こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
頭痛は、だれもが経験するありふれた症状ですが、日本人の3人に1人は、慢性頭痛に悩む、いわゆる「頭痛もち」といわれています。
頭痛は日常生活に支障をきたすことも多く、検査をしても問題がない場合、多くの人は痛み止めで対処していると言われています。
特にこの時期は季節の影響もあり、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
また、痛み止めで頭痛はおさまるものの、痛み止めが手放せなくて困っている方も多いようです。
西洋医学的に異常がないという頭痛でも、中医学的には分類や治療ができますのでこれらについて簡単に見てみたいと思います。
頭痛解消の参考になれば幸いです。
中医学における頭痛とは
中医学では痛みは「不通」によって起こると考えます。
つまり
「流れが悪い → 痛み」
となります。
血流が悪い → 瘀血 → 痛み
水の流れが悪い → 痰湿 → 痛み
邪気により血、水の流れが滞る → 痛み
中医学では、これらの痛みを、滞りを取り除くことで解消していきます。
中医学の重要な考え方の1つに「陰陽論」があります。
陰陽論とは、全ては「陰」と「陽」の二つの性質を持っているとする考えです。
頭は体の「上」に位置します。「上」は陰陽で分けると「陽」になります。
陰陽論で考えると、頭に関係する疾患は「陽」の性質を持っていることが多いという特徴があります。
「陰」に属する疾患がないわけではありませんが、治療は「陽」の調整を行うことが多いです。
つぎにもう少し詳しく病気の成り立ち=原因(「病因病機」といいます)について見ていきたいと思います。
頭痛の原因には大きく分けて2つあります。「外感」によるものと「内傷」によるものです。
「外寒」とは外部の邪気のことで、これには「風」「寒」「暑」「湿」「燥」「火」の邪気があり、「内傷」は臓腑の機能失調だったり、慢性疾患によるものだったりします。この場合多くは「肝」が関連することが多いです。
ではこれらについて見ていきたいと思います。
頭痛の病因病機(病気の成り立ち)と処方について
・風寒頭痛
風寒の邪が体表の気(衛気)を傷つけ、膀胱経(背中を通る経絡)に入ることで生じます。「寒」の邪の性質は凝縮して滞る性質があるので気血の巡りが悪くなり痛みを生じます。頭痛のほか首や肩の筋肉がこわばったりすることもあります。
漢方の処方では葛根湯や川芎茶調散などが使われることがあります。
・風熱頭痛
風熱邪の影響で熱っぽい感じや張った感じがする頭痛です。
漢方の処方では、銀翹散(金羚感冒散)や桑菊飲などが使われることがあります。
・風湿頭痛
湿邪の影響で頭が重く感じる頭痛になります。お腹の調子もあまり良くないことも多いです。
漢方の処方では藿香正気散などが使われることがあります。
内傷による頭痛の種類とその処方について
・気虚頭痛
疲れた時に起こりやすい頭痛です。体も倦怠感や食欲不振を伴ったりもします。
漢方の処方では補中益気湯などが使われることがあります。
・血虚頭痛
ふらつきがあったり、立ち上がる時に痛みが増強したりします。横になって休むと痛みが軽くなりやすいです。
漢方の処方では当帰養血精、四物湯、人参養栄湯などが使われることがあります。
・腎虚頭痛
痛みの程度は強くありませんが、耳鳴りや冷えなどが伴ったりもします。
漢方の処方では八味地黄丸や麻黄附子細辛湯などが使われることがあります。
・肝火頭痛
片頭痛のような頭痛です。熱感や耳鳴り、ストレスで悪化し、便秘を伴うこともあります。
漢方の処方では釣藤散や竜胆瀉肝湯などが使われることがあります。
・痰濁頭痛
痰濁が気血の流れを滞らせることで起こる頭痛で、なかなか治りにくくて長引く傾向にあります。めまいや胸のつかえ感、食欲不振などが伴うことがあります。
漢方の処方では半夏白朮天麻湯などが使われることがあります。
*痰濁:湿気のことで、湿は重く濁っていて粘っこく停滞しやすいので軽く綺麗な気の活動を阻みます
・瘀血頭痛
慢性疾患や重症例に伴ってみられる頭痛で、治りにくく痛みは刺すような痛みで強く、痛む場所は一定のことが多いです。
桂枝茯苓丸などが使われることがあります。
以上が頭痛の中医学的な大まかな分類と漢方の処方になります。頭痛の原因は一つだけではなく複合的な原因によるものも多く、処方についても上記に挙げたものだけではありません。頭痛で悩んでいる場合は、症状や体質に合わせて調整するとより効果的ですのでぜひご相談ください。
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