(ブロッコリーやキャベツなど)、柑橘類、ビタミンCやβカロテンを多く含む種類です。これらは死亡リスクの低下と関係が見られました。

一方で、トウモロコシやエンドウなどのデンプン質の多い野菜では効果があまり見られず、フルーツジュースとジャガイモ(フライド、マッシュ、ベイクドを含む)は死亡リスクとの関連は見られませんでした。

研究の結論でも「果物と野菜は増やすべきだが、ジュースとポテトは含めない」と明記されています。

つまり、数だけでなく種類の選び方が大切だということです。


🍽️ どうやって「5サービング」を達成する?

「1日5サービング」と聞くと難しそうに感じますが、実際にはそこまでハードルは高くありません。

基準では、1サービング=中くらいの果物1個、または調理後の野菜を半カップ(メタ解析では80g換算)です。

例えば

  • 朝食にフルーツを1つ
  • 昼食にサラダを1皿
  • 夕食に野菜のおかずを2品
  • デザートに果物をもう1つ

これで「果物2+野菜3=合計5サービング」になります。

大事なのは、ジュースやポテトは「果物・野菜」には数えないこと。つまり、自然に近い形で食べることがポイントです。

緑葉野菜や柑橘類、ブロッコリーやニンジンなどをバランスよく取り入れることで、最適な「5サービング」に近づけます。


🌿 中医学の知恵とつながるポイント

中医学では、食材を「五色(青・赤・黄・白・黒)」や「五味(酸・苦・甘・辛・鹹)」に分け、それぞれが体の働きを支えると考えます。

例えば、緑の葉物は「肝」を助け、赤い果物は「心」に、黄色やオレンジの野菜は「脾」に良いとされます。

今回の研究が示した「果物2+野菜3」というバランスは、この五色を揃えて食べる考え方とも重なりやすい内容です。

また、「素材をそのまま食べる」ことを重視する点も、研究の結論──ジュースやポテトは対象外とする──と一致します。

つまり、西洋の大規模データと中医学の食養生は、違う枠組みでありながら「多様な野菜や果物をバランスよく、自然に近い形で食べる」という同じ結果に行き着いているのです。


✅ 今日から少し足してみよう🍎🥕

今回の研究で示されたのは、「果物と野菜は多ければ多いほど良い」というわけではなく、1日5サービング(果物2+野菜3)が最も効果的だということです。

さらにこれは、中医学の「色や種類を揃え、素材を丸ごと食べる」という食養生の考え方とも方向性が一致しています。

大切なのは、数字に縛られることではなく、毎日の食卓に少しずつ加えていく工夫です。

「あと一皿」の積み重ねが未来の健康につながる──そんなふうに考えると、お買い物かごに自然と野菜やフルーツを足したくなるのではないでしょうか。

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