連花清瘟(连花清瘟)について(新型コロナウイルスに対する抗ウイルス、抗炎症作用)

こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。

 

今回の新型コロナウイルス感染症の対応について、中国で専門チームを率いた「钟南山院士」のグループによる「新型コロナウイルス感染症に対する連花清瘟の抗ウイルス、抗炎症作用」についての報告がPharmacological Researchで公開されています。

「連花清瘟」は日本では販売されていません。必要な場合、類似処方で対応しています。

 

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報告によると「連花清瘟」はVero E6細胞におけるSARS-CoV-2の複製を有意に阻害し、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6、CCL-2/MCP-1、CXCL-10/IP-10)の発現レベルを有意に低下させるとしています。

 

「連花清瘟」は幅広いスペクトルをもつ漢方の抗ウイルス剤として、呼吸器のウイルス感染症に対して中国の臨床現場で広く使用されている漢方です。

これまでの研究では、「連花清瘟」はインフルエンザにおいて、ウイルスと宿主の両方の反応を阻害することが示されています。

 

「連花清瘟」は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床症状を緩和させることが報告されていましたが、SARS-CoV-2そのものに対する根本的な作用メカニズムはまだよくわかっていませんでした。

今回の研究では、「連花清瘟」の抗ウイルス作用、抗炎症作用のメカニズムが明らかにされたとして、COVID-19の治療に既存の治療法と組み合わせて「連花清瘟」を臨床応用することができるとしています。

 

 

「連花清瘟」は

麻黄、杏仁、甘草、石膏、連翹、金銀花、板藍根、貫衆、魚腥草、藿香、大黄、紅景天、薄荷

で構成されている漢方です。

「連花清瘟」は日本では発売されていない漢方薬ですが、効果としては「清瘟解毒、宣肺瀉熱」の効果を持ち、感染性の発熱およびそれに伴う症状と、肺の症状(咳・呼吸困難など)を改善する処方となります。

 

中医学の視点で見て見ると、新型コロナウイルス感染症では、原因ウイルスは中医学では「外邪」といいますが、これに対処すると同時に体の中ので生じた熱である「内火」にも対処する必要があります。今回の新型コロナウイルス感染症場合であれば、「内火」=「肺炎」です。

「連花清瘟」は外邪を散じる麻黄、内火を清する石膏、金銀花、連翹などで作られており、原因を排除しながら、発熱や発熱の再発を抑える処方になっています。

「連花清瘟」は、新型インフルエンザの時にタミフルと比較した試験も行われましたが、症状改善や解熱に要する時間もタミフルに比べ経過も良好で期間も短かったという報告もあった漢方です。

漢方薬は、西洋薬の抗ウイルス作用のある薬と比べて、同時に多彩な作用を示し、副作用も少ないため、症状の改善に大いに役立つと考えられます。

 

「清肺排毒湯」も中国のガイドラインでは優先的に使用するよう提案していますが、「連花清瘟」についても過去の感染症でも使用されたことから、中国では多く使用されたようです。

「連花清瘟」は残念ながら、日本では購入することができませんが、連花清瘟に近い処方なら作ることができます。しかし、臨床で多く使用されているわけではなくその効果は未知数ですので、今後の報告等が待たれるところです。

また、「清肺排毒湯」も「連花清瘟」も予防的に飲む漢方ではありませんので、ご注意ください。

特効薬の候補は少しずつ増えていますが、一般的に使用されるまでにはまだ時間がかかりそうです。それまでの間、また特効薬ができたとしても、併用して効果を高めるお手伝いが漢方でできると思いますので、漢方でのサポートをご希望される方はご相談ください。

 

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