長引く咳

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

長引く咳〜心因性咳嗽と心理サポートによる治療

長引く咳…やっかいです。

特にここ数年「咳」は周囲の視線を集めやすく、コロナではない「咳」で悩まれている方は困っていると思います。

「咳」は病院を受診して薬をもらい服用しても治りにくいことがあります。

 

「咳」は、3週以内の咳を急性咳嗽、3~8週の咳を遷延性咳嗽、8週以上持続する咳を慢性咳嗽とその症状が出ている長さで分けることがあります。

 

急性咳嗽の多くはいわゆる「風邪」による咳です。遷延性咳嗽は、たとえば風邪を引いた後に長引く咳(感染後咳嗽、感染後遷延性咳嗽などと呼ばれたりもします)があったりします。

8週以上持続する咳には咳ぜんそく、副鼻腔気管支症候群(慢性副鼻腔炎に下気道の炎症性疾患である慢性気管支炎、気管支拡張症あるいはびまん性汎細気管支炎が合併した病態)、胃食道逆流症、アトピー咳嗽などの疾患が考えられます。

 

このなかでも咳ぜんそくは慢性咳嗽の40%以上を占めるといわれています。

このほかまれではありますが、結核やマイコプラズマなどの感染症、肺腫瘍などが原因となることがあります。

 

慢性の咳の多くは、何らかの原因によりそのセンサー(反射のしくみ)が敏感になり、少しの刺激や、刺激がないのに、咳が起こってしまうと考えられています。

しかし、上記の原因も考えられず、色々検査しても以上が見られず、吸入ステロイドを使っても、咳止めを飲んでも咳が止まらないケースがあります。

 

その場合、心理的なことが咳の原因となっていることがあります。

これを「心因性咳嗽」と言います。

 

心因性咳嗽は、心理生理的メカニズム(精神的なストレス、緊張など)によって引き起こされる咳で、検査では特に異常が指摘されず、心理社会的条件によって症状に変化がみられる咳のことを言います。就寝中やものごとに集中しているとき、楽しいことをしているときには咳は少なく、午後〜夕方にかけて悪化することが多いです。

神経性咳嗽とも呼ばれることもありますが、意味は同じです。

 

心因性咳嗽では気管支喘息や咳喘息のような呼吸器の炎症はなく、精神的なストレス、緊張がきっかけとなって自律神経の交感神経が興奮し、結果として咳が起こっていると考えられています。

その場合、治療には抗不安薬や漢方薬、心理サポートなどが効果的なことがあります。

 

例えば、検査をしても特に異常が見られず「咳が止まらない」と相談に来られたケースでは、咳が出る状況を詳しく聞いた結果、どうやら仕事のことを考えた時に咳が出てしまう頻度が高くなり、さらに詳しく状況を聞いてみると、どうやら転勤の内示がでてしばらくしてから、転勤のことを考えた時に咳が増えることがわかりました。

ご自身は成長のチャンスと思っていたので、転勤をストレスだと感じている意識はなかったので、まさかストレスで咳が出ているとは思っていなかったようです。この方の場合、このほか、ひどくはないものの喉のつかえ感なども見られたため、漢方は半夏厚朴湯などの「気の巡り」を改善する処方を中心に調整し、体がストレスに対して敏感に反応してしまっている状態をケアをするとともに、意識していなかった「不安」への心理サポートと「不安」の扱い方について話し合いました。その結果、喉のつかえ感の減少とともに、次第に咳が出ることがなくなりました。

 

慢性咳嗽は薬を飲んでも漢方で治療してもうまくいかないことがあります。その場合、心理療法的なアプローチを加えることで、症状の改善につながることがあります。特に心因性咳嗽の改善には心理サポートは重要な視点です。

 

心因性咳嗽は咳止めが効果がないことが多く、そのため病院を何度も変えたり、市販薬をいろいろ試してみたり、最終的には心療内科などで「心因性咳嗽」と診断されることもあります。病院では安定剤が処方されたりしますが、副作用のために継続ができないこともあります。安定剤でも症状が改善されないこともあります。

漢方+心理学的アプローチは、漢方でストレスに対する体の反応を穏やかにし、心理学的アプローチで「ストレス」の扱い方などを一緒に考えることで、心身の症状を改善しストレス耐性を高め、症状を再び起こりにくくすることができます。

漢方+心理学は、身体と精神の両面に働きかけることができるため、心因性咳嗽の改善に相性が良いアプローチです。また、心因性咳嗽だけではなく、ストレスや不安で悪化するような症状に対しては心因性咳嗽同様、良いアプローチとなります。ストレス、不安で悪化するような症状でお困りの方はご相談ください。

 

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