こんにちは、相模原 タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。
タナココでは妊活から産後の体調回復、赤ちゃんの体調管理やその後についてもサポートしています。
その中で赤ちゃんの「泣き」について漢方相談を受けることがあります。
赤ちゃんが泣き止まないととても不安になります。
どこか悪いのではないか、何か間違った対応をしてしまったのではないか・・・。
赤ちゃんが生まれてすぐは、お母さんは出産の疲労と、次々やってくる「新しいこと」への対応でトラブルが起こったときにどうしたらよいかわからなくなることがあります。
特に赤ちゃんが泣き止まないことに対して、悩んでしまう親御さんは多いと思います。
赤ちゃんが泣く理由についてはいくつか理由が考えられていますが、その中でも特に低月齢の時期は「理由もなく」泣くことがあり、そしてなかなか泣き止まないことがあります。
これは、生後2ヶ月くらいをピークに5ヶ月頃まで続く「パープル(PURPLE)クライイング」と呼ばれる理解困難な泣き方で、親との関わりに関係なくみられる現象です。
P:Peak of Crying
生後2か月くらいがピークとなり、その後少しずつ緩和される
U:Unexpected
赤ちゃんが泣いている原因が分からない
R:Resistssoothing
なだめることもできない
P:Pain-likeface
痛くなくても痛そうに泣く
L:Longlasting
長く続き、1日5時間泣く場合もある
E:Evening
特に午後から夕方によく泣く傾向にある(コリックや黄昏泣きとも言われます)
もちろん「泣き」が病気とは関係ないことを確認しておくことは重要です。
おかしいと感じた場合はまずは小児科を受診し、腸重積やヘルニアなどの重大な病気の除外診断が必要です。問題がないとわかった後でも、泣いた時は赤ちゃんが不快な状況にないか、痛がってはいないか、熱はないかなど基本的なことは確認しておきましょう。
よく「赤ちゃんは泣くのが仕事」といわれますが、「この泣き方は普通じゃない!」と感じてしまうくらいよく泣きますが、病気でなければ異常ではありません。
この場合の「泣き」は親御さんの何かが悪いのではまったくありません。このことで落ち込んだり悩んだりすることのないようにしてください。
このことをしっかり理解することは、激しくそして長時間の「泣き」に対応するためにもとても大切です。
数年前に、このパープルクライイングの原因として、一部ネットなどの情報でお腹のガスが原因とする情報が広まりました。その際にカテーテルでガス抜きをすると良いとしていましたが、うっかり腸を傷つけてしまったら大変ですので行わないようにしましょう。
腸管って意外と柔らかいです。
参考:意外と怖い「グリセリン浣腸」、直腸穿孔や溶血など起こり得るトラブル8つ|排便ケアを極める(2)
もちろんガスでお腹が張って泣いてしまうこともありますのでその場合は、カテーテルでのガス抜きを考えるのではなく、腸の環境を整えたり、便秘などの解消に努めましょう。
便秘があれば、便と一緒にガスも出てきます。
マルツエキスやピコスルファートNa、酸化マグネシウムなど飲み薬もありますが、飲み薬以外では綿棒浣腸や赤ちゃん用のグリセリン浣腸(イチジク浣腸など)があります。カテーテルでガス抜き・・・ではなく、こちらから試してみることをおすすめします。
赤ちゃんが「泣く」ことに対しては、「虫封じの祈祷」なども行われており、古くは平安時代に「疳の虫」の記録もあったようです。
昔から多くの人が悩んできましたことですので、なかなか特効薬的なものはありませんが、漢方で奏功することが時々あります。
いわゆる「夜泣き」に対する有名な漢方処方に「抑肝散」がありますが、これ以外にも甘麦大棗湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、抑肝散加陳皮半夏、小建中湯などが使われてることがあります。一人ひとり、泣く時の状況などから処方をお選びしますので、相談してからお試しください。
寝る時間を決めたり、入眠儀式を行うことで夜泣きが少なくなることもありますので、合わせてお試しください。
このほか赤ちゃんの「泣き」に関連して、赤ちゃんが寝てもすぐ起きてしまうことについて悩むことも多いと思いますが、これは医学的にみてもある程度は仕方のないことと考えられています。現象は赤ちゃんが睡眠リズムを学習する過程と考えられています。
白いところが起きている時間、黒いところが寝ている時間です。成長するにつれて睡眠リズムを獲得して来ていることがわかります。
初めのうちは睡眠リズムはランダムですが、「睡眠日誌」をつけることで赤ちゃんの睡眠の傾向が見えやすくなり、親御さんが休むタイミングもつかみやすくなりますので試してみても良いかもしれません。
赤ちゃんが「泣き」は、育児の通過点でもありますが、特に夜間は「泣き」に対応できるマンパワーが圧倒的に不足するために、心身ともに疲弊し体調を崩してしまうことも多いです。
パープルグライイング、コリック、黄昏泣き、疳の虫など様々な呼び方がついている赤ちゃんの「泣き」はなかなか手強いですが、漢方などを組み合わせたりしながら、赤ちゃんや親御さんの環境に合わせた方法で解決していきましょう。
こちらも参考にしてください。
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